タイトル: 絵画と山の景観の観賞
投稿者 : 前川整洋Locked!
URL : 未登録
登録時間:2007年5月24日20時47分
本文:
国立東京博物館でレオナルド・ダビンチの『受胎告知』を見学したわけです
が、詩人の宋左近先生が述べているマリアと天使との対決、神と作者との対
決に表出された、氷が裂ける直前の緊張感といったことは伝わってきた、と
は言いがたかったとの感想です。もの凄い人出でガードマンがいて、立ち止
まって見てはいられなかったことが、絵以上に印象に残ったようです。ゆっ
くりでも視点が移動しながら見ていると、絵画の弱点である2次元性が顕わ
になってしまって、絵画の中に入り込めないということのようです。
登山では歩きながら景観を眺めることは、普通にあります。この場合は結
構味わいがあります。3次元の景観を移動しながら見ていても、景観の変化
に不自然さがなく、ダイナミックに絵巻を観賞していることになります。ま
た、稜線歩きでは360度、景観に囲まれていることになります。歩いてい
ると景観に引き込まれてゆく感じもします。
レオナルド・ダビンチは作品数が凄く少ない、一点への人の集中。観賞は
二の次でも、本物を見たことに満足できるのかもしれません。
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