◇-「遊歩俳句大会」作品その13-前川整洋(12/12-21:58)No.113
113 | 「遊歩俳句大会」作品その13 | 前川整洋 E-mail | 12/12-21:58 |
イラクへの自衛隊派兵で世論は混迷しているようです。国際貢献という大儀はありますが、行かないで済めばそれにこしたことはないようです。詩の教室で長谷川龍生先生は、かって国際合意のもとでのシベリヤ出兵があったが、それが大陸進出につながった歴史を忘れてはならない、と言っていました。 俳誌「俳句界9月増刊号・遊歩俳句大会作品集」から各県ごとの掲載句で、 目に付い数句をシリーズで紹介していきます。一言の句評も書き加えていま す。 京都府 竹林の隙間に沈む陽は涼し………小南和也 冬であれば「竹林の隙間」により淋しさが強調されることになる。夏だから 優雅で涼しい景をなしている。 大阪府 ギター弾き歩く男や巴里祭………三木蒼生 パリの通り、ギターを弾きながら男が歩いている。当たり前の景であるとも いえるが、パリの雅でドラマチックな風情が、ギターの男で浮かんでくる。 論じ合う哲学の道朧月………岩崎いち子 哲学は論じるほどに結論はぼやけてくるものだ。そこに朧月に通じる哲学の 味わいがある。 衣更えして釈迦堂の行き戻り………中田達男 願いことがあって釈迦堂に行ったのではないと思われる。気分転換とか、い つもの習慣での軽い気持ちからの釈迦堂参りである。青葉の雑木が点在する 一角にあるのであろう。 |