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◇-自然主義文学と近代・現代詩-前川整洋(6/17-20:56)No.236
 ┣フィラデルフィア美術館展-前川整洋(11/17-19:56)No.296
 ┣訂正・草津白根山-前川整洋(12/2-16:01)No.299
 ┗新宿御苑の紅葉-前川整洋(12/9-14:05)No.300


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236自然主義文学と近代・現代詩前川整洋 6/17-20:56

横浜文学学校の講評で宮原昭夫先生から、自然主義の詩はなかった、との指
摘がありました。そのことから、詩の進展をたどったものに自然主義文学を
入れ込むのは無理があろう、という指導がありました。
 そこで私なりに自然主義文学と近代・現代詩の関係を調べ直しました。ゾ
ラからはじまったとされる自然主義文学と、近代詩のはじまりとされるボー
ドレールの象徴主義の年代をチェックし、日本の詩作品でそれらが反映され
た年代もまとめました。

生年と初期代表作発表年
ツルゲーネフ 1818年  猟人日記(1852年)
ボードレール  1821年 悪の華(1857年)
ゾラ       1840年  ルーゴン家の繁栄(1871年)
島崎藤村   1872年  若菜集 明治30年 文語、ロマン主義
北原白秋   1885年  邪宗門 明治44年 文語、象徴主義的(白秋独自の耽美主義)
高村光太郎  1883年  道程  大正3年 口語、白樺派(表現法はリアリズム)
千家元麿   1888年 自分は見た 大正7年 口語、白樺派(表現法はリアリズム)
萩原朔太郎  1888年  月に吠える 大正12年 口語、象徴主義的

自然主義の定義者であるゾラが、最も後であることは意外です。年代的には
ゾラはツルゲーネフの影響を受けていたかもしれません。
 近代小説のメインテーマである社会認識、人間探求のテーマは、詩ではボ
ードレールの象徴主義で扱いやすいテーマであったのではと考えます。自然
認識のテーマはやはり自然主義での形式で扱われたといえます。ここでの自
然主義は本家本元のゾラの自然主義ではなく、日本では注目されたツルゲー
ネフの自然主義です。
 我が国の近代詩に対しては象徴主義の影響が大きかったとされているの
で、自然主義の影響は論じられていないようです。しかしながら、「ありの
ままを描く」自然主義の完成は、口語表現の完成とリンクしていたので、口
語自由詩である近代・現代詩も自然主義文学の一端を担っていたといえない
こともないはずです。
 ところで、文学史を勉強しても文章力などがアップすることはないわけで
すが、読者が求めている、必要としている、表現形式、テーマ、パターン、
思想哲学を知るには文学史の勉強をしても損はないようです。

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296フィラデルフィア美術館展前川整洋 11/17-19:56

11月16日、休暇をとって東京都美術館でのフィラデルフィア美術館展に行ってきました。「印象派と20世紀の美術」をテーマにしています。
 ピカソの絵はいろいろ見てはきていますが、代表作とされる作品は見たことがありませんでした。今回、代表作に入る「自画像」、「ヴァイオリンを持つ男」、「三人の音楽師」の3点を鑑賞することができました。
 ピカソの代表作はキャンバス・サイズが大きいことに、先ずハッとさせられました。そこにかもし出されている迫力とメッセージ性は、グッとくるものがあります。ピカソは具象の再構成で厳密な意味での抽象絵画ではない、とされているようですが、ピカソの絵からは、抽象絵画は絵を音楽に近かづかせたという美術論が見えてくる思いでした。
   大作のピカソに酔えり初紅葉

 10月に登った西吾妻山では、西吾妻山から東吾妻山にのびる山稜は、スケールの大きな抽象絵画の味わいがありました。草紅葉、紅葉、針葉樹の濃緑の斑模様と青空の背景は、山ならではの芸術的景観でした。
   草紅葉に紅葉散らばり讃歌なす

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299訂正・草津白根山前川整洋 12/2-16:01

「百名山」では、噴煙で山頂に行けない山に浅間山と草津白根山があります、と書きましたが、草津白根山は噴煙は上がっていなくて、有毒ガスが湧いているために危険で山頂立ち入り禁止となっています。浅間山は山頂への道はありますが、草津白根山は見当たらないようです。草津白根山の山頂基部は火口跡となっています。
   這松の這ふ火口跡冬近し
という句を作っていますが、這松が茂っているようです。かなり上までバスで行けるので、容易に高山的な景観が味わえる山です。

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300新宿御苑の紅葉前川整洋 12/9-14:05

昨日(12/8)、ニュースで新宿御苑の紅葉は来週末が最盛期と言ってい
ましたが、小春日和、山に出掛ける時間はない(元気もないかもしれません)
ので、御苑に行ってみました。盛りは過ぎていて、枯木も見かけました。な
かなかの盛りの林もあり、来苑者もたくさんいました。関東、東北南部の山
では10月中旬から11月中旬が紅葉期と思いますが、街中ではだいぶ時期
がずれるようです。山や高原でなくても、紅葉ならではの自然美の味わいあ
るといえます。
      立ち止まり紅葉と心かよわせる
      裂けさうになるまで真つ赤紅葉かな


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