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305初春の山前川整洋 1/4-16:04

近年は正月休みに、山に出掛けなくなってしまいました。2、3、4日と多
摩川の川原を、奥多摩の稜線を眺めながら散策しました。雨が少ないにもか
かわらず、驚くほど水は大量です。
     初御空ぼやけて弛む多摩の山
 ぼやけて弛むのは当たり前かもしれませんが、正月の緊張感と裏腹という
ようなことです。初御空は厳密には元旦の空ですが、拡大解釈して正月の空
でいいように思われます。
     日差もて川原をまつる初御空
 「まつる」にはいろりろな意味がありますが、祭壇をもうけるというよう
なこともあります。掲句には誰が行っているのか、という疑問も湧きます。
まつっているように見えるということにします。また、自然界の霊の存在を
感じてもよいかもしれません。

304明けましておめでとうございます前川整洋 1/1-15:54

例年はNHKの「ゆく年くる年」の除夜の鐘を聞きながら、一句を作っているの
ですが、昨日の放映では除夜の鐘のシーンが少なく、浅草の参道や平等院の
阿弥陀仏の放映が中心で一句もできませんでした。心象で句を考えました。
   新年の重みを背負ひ除夜の僧
   宇宙へとボオッオーンと除夜の鐘

今年もよろしくお願い致します。

303クリスマスイブ前川整洋 12/24-20:54

今日はクリスマスイブなので、南部線と田園都市線の交差している溝ノ口駅
の街角でのクリスマスソングのコーラスを聞いてきました。強風に怯むこと
なく、明るくハーモニーが響き渡っていました。コーラスを聞きながら、ク
リスチャンの方々は教会に行ったりで忙しいのかなぁ、とも思われました。
   強風に乱れずクリスマスソング

302宮沢賢治についての拙作再考前川整洋 12/24-11:08

横浜文学学校の合評・講評に提出した拙作「宮沢賢治を通しての自然」に対
し、KさんからワープロA4紙にまとめた問題点の指摘がありました。なかな
かの力作仕立てとなっているので、私としても少々細かく検討し、次のよう
に考えをまとめ、横浜文学学校掲示板に書き込ませていただきました。
これだけを読んでも、ほとんど内容が分からないかもしれませんだ、ここで
も掲載させていただきました。

[第1段目]
(1文目)「自然破壊が深刻になりつつある今日、」に対し、とっくに深刻
になっているとの意見ですが、ここは「経済より自然保護が優先されように
なった」と修正します。
(2文目)「宮沢賢治については、詩「雨ニモ負ケズ」と童話「銀河鉄道の
夜」が突出して有名である。」は1文目とつながりがないとのことですが、
賢治作品ということでつながっているつもりでしたので、「賢治作品につい
ては、詩「雨ニモ負ケズ」と童話「銀河鉄道の夜」が突出して有名であ
る。」とします。
(3文目)「妹・とし子哀悼の詩三編「永訣の朝」、「松の針」、「無声慟
哭」も広く知られてはいるものの、内容や意味していることまで知っている
人は少ないであろう。」でこの3編に必然性がないとのことですが、この3
編は愛読者が多いことを体験しているのでとりあげました。また、著者がい
かにも深く味わっているかのようだ、とありました。私が深く読解している
ということではないのですが。というのは、NHKのカルチャーアワーで栗原敦
先生の解説を聞いて、少々驚いた経験を踏まえてのものです。「永訣の
朝」、「松の針」、「無声慟哭」は、朝、昼、夜と展開していて、「無声慟
哭」の括弧に括られた(わたしは修羅をあるいてゐるのだから)には、とし
子の死を乗り越えて行こうとする賢治の決意があるとのことで、単なる追悼
詩ではないという放送での講義でした。
(4文目)童話のことが多くでてくるとのことですが、童話は子供にまで読
まれていて、親しまれているといったつもりです。
(5文目)「童話よりむしろ詩の方に、たくさんの作品が挙げられる。」
は、山や田園での現場での詩が多く、自然を直接語っているといったことで
す。
[第2段目]
(1文目)「農業改革家としても有名であることからも、賢治には親しみや
すいイメージがある。」になぜ親しみやすいのか、とのことでした。私が親
しみを感じたのは、私が工業分野で働いてきたためか、農業に優しさや人間
味を感じてしまう次第です。合評では親しみをもつのは可笑しいとの意見が
多かったことに、むしろ戸惑いました。親しみとするより、人間味とすべき
かもしれません。
(2文目)「童話の自由奔放な内容や農業指導を実践していたことなどか
ら、賢治の詩からは観念的ではない自然観を見出せるのではないか、」で、
非観念的=即物的と捉えると、「自由奔放」とは逆側である、とあります
が、私は、観念的=一般論、常識的と考えています。農業指導を実践から
は、単なる空想ではないといったことです。
(3文目)、(4文目)は、書き込みが長くなるので省略します。
(5文目)宮沢賢治は、現代詩ではなく、近代詩の代表的な詩人ではない
か、としています。現代詩のはじまりとされる萩原朔太郎の「月に吠える」
が大正6年で、賢治の「春と修羅」は大正13年です。また、思想性の色濃
い作風からも、現代詩と私は考えています。
(6文目)「そこには人道主義や仏教思想も秘められている。」について、
秘匿されたものとい印象は受けないのだが、ということですが、詩も童話も
底流に宗教的倫理観があり、それが人道主義とも結びついていると考えてい
ます。
(7文目)「仏教思想との関係は、仏典の法華経の発想がとり入れられてい
ることによる。」は、日本語とは呼べないとありましたが、厳密には「賢治
作品と仏教思想との関係は、それらに仏典の法華経の発想がとり入れられて
いることによる。」ということで、言葉が足りなかったともいえそうです。
(8文目)「賢治は東北地方のことを、イーハトーヴォと呼んだ。」は嘘、
ということですが、賢治はイーハトーヴォの定義は、童話「注文の多い料理
店」で書いているくらで、多くは書いていません。次のように書いてありま
す。
「イーハトヴは一つの地名である。−略― イヴン王国の遠い東と考えられ
る。実はこれは著者の心象中に、このような状景をもって実存したドリーム
ランドとしての日本岩手県である。」
 岩手県の風土を通して想像した国としているようで、東北地方の代表的な
山を登った経験からは、岩手県に限定しなくとよいと考えました。読者それ
ぞれの捉え方があってよいような気がします。
(9文目)「イーハトーヴォの語感から、童話の世界が連想させられる。」
に対してそうは思わないということですが、私としては、この語感からは、
北欧的なしっとりとした、少し暗さのある世界が展がりました。
(10文目)書き込みがだいぶ長くなってしまたので省略します。

