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タイトル: アジア環太平洋詩人会議2005その5
投稿者 : 前川整洋Locked!

URL   : 未登録
登録時間:2005年12月10日14時50分
本文:
音の響きと一連の言葉からの意味の合体から詩が生まれる。こうしてヨーロ
ッパにおいて詩という文芸が創られたわけです。外国語での詩の朗読を聞い
ていると、そのことが理解できてくるようでした。日本の口語自由詩は、内
容からの意味が先行したとされています。
 海外の詩人の朗読を拝聴しての感想ですが、朝鮮語は日本語と文法がほと
んど同じであることからか、日本語と同じように平板な感じで、他方、フラ
ンス語、英語、中国語は抑揚が大きく、大波小波が押し寄せてくるといった
説得力がありました。
 コンゴ人のカマンダ氏のフランス語での朗読は、アフリカ大陸出身の世界
的な詩人であるだけに大地の響きのような迫力でした。カマンダ氏の紹介が
ありましたが、愛知万博への出演で今年は3回来日されたそうです。彼は昨年
の「地球」の研究会にもゲストとして来られたことがあります。

     風の中の言葉       
                     *カマ・シウォール・カマンダ
                      (田井 淑江 訳)
先頭に立ち、私は風に言葉をもたらす
草むらに言葉をもたらす
そこでは私の祖先が私の魂の中に
ラフィアの茣蓙を織るでしょう
すると子供たちが
腰を下ろして夢を見るでしょう。
亡命の太陽が
私の宿命を照らしだす。
目醒めた詩の光が
スペクトルの波の中に反射している
孤独な天才の歌がそこに溺れている
友たちは想いを引き摺りながら
私の心の連なりの中に
言葉もなく残響もなく
不在と絶対を遠ざけている。

 *カマ・シウォール・カマンダ:アフリカの伝統に根ざした言葉を精力的に
紡ぐ現代の吟遊詩人。ポール・ベルレーヌ賞、ブラックアフリカ文学大賞な
ど多くの賞を受賞している。1952年、コンゴ民主共和国に生まれた。
(詩の日本語訳は、詩誌『地球136号』より)


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