タイトル: 詩句チェック
投稿者 : 前川整洋Locked!
URL : 未登録
登録時間:2007年3月24日21時57分
本文:
3月15日の横浜文学学校・講評において宮原昭夫先生から詩句をミスプリ
ントしているのではないか、との箇所を指摘いただき、それらについて調べ
ました。
尾崎喜八の詩「アルペンフロラ」
「たやすく己れを興へ去ろうとする時、」
の興は、与ではないかとの先生の指摘でしたが、確かに与で、興ではなく與
でした。与または與であると、聖書的な詩句といえるようで、世俗の埋没す
るといった意味ではないかと思われます。
尾崎喜八の詩「美ヶ原熔岩台地」
「秋の雲の砲煙がどんどん上げて、」
の「砲煙が」も先生の指摘どおり「砲煙を」でした。
詩「アルペンフロラ」について改めて調べたとき、串田孫一・鳥見迅彦編
『山の詩集』に、「アルペンフロラ」は、自然と倫理とがうつくしい形で調
和し統一された尾崎詩法の、これは一つの典型といえるだろう、と書いてあ
りました。
「アルペンフロラ」は2連からなっていますが、初めの連では、岩稜に小
さく煌く高山植物が鮮やかに描写されていて、後ろ連で作者が出てきて朗々
と謳いあげています。私の詩法からは、後半の連は一般論的でなくてもいい
ようです。
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