 宮沢賢治探求も第一歩を踏み出したところです。なにはともあり、個別に
それぞれの問題点を指摘頂き参考になり、Kさんには有難うございました、と
述べさせていただいた次第です。

 今年も残り少なくなりました。賀状書きおよび文芸作品や登山での写真の
整理などであたふたしていますが、残りの日々を有効に使いたいものです。

301安達太良山前川整洋 12/16-16:14

平成19年 10月21日〜22日
安達太良山(1700m)は高村光太郎の詩集『智恵子抄』に出てくる山と
して広く知られている山ですが、那須火山帯に属する成層火山で、明治33
年の噴火でできた火山底が沼ノ平です。遠方から眺めると安達太良山が最も
高いように見えますが、山群の最高峰は箕輪山(1728m)です。
登山口に到着した日と翌日、安達太良山の登りましたが、二度とも霧雨で展
望なしでした。山頂の岩塔には登れるのかどうか調べておかなかったので、
登るのに戸惑いました。塩沢温泉への下山路は、沢沿いの道で、少々緊張ぎ
みに歩きました。くろがね小屋手前辺りから青空があらわれ、紅葉も満喫と
いうほどではなかったかもしれませんが、かなりの紅葉でした。
岳温泉から奥岳温泉まではタクシーで入り、帰路の塩沢温泉から岳温泉まで
は、居合わせた登山者の車に頼んで乗せて頂きました。岳温泉から郡山まで
は乗り合いタクシーで行くことができました。
 深田久弥の「百名山」完登を目指し、ここ10年はほとんど百名山だけの
登山となっていましたが、安達太良山が百山目の山となりました。焦らずに
安全登山を心がければ、完登はできそうです。しかし、登っているうちにだ
んだん焦ってきてしまうのが現実のようです。「百名山」を目指している
方々は慎重かつ冷静に行動して下さい。

