「地球の詩祭2004」 へのコメント
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前川整洋さんは No.167「「地球の詩祭2004」」で書きました。 > 第29回地球賞 高貝弘也氏の詩集『半世記』 > > > 11月20日、アルカディア市谷での現代詩創作集団地球が主催する「地 >球の詩祭2004」に参加しました。次のプログラムでした。 >第1部 第29回地球賞贈呈式 >第2部 第9回アジア詩人会議ウルミチ・カシュガル 2004報告 >アジア詩人会議での日本側講演の再演。 >第3部 記念パーティー >第29回地球賞は、高貝弘也氏の詩集『半世記』でした。この詩集では個々 >の作品にはタイトルがありません。その冒頭だけ紹介します。 > > 半世記 高貝弘也 > >結んだよ > かげの花 >開いたよ > そら 緑の実が > >光りうつ >言挙げせぬ、祈り >しろい息だけが、言葉をかたちないものへとかえるだろう >それは しろいかみのまにまに > >一片の月 草露に宿り、 >空き地の隅で 子どもたちは >四方草(よもぎ)の花に隠れていたよ > >湧くように口から 滴ってくる、 >祈りになる前の、声の文 >「名なし 国なし >かみきれは飛ぶよ」 > >あなたは、亡くなったばかりと云われた、その子の枕元で、最も古い類の石 >とされている(三十九億六千二百万年前)、カナダ盾状地北西部スラブ区ア >キャスタ川の、片麻岩を見つめている。細かい石英や長石の眩い光が、雲母 >や角閃石の暗い層から、すうと浮かび上がっている。その粗い縞の波状のか >たちが、よもすがら、とても気になっているのだろう。固体を持たない自然 >のただ中で、死ぬことはない。生まれることもない。…あなたはレンズから >目を離すと、自分が外れつづけてきた、その道程を測っている > > (あなたを取り囲んでいる、その場所は、見えない聞こえない語れない言 >葉で、充ちている)−そう示し遺す転石を、古新聞紙の保護づつみから、慎 >重に取り出す。あなたは習慣になった川歩きもせず、もう一つの欠けらの、 >表面より浮き出たものになぜ、目を凝らしているのだろう。尾部をくるっと >丸めて防御姿勢を取っているそれは、三葉のかたちで、古(いにしえ)の海 >の世を這いながら生きていたのだろうか > >目を移せば、噎(むせ)びながら、クモが窓の桟で撥ねる。生きぬ仲の番 >(つがい)たち。勃(た)ち上がった、虚根よ。包みを開いた途端、とぐろ >が解けるように時間が流れている。永い潮流から噛みついてくる。 > >上弦の月が(葉越しの)小枝から 下がり。揺れている。結ばれては、宿る > 雲。うるむ、蔦。ほうっと 菖蒲は咲いていた > >月見れば(息を吐くように)浮き出していた。戦の幻。包まれた莟が、闇の >中で。遠くから 薫るあなたの名前を、又 呼ぶ > >それは葉擦れ。五月の、供花。−嗚呼 呼びかえす > − 略 ― > > 「地球」に掲載されている部分についての詩評を述べておきます。 > 前衛的な詩として評価が高いが、かなり難解な詩である。難解さは具体的 >にストーリーを捉えるのが難しいことによると考えられる。「あなたは、亡 >くなったばかりと云われた、その子の枕元で」とは、どういうことなのであ >ろうか。亡くなった子どもの枕元での自らの成長期と生命の起源の回想が、 >語り手の視点を通して綴られている、と思われる。さまざまな事柄からある >イメージを形づくられている。日本語特有の調べによって、古風で郷愁的幻 >想感が展開している。
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