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◇-原子力発電の安全性について-前川整洋(2/4-11:13)No.264


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264原子力発電の安全性について前川整洋 2/4-11:13

原子力発電所は、保守管理運用を含めてその状況は市民レベルで注視する必
要があります。原子炉の仕組みは一般にも知られていることではあります
が、原子炉の技術的難しさまではあまり知られていないようです。先ず、従
来の流体循環プラントでは扱ったことのない大きな熱量が発生していること
などがあります。一方、核分裂については、核分裂で発生する中性子が次の
分裂を引き起こしています。水には中性子を吸収する働きがあるので、沸騰
水型軽水炉では十分に核燃料に水が供給できていれば問題はないわけです。
ポンプ停止、配管の破損は深刻な事態を招きます。水の供給システムは何重
にもなっていて安全がはかられています。
 30年も原子炉の商業運転が行われ蓄積された技術は、凄いものとなって
いるはずです。点検・保守・監視・運転に手抜かりがなければ安全といえる
ようです。そうゆう末端作業は、大部分が下請け、孫受けで行っているこ
と、規模の巨大化にともなうベテラン作業員の不足などに一抹の不安があり
ます。原子炉ではあらゆる箇所の温度、圧力、流量が測定され、センターで
監視されているわけですが、それらの測定値から、小さな問題まで見抜ける
のはベテランのわざが必要なようです。私は大型ポンプ開発に2年ほど携わっ
たことがありますが、実機の数分の1サイズのテスト機でも水を回転させて
いる音の大きさにビックリしました。配管を水が流れる音も意外と大きな音
です。ベテランになればそれらの音で、何が起っているのか推測がつくとい
うことです。緊張感を忘れずに、小さなトラブルも見逃さずの対処頂くこと
を願います。
 原子力と超低金利が日本を支えているともいえる時代のようです。


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