コース:
 二本松 =  岳温泉 = 奥岳温泉 〜  薬師岳 〜  安達太良山
 〜  薬師岳ロープウエイ駅 = 奥岳温泉(泊) 〜 薬師岳 〜 安
達太良山 〜 くろがね小屋 〜  塩沢温泉 = 岳温泉 =  郡山
 前日に強風と霧雨のなか安達太良山に登ってしまったが、午前5時頃、昨日
と同じ林道を歩きだす。昨日は通り過ぎてしまった分岐を曲がりスキーゲレ
ンデの下にくる。草原の縁を登り出す。紅葉の薬師岳は、うす暗闇のなかに
あらわれている。道は昨日以上に滑るように感じられる。団体のパーティや
家族連れがどんどん下って来たことが思い出される。
 潅木林に入った所では水溜りの道となる。風は強く、木々の騒めきに少々
緊張ぎみとなる。
 五葉松平に出る。辺りは開け紅葉の山稜が見渡せ、二本松方面の平野も見
えている。緩やかな登りとなり、6時58分、薬師岳山頂に着く。少し離れ
た所にある石の祠に拝礼する。
   雲走り紅葉騒めく安達太良山
リゾート地風の五葉松林の木道を行く。木道が尽きたところから潅木林とな
り、丸太の段差の坂を緩やかに登る。表登山道との分岐に来る。
 潅木林のなかを緩やかに登りだす。潅木林から岩の散らばる砂礫の斜面に
抜け出る。晴れていれば一気に展望が開ける場所だ。岩に付けられた赤丸の
コースサインをたどるように登る。風が強く吹きつけてくる。8時30分、
安達太良山山頂に着く。大型ザックを置き、岩塔の登りにかかる。遠くから
はこの岩塔が乳首のように見えることから、乳首山の別名もある。左から裏
側に周ってから、積み重なった岩を登りだす。強風に少々ビビッタりながら
も頂上に着く。
   烈風の岩塔に立つ冬近し
 元の岩塔の下に戻って靴の紐を締めいると、山頂標柱に男が二人現われて
いた。岩塔へはどちらから登ったか尋ねると、右側からと言っていた。彼ら
も、ザックが置いてあるのに人がいないと妙に思った、とのことだった。私
は逆から登ったようだ。少し下った地点で左に曲がり、くろがね小屋に向か
う。高山的な雰囲気の広々とした礫原の山腹を下る。

300新宿御苑の紅葉前川整洋 12/9-14:05

昨日(12/8)、ニュースで新宿御苑の紅葉は来週末が最盛期と言ってい
ましたが、小春日和、山に出掛ける時間はない(元気もないかもしれません)
ので、御苑に行ってみました。盛りは過ぎていて、枯木も見かけました。な
かなかの盛りの林もあり、来苑者もたくさんいました。関東、東北南部の山
では10月中旬から11月中旬が紅葉期と思いますが、街中ではだいぶ時期
がずれるようです。山や高原でなくても、紅葉ならではの自然美の味わいあ
るといえます。
      立ち止まり紅葉と心かよわせる
      裂けさうになるまで真つ赤紅葉かな

299訂正・草津白根山前川整洋 12/2-16:01

「百名山」では、噴煙で山頂に行けない山に浅間山と草津白根山があります、と書きましたが、草津白根山は噴煙は上がっていなくて、有毒ガスが湧いているために危険で山頂立ち入り禁止となっています。浅間山は山頂への道はありますが、草津白根山は見当たらないようです。草津白根山の山頂基部は火口跡となっています。
   這松の這ふ火口跡冬近し
という句を作っていますが、這松が茂っているようです。かなり上までバスで行けるので、容易に高山的な景観が味わえる山です。

298「噴火予報」前川整洋 12/1-13:36

 今日のNHKのニュースで次のような「噴火予報」が行われることになったの
を知りました。「百名山」では、噴煙で山頂に行けない山に浅間山と草津白
根山があります。噴煙噴出の山は、先日遭難のあった十勝岳、岩手山、御
岳、焼岳、九重山、阿蘇山です。「百名山」登山者にとっては、心強い味方
となりそうです。いつまた登れなくなる可能性の大きな山は、浅間山、岩手
山、雌阿寒岳、焼岳のようです。


 気象庁は21日、火山活動に応じて住民らに避難を呼びかける、「噴火警
報」を12月1日から導入すると発表した。
 対象は全国108の活火山と周辺市町村。火口周辺と火口から離れた居住
地域に分けて警報を出すのが特徴で、市町村が避難勧告や入山規制をスムー
ズに出せるようにする。
 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火の発生やその恐れがある場合に発表さ
れる「噴火警報」と、火口周辺に被害をもたらす噴火が起きた場合などに発
表される「火口周辺警報」の2種類。活動が穏やかな活火山には、警戒が不
要な「噴火予報」が発表される。従来あった緊急火山情報や臨時火山情報は
廃止される。
 桜島(鹿児島県)や浅間山(群馬・長野県)など火山活動が活発な16火
山については、より具体的な防災行動を示した新基準「噴火警戒レベル」も
導入する。住民の避難が必要な「レベル5」から、通常の生活を送れる「レ
ベル1」までの5段階からなるが、噴火警報はレベル5〜4、火口周辺警報
はレベル3〜2、噴火予報はレベル1に相当する。
(2007年11月21日21時58分 読売新聞)

