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タイトル: 両神山の俳句
投稿者 : 前川整洋<maekawa.seiyo@ebara.com>Locked!

URL   : 未登録
登録時間:2003年10月24日21時11分
本文:
YAHOO掲示板>スポーツ>アウトドアー>ウォーキング、トレッキング>山ハイ
http://messages.yahoo.co.jp/
上記掲示板にfukuさんこと福澤さんが掲載した、両神山の俳句および男体山
の拙句の感想、批評を紹介致します。

両神山の俳句
樹林帯を抜けた山腹より両神山を望んで
登るほど紅黄葉の両神山 ……………… 福山人
鎖場にて
岩肌に小さき紅葉照りにけり ………… 福山人
岩峰双子岳を眺望して
錦木の間より覗けし双子岳 …………… 福山人
既にして雪を被った富士を見乍ら
富士山や紅葉の御座におわすごと …… 福山人

男体山〃行記を読ませて頂いて
そうですか、紅葉はやはり今一の感が有りましたか。
でも晴れていたら、申し分無かったでしょうね。
僭越ですが感想等を書かせて下さい。
一句目の“堰堤”とはガードレールの事でしょうか?だとしたら上手い表現
ですね。
二句目は“煙る”がキーポイントですね。一歩間違えると“雨”と重複意に
なりそうな所が難しい所なのでしょうね。
三句目は“秋風”と“露地・露岩”との必然性に一寸弱さを感じました。
四句目ですが、“背後の山”は首都から見てより遠い方と云う、イメージか
ら逆行しているようです(皇海山は前日光領域となってますね)が、今日“裏
日本”が差別語扱いされている事から、むしろ読む側が差別意識を持っては
いけないと云う事になるのでしょうか?

fukuさんの掲句では、4句目がユニークにまとまっています。
1句目の「紅黄葉」という言い方はないはずです。紅葉(もみじ)か、黄葉
(もみじ)です。
2句目の「小さき」はもう少し具体的にしたいところです。
3句目の「錦木」だけでは、季語ではないようです。「覗けし」は過去形のよ
うですが、過去形にする必要はありません。過去形ではないとしても、少々
硬い感じです。
4句目ですが、「や」の切れ字は俳句の基本であるものの、ここでは語調がど
うかと思います。それから「富士山」と「御座におわす」は、切らない方が
イメージしやすいといえます。

登るほど紅葉賑わふ両神山
潅木の紅葉の光る岩の肌
紅葉の錦木の間より双子岳
富士の山紅葉の御座におわすごと

男体山の拙句に感想、批評を書いて頂きましたが、読者サイドと作者サイド
での視点の違いなどについて、少しコメントさせて頂きます。
 先ず“堰堤”ですが、堤防のことで、この場合は砂防堤防です。見上げた
男体山の2つの谷において20段くらいが、山頂近くまであり、痛々しく見
えました。
 「煙る」は、まさに茫々と煙っていたことによります。和風の景観といっ
たところです。
3句目の「露地・露岩」ですが。森を抜けて広い露地の大岩が転がっている
風景でした。森を抜けて佇ずんだとき、思索的情景に映りました。「秋風
や」はもっと適切な季語があるかもしれないですね。
 4句目の「背後の山」ですが、背後に裏と表を意識したことはなかったの
で、そう言われて戸惑っています。背後としたのは、予想外に皇海山が近く
に見えてことによります。すぐ後ろといった、つもりです。
 17文字では、作者の意図はなかなか伝わらないですね。そこが妙味でも
あるのでしょう。


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