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タイトル: 「白露6月号」の山の俳句
投稿者 : 前川整洋Locked!

URL   : 未登録
登録時間:2009年6月14日09時19分
本文:
6月中旬から梅雨入りとなりますが、その前頃から山は靄にかすむことが多
くなります。靄も霞も気象現象としては同じですが、霞の方が冷ややかな感
じがします。

   定住の山の分厚し初つばめ  関   清水青風
「分厚し」は、住んでいる地域の山への愛着があっての表現であろう。「初
つばめ」にはまんねり化した気分への気合のようなことが感じられる。

   屈強の山々に雪涅槃像   甲府  井上康明
周知のことであるが、「涅槃」は仏陀の入滅のこと。涅槃像には安らぎが感
じられるが、「屈強の」と言い出している。残雪の山々なのであろう、残雪
の山のまろやかさである。

   白椿山ことごとく靄がくれ   神奈川  真知田真由美
靄で空があるだけのところに白椿。凛とした姿がイメージできる。「靄がく
れ」と擬人法を用いているが、山は春の眠気にあるのでろう。


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