297地球の詩祭2007前川整洋 11/25-16:26

11月24日(土)、池袋・ハナシンギル3Fで開催された地球社主催の「地
球の詩祭2007」に参加しました。例年はホテルか催事場で催されていま
したが、今回はオフィースビルの大広間といった会場でした。
第1部 第32回地球賞贈呈式
選考経過報告
受賞作は斉藤恵美子氏の詩集『ラジオと背中』
(1)尾花仙朔氏の選考感想
どの候補詩集も書かずにはいられない熱意が込められていて、それが霊気を
なしていた。
『ラジオと背中』では、戦禍の坩堝に呑み込まれた人間模様を、祖父母や父
母の話、写真のアルバムを通し、卓抜な技法と洞察力で表現している。詩の
なかで、戦争は、それまで声も聞いたことのなかった、天皇のラジオからの
声で終わったが、戦争がはじまったときの声は何であったのか、といったこ
とが書かれていたことも印象に残った。詩人が詩集を選考するということ
は、詩集が選考者を選んでいるということでもある。
(2)中上哲夫氏の「斉藤恵美子の詩の世界」

第2部 第10回アジア詩人会議2007―標高3600メートルの天界から

(中国・雲南高原と長江のみなもとを探る旅)
報告 失われた地平線の果てに
鈴木豊志夫氏、秋山公哉氏の司会で進められた。
佐々木久春氏:「失われた地平線」はジェームズ・ヒルトンの小説名からき
ている。
岡隆夫氏:「人間の源流を求めて」のテーマに参ってしまって参加した。稲
は2億年前にアフリカにあらわれ、5000年前に雲南省昆明ではじめて栽
培されるようになった。そういった場所であるので、ぜひ訪れなくてはと思
った。
狩野敏也氏:標高3600メートルの高地で詩の野外朗読会の予定であった
が、私は2500メートルで体調がおかしくなってきた。昆明の詩人中にも
調子の悪い人がでてきたので、高地で野外朗読会は一旦取りやめとなった
が、秋谷代表が怒り出して標高3600メートルの高地で強行した。
中原道夫氏:旅費を取り戻す何か収穫がなくてはと思っていた。北京語を共
通語とする政策がとられているので、チベット語を話せる人が少なくなって
いる。チベット語での詩の朗読を聴いたとき、詩の原点が分かったように思
えた。言葉以前に声がある。

第3部 井上靖生誕100年、没後15年記念
谷口ちかえ氏の司会で進められた。
傳馬義澄氏の講演:「井上靖の文学世界と中国」
井上靖は、戦後、『樓蘭』や『敦煌』などの中国の西域の歴史小説により、
この地域に関する日本人の関心を一挙に高めた作家である。彼が実際にシル
クロードの地を踏んだのは、代表的な西域小説を書き上げた後の1965
年、58歳になってからである。井上靖が西域を訪れた目的は、シルクロー
ドの地を自分の目と足で確かめることにあった。

菊田守氏と黒田英二氏の「わが青春の池袋」のトーク:青春時代に池袋で遊
んだことやロマンの話もあった。

296フィラデルフィア美術館展前川整洋 11/17-19:56

11月16日、休暇をとって東京都美術館でのフィラデルフィア美術館展に行ってきました。「印象派と20世紀の美術」をテーマにしています。
 ピカソの絵はいろいろ見てはきていますが、代表作とされる作品は見たことがありませんでした。今回、代表作に入る「自画像」、「ヴァイオリンを持つ男」、「三人の音楽師」の3点を鑑賞することができました。
 ピカソの代表作はキャンバス・サイズが大きいことに、先ずハッとさせられました。そこにかもし出されている迫力とメッセージ性は、グッとくるものがあります。ピカソは具象の再構成で厳密な意味での抽象絵画ではない、とされているようですが、ピカソの絵からは、抽象絵画は絵を音楽に近かづかせたという美術論が見えてくる思いでした。
   大作のピカソに酔えり初紅葉

 10月に登った西吾妻山では、西吾妻山から東吾妻山にのびる山稜は、スケールの大きな抽象絵画の味わいがありました。草紅葉、紅葉、針葉樹の濃緑の斑模様と青空の背景は、山ならではの芸術的景観でした。
   草紅葉に紅葉散らばり讃歌なす


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