建築物構造計算書偽装事件 へのコメント
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前川整洋さんは No.214「建築物構造計算書偽装事件」で書きました。 >ビルの強度計算書を建築士が、偽装していた事件が大きな社会問題という >か、社会不安を引き起こしています。鉄筋の柱や梁の数を減らし、建設費削 >減や居住空間の拡大を図り、多くの設計注文を取っていたとされています >が、建築会社から偽装の指示があったの供述もあったとのニュースも入って >います。 > 技術者という者は、金とか地位とかに関係なしに、本能的に安全設計と最 >高性能に向けてベストを尽くすものです。私は入社3年目から6年くらい、 >機械製品の構造解析を担当して、その後は流れ解析を担当してきました。流 >れ解析では熱移動や燃焼の解析も含まれています。 > NHKスペシャルで見たところでは、ビル強度計算のためのプログラム入 >力は非常に単純で技術者ならではの妙味は感じられませんでした。外部から >の荷重に対し材料内部に生じる力を専門用語で応力といっています。機械設 >計では、というより建築設計でもこの応力が最大になる箇所と大きさを有限 >要素法といわれり方法で求めています。共振を起こす振動数(固有振動数) >もこの方法で計算しています。最大応力の箇所に対して材料を厚くしなけれ >ば、安全設計の機能は果せないといえます。機械などの構造物全体の材料を >厚くしたのでは、コストも上がりますが、機械として仕事ができなくなるこ >ともあるからです。簡単に言えば、飛行機では重たくなれば、飛べなくな >り、自動車では頑丈すぎると、衝突したときのエネルギーの吸収ができなく >人へのダメージが大きくなります。有限要素法の世界的なプログラムには >NASAの開発したNASTRANなどがあります。有限要素法ではどんな複雑な局面形 >状の車体やケーシング、入り組んだ筐体でもその形状をコンピュータ上での >数値データで再現しなければならず、3次元CAD(立体形状作図生成グラフィ >ックプログラム)への入力をいろいろ工夫してなんとか業務を遂行します。 >流れ解析もほぼ同じ方法なので、形状の数値データが正確にできずに苦悩の >日々を過ごすことが多くあります。 > 専門用語で複雑な物理現象を近似式や実験式に置き換えることをモデル化 >といっています。構造解析ではボルト結合箇所のモデル化、流れ解析では気 >泡を含んだ流れ、水面の影響を加味した流れなどのモデル化が難しく、各メ >ーカーが技術を競っています。エンジニアリングの技術計算は正確に出した >くても、なかなか難しい問題が多くあります。一方、不正確な計算結果は職 >を失うことにもなりかねません。技術者にとって正確な計算値が、より簡単 >に出てくれれば、職を失うリスクもなくハッピーといえます。 > 正確な計算値を危険なもに書き換えたという今回の事件。技術者ではな >く、1級建築士という資格をもった、民衆無視の貴族化した者による事件と >もいえる反面、個人だけではできない面もあり、業界ぐるみともいえます。 >罪のなすり合いの状況になってきました。それにしても、私はただ茫然とし >ています。
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