◇-「白露5月号」の山の俳句-前川整洋(5/4-16:31)No.407
407 | 「白露5月号」の山の俳句 | 前川整洋 | 5/4-16:31 |
ゴールデンウイークは4月30日から二泊で天城山縦走をしてきましたが、 連日晴天でした。とりわけ登山での晴天は、代えがたい恵みです。寒くも無 く、暑くも無く、登山日和でした。 鶯や渓へ分かるる小田の畦 富山 木田敦子 「分かるる」で絵画的なイメージが鮮明となり、鶯の鳴き声が加わり、まさ に春の味わいとなっている。 桑ほどくころか遠嶺のむらさきは 岡山 笹井愛 「遠嶺のむらさきは」は、空気の澄んだ秋にしばしば見る景であるが、掲句 からは寒さを感じる春の日もこのような遠嶺が見られる、ということであ る。 紅梅やこまやかに降る山の雨 金沢 山上薫 小雨のなかの梅は、メルヘンティックであるが、山であることでそのことが 強調されている。 春の雷島山の肩ゆるびたる 西宮 松野美津子 春の雷で山の稜線も強張って見えそうであるが、それが島となると掲句の趣 となるのであろう。 |