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◇-有限要素法による耐震計算-前川整洋(12/10-21:25)No.223


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223有限要素法による耐震計算前川整洋 12/10-21:25

掲示板・山SIG(http://www5a.biglobe.ne.jp/~YAMASIG/)に書き込んだ「建築物構造計算書偽装事件4」に対して、P.waveさんから次の返信がありました。

構造計算偽装問題について、少しだけ触れておきます。
報道されている「必要強度の30%しかない」というのは、

Qu/Qun = 0.3 < 1.0

という式で、Qu: 保有水平耐力 Qun: 必要保有水平耐力 です。

これは、この柱に何本の鉄筋が必要かとか、梁断面はいくら必要か、という計算の話で
はありません。それは1次設計(許容応力度設計)で行われ、そこで設計した架構の保
有水平耐力は各階でいくらあるか、というのが保有水平耐力計算(2次設計)です。

一次設計の応力解析と2次設計の保有水平耐力計算は、「剛性マトリックス法」で行わ
れるのが一般的だろうと思います。建物の一次固有周期は略算式を使います。

最近は、保有水平耐力計算をせずに限界耐力計算法による場合もありますが、まだ一般
的ではありません。いずれにしろ、Qu/Qun = 0.3 では話になりません。存在自体が危
険という感じです。

私は有限要素法による振動解析にもとづく構造解析を、20年くらい前に1度だけ行ったことがあるので、その経験をもとに次の返信をしました。

Qu/Qun = 0.3 < 1.0
Qu: 保有水平耐力 Qun: 必要保有水平耐力

P.waveさんは上式で議論されました。一方、建築物の耐震計算経験式につては素人なので、断言はできませんが、上式のQu(保有水平耐力)は骨組構造から簡易計算で求め、Qun(必要保有水平耐力)には安全率がかかっていると考えます。
 担当技術者の手が空いていなかったことから、私は有限要素法で20年くらい前に、立型ポンプのポンプを含めた軸系の振動により生じる応力計算を一度だけ行ったことがあります。最初に固有振動数解析を行い、その1次から3次くらいまでの変位モードから、刺激係数というのを計算し、その刺激係数から軸系の応力値を求めたように記憶しています。耐震計算も同様な手法がとられるはずです。また、過去の代表的な地震波形(国際的に決まっているものがあるようである)を入力して、応答解析も行っているようです。機械メーカーでも原子機器ではかなりシビアーな耐震計算が行われています。耐震計算は振動と構造が相互に関連した解析となるので、通常の構造解析とは違う分野となります。私は原子力関係の解析にはほとんどタッチしていませんでしたが、担当者の仕事を見ていると、原子力ポンプでは、構造、振動、熱の解析イコール設計といった観を受けました。
 私は有限体積法での流れと熱解析を毎日にように行っているので、基本的には経験式では正確な値(安全率2.0以下でも安全な値)はでないと思っています。


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