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◇-建築物構造計算書偽装事件4-前川整洋(12/10-14:42)No.221


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221建築物構造計算書偽装事件4前川整洋 12/10-14:42

ゼネコンの鹿島建設と大林組も、構造計算書偽装のホテルを建設していたとのニュースがありました。いずれも下請けは木村建設であったとのことです。チェックできる手立てをもっていても、やる気がなかったと言わざるえません。黙認の構造とでのいえそうです。被害者の方々に対しては、税金をつぎ込むしかないわけです。国の負債750兆円にさらに1000億円くらい増えるのは、いたしかたないところです。
 振動や熱を含めて荷重のかかる構造物に対して実施される強度計算について、私の経験から少々考えてみます。
 強度計算からの材料厚さに対し、必ず安全率を掛けます。安全率2.0ならば、鉄筋10本で破断となると、鉄筋20本で設計します。1建築士といても構造解析の専門家ではないので、骨組み構造を、経験式や実験式を含めた初等力学で計算しているのではないか、と予想されます。この場合の安全率は2.0以上となります。有限要素法(Finite Element Method)で解析してあれば、おそらく安全率は、2.0以下にできるはずです。(機械設計では2.0以下にできます)このあたりはJISや国の基準があるはずです。
 基準の計算値の30%しか強度がなかった、といった言い方のニュースが頻繁に聞かされていますが、その計算値自体どれほどの精度なのか疑問があります。その精度のあやふやさを、安全率でカバーしているわけです。安全率が3くらいであれば、基準の30%の強度であっても有限要素法で解析した結果、最低限の耐震性ありとの結果も考えられます。
 機械設計では、従来とかなり違った形状は、有限要素法で解析し、その後の類似形状は比例設計するのが普通です。有限要素法はコストと作業時間がかかるので、どの物件にも適用するわけにはいきません。
 高層ビルの建設に新技術の開発・確立が集中してきたようにも思われます。10階くらいのビルについては、耐震計算法もチェックの仕方も、どれほど技術の開発が行われきたのか疑問です。一方、10階くらいのビルに対して、震度8にも耐えられる、ビルの断面形状(断面形状によって曲げの力に対する剛性である断面2次モーメントを計算できる)に対しての各階に必要な柱の数、柱ごとの鉄筋の直径と数を、有限要素法で決めることはできそうです。それを法制化すればよいのではと思います。国も建築会社も、本気では取り組んでこなかったと言えそうです。関係者の処罰とともに、被害者の方々に対しての税金よる救済は、当然と言えます。


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