◇-「遊歩俳句大会」作品その8-前川整洋(11/8-19:05)No.98
98 | 「遊歩俳句大会」作品その8 | 前川整洋 E-mail | 11/8-19:05 |
学生の政治運動は低調の時代ですが、市民団体の活動は活発のようです。私 は普段政治に係わることはありませんが、選挙だけは欠かさず投票していま す。明日はいよいよ総選挙です。 俳誌「俳句界9月増刊号・遊歩俳句大会作品集」から各県ごとの掲載句で、 目に付い数句をシリーズで紹介しています。一言の句評も書き加えました。 神奈川県 この道でよしと決めたる青林檎………北嶋正子 林檎畑の道に迷ったわけではない。これからどうやっていこうか、といった ことで決断したとき、その自信や雑念からの開放が青林檎で象徴されてい る。 歩まねば果てぬ一日青葉木菟………山田知沙 一日歩いた夜、青葉木菟がホーホーと啼き出す。一日歩いたという単純なこ とに、充実感が湧いてくる。 歩くこと芭蕉に負けず冬景色………樋口孝 歩くことだけではなく、人生の探求を目指すといった心構えと取れる。そん な心意気が、冬景色を凛としたものにしている。 追記:ここまでの歩くテーマの俳句を振り返って ここまでの歩く俳句全般にいえることは、写生句ではなく、思想句といっ たものが多く見受けられました。思想的決意と季語の取り合わせの妙味が、 句に存在感を与えています。思想句のような抽象的な句を最初から狙うと、 作為的であったり、観念的であったり、独善的であったり、に陥ることにな ります。思想句であっても、写生の延長であるのが俳句の正統法といえま す。 歩くテーマと表裏一体である写生句については、歩いているから、歩いて いたからこそ捉えられる風景、光景が多く詠まれていました。 神奈川県までとりあえずやって来ました。調子もでてきたので、この調子 で沖縄県まで行きます。 |