作者プロフィール

前川 整洋(まえかわ せいよう)

樹林帯を抜け草地を登っていた。ガスの切れ間から麓の集落が見えていた。知らないうちに
こんなに高く登っていたことに感動した。草むらも心地良い場所であった。
 小学5年生のとき高尾山に隣接する景信山(727m)に登ったときの経験でした。以来
山を登りつ続けています。
 山岳部、山岳会などに所属して活動しとこともありましたが、本格的な登山は荷物が重すぎて
長続きしませんでした。のめり込むほどではなかったのかもしれません。登れば登るほど山に魅了
されてきたといえます。現在はいつも単独行です。
 困難な山に挑みたいことや岩稜と雪渓への憧れなどから、日本アルプスを中心に登ってきました
が、主要峰と主要縦走路は踏破できました。今は夏には北海道の山を登っています。大雪山に
代表される北海道の山は、高山植物の広大な群落や豊富な湿原に、日本アルプスとは違った
魅力があります。
 山に登りながら、紀行文を書き、詩と俳句も作り、山岳紀行作家として活動しています。永年
山に登っているうちに、山の雰囲気が身に付き、山の景観や山であったことが言葉で表現できる
ようになっていたようです。今までの経験も織り込みながら書いています。
 またなぜ詩、俳句であるのか。それは多くを説明するより最適な一語が、山での感動を読者の
心に呼び起こすからです。山での究極の境地は自然との一体感であるともいえます。このことも
詩、俳句のならではの表現により伝えることができるかもしれません。詩や俳句は素養がないと
理解が難しいと考えがちですが、山に登った経験、あるいは高原や原野に佇んだことがあれば、
詩や俳句により感性と経験は呼び起され、さなざななイメージと感慨が浮かび上がってくるはず
です。さらには、詩、俳句により見えていて見えないものまで表わし、自然の素晴らしさや登山の
営みの意味を捉えて行くつもりです。
 なぜ言葉によるのか。それは、思想は言葉によって創りだされるということもあります。登山が
思想的にも高まることは、潤いのある社会にもつながると考えます。山と自然、そして登山レベル
からは身近なハイキングまでの活動の紹介を目指しています。



昭和26年 東京生まれ
現住所 川崎市
山岳紀行作家・詩人
詩会「地球」同人
俳句会「白露」会員
新ハイキング会員



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