なぜ山に登るのか へのコメント
注:タグは使えません。改行は反映されます
タイトル(必須)
お名前(必須:全角文字のみでお願いします)
E-mail:(出来るだけ)
Home page URL:(あれば)
ここまでの内容をブラウザに記憶させる(タイトル以外)
コメント:(必須)
前川整洋さんは No.224「なぜ山に登るのか」で書きました。 >正月番組で井上靖原作の『氷壁』がNHKで放映予定です。山岳小説の傑作 >は難しいとされています。山が舞台となっていると、ドロドロした人間の争 >いを描きにくいからのようです。人間社会と山とが対峙した現代社会におい >ての、事故か自殺か他殺かのミステリーに男と女の関係が絡み合ったドラマ >です。 > 『氷壁』が新聞に連載されたのは昭和31年です。モデルとなったナイロ >ンザイル切断事件は、昭和30年1月2日、前穂高岳東壁Aフェースで起っ >た三重岩稜会の石原国利たち三人の遭難でした。若山五郎(三重大1年19 >歳)が転落死しています。当時の新聞はおおむね、「ナイロンザイルは切れ >るわけがない。石原らに何らかの過失があったのだろう」と報じられまし >た。著名な大学教授が公開実験をして、切れないという結果になります。こ >の実験装置はナイロンザイルを製造した、某建築資材トップメーカが作った >ものでした。この実験装置での岩角は、ヤスリですこし丸くしてあったこと >が、後年判明します。偽装というのはいつの時代もあると考えたほうがよさ >そうです。 > 井上靖は昭和31年9月に穂高岳登り、初めて穂高連峰の雄大な景観に接 >します。その下山のときナイロンザイル事件のことを聞き、同年10月に岩 >稜会メンバーに面会し、翌月から連載がはじまっています。 > 原作の舞台は穂高岳東壁ですが、NHKの『氷壁』は予告で見たところK >2になっていたようです。K2はエレベストより登頂が難しいとされている >世界第二位の高峰です。場所はヒマラヤではなくカラコルムだったはずで >す。こういった海外遠征隊では、登頂できるのは数十人中の数人だけです。 >人間同志の争いは一般社会以上のものである、としばしば聞きます。 > 現代は大衆登山が全盛の時代です。ここ5年ほどの私は、深田久弥の百名山 >を年間6〜8座登っています。今年は7座登りました。 > 登山をする理由は個々人で異なり、それぞれがユニークな理由をもってい >ると思われます。冒険的な登山ではなく、大衆的なもの対してですが、一般 >論として次のように考えられます。 > >歩くという人間にとって根源的な運動が、自然景観の中で行える。登るとい >う行為には上昇志向が湧いてくる働きがある。高い所から見渡す爽快感、精 >神がリフレッシュされることは言うまでもない。山でなければ見られない景 >観は、雄大であるだけでなく、芸術的であり、宗教的である。反対に街での >景観は、機能によりつり出されたものであり、無機質な感じは否めない。自 >然景観は生命感にも通じている。野生の動植物にも会える。それらには、社 >会といういがみ合いや助け合いの中に生きているのではなく、自然の脅威と >恵みのフィールドで生きているたくましさと愛らしさが認識でき、そのこと >にも感動できる。 > > 都会の便利さに満足しきっている人、足腰のひ弱な人(足腰の軟弱な人ほ >ど山に登って頂きたい)、他に熱中しているスポーツや趣味のある人は、山 >に登らないともいえます。
[
記事表示にもどる
]