タイトル: 「遊歩俳句大会」作品その14
投稿者 : 前川整洋<mae_sei@mwb.biglobe.ne.jp>Locked!
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登録時間:2003年12月19日21時49分
本文:
俳誌「俳句界9月増刊号・遊歩俳句大会作品集」から各県ごとの掲載句で、
目に付い数句をシリーズで紹介していきます。一言の句評も書き加えていま
す。
兵庫県
南朝の悲史を背負って花の道………船辺隆雄
吉野の桜の名所としてとりわけ有名である。が、ここは南朝の御所があった
場所である。散る桜の哀れさに、歴史的のことも重なってくるのである。
家の灯を映しにぎわう夜の水田………田中那都子
田園の夜は淋しいものである。田圃に住宅が迫っているのであろうか、水田
に家々の灯かりが映っている。ほのぼのとしたメルヘンチックな賑わいであ
る。
殴る雪蹴散らすように売る駅伝………たまじゅういち
商をしている人々の心意気が伝わってくる一句である。「殴る」と「蹴散ら
す」の対比に妙味がある。
奈良県
東大寺裏を歩いて春の星………栗原加実
東大寺は大仏殿の他にも、多くの伽藍がある。東大寺裏手も伽藍と伽藍に挟
まれた小道であったよに記憶している。そんな道から仰ぐ春星は、優雅であ
り趣深い。
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