指輪物語のエピローグ(2002年5月12日,修正部分は赤字,修正予定は緑,最終修正日19日)

こんなところに来てしまうとは....おまえさんも指輪物語好きなんですなあ.管理者のマグネットは英語がよくわからないくせにおら(サム)のことが好きだっちゅうだけで恥ずかしげもなくこんなところに訳をのせているみていですだ.まあ,おらの弟子マグネットの愛情だと思って許してくだせえ.ごめんなすって!でも一生懸命の弟子に免じていろいろと間違いを指摘してくださるのはありがてえこってすだ.

The History of Middle-Earth(クリストファー・トールキン著)

第9巻 Sauron Defeatedの第1部11章The Epilogueより.

私の父が「指輪物語」の長いドラフト原稿を書いていたとき,物語の最後の言葉「”今,帰っただよ”と,彼はいいました(訳注 訳者の趣味で旧版バージョンです)」で父が物語を終わりにする予定では無かった.前章でそれは続けられる(すみません,訳わかりません)その原稿によると,区切られずにテキストが続くのは明らかである.and there is in fact no indication that my father thought of what he was writing as markedly separate from what preceded.今この最後のAパートを与える.大雑把であるが至る所読みやすい.サムの子供らの年が付け加えられていて,それはほぼ確実に書いた時に与えられたのであろう.エラノール15歳,フロド13歳,ローズ11歳,メリー9歳,ピピン7歳.

そしてある3月の晩のこと(1436と加えられている*注2)サムワイズ殿は暖炉の前でくつろいでいました.そして彼の子供たちはみんな彼の前にあつまり,まるで全く珍しくないようにでしたが,けれどもそれはいつも特別に取り扱われることになっていました.

サムは大きな赤表紙本を(いつものように)読んでいました.彼の腰掛けのそばにはエラノールが座っていました.彼女は多くのホビットの少女よりも白く透き通る肌を持っていて,すらっとしていて,10代になっていました.そしてフロドの坊やはheathrugの上にいました.in spite of his name as good a copy of sam as you could wish,そしてローズ,メリー,そしてピピンは彼らにはちょっと大きすぎる椅子に座っていましためです.ゴルディロックスはもうベッドで休んでいました,なぜならこのフロドの予告はちょっとした間違いをしていたためです.彼女はピピンの後にやってきました,彼女はまだたったの5歳で赤表紙本は彼女にとってまだちょっと多すぎました.でも彼女は兄弟の一番最後ではありません.なぜならビルボがトゥック翁の年を抜くのに成功したように,サムとローズは子供の数において,ゲロンティウス=トゥックじいさん(訳注トゥック翁のこと)とライバルのようでした.小さなハムとデイジーもローズのゆりかごの中にいたのです.

「さあ,可愛い子供たち」とサムはいいました.「それはかつてそこで成長していただ,おらがこの眼で見ただよ.」

「それはそこでまだ成長しているの,おとうさん?」

「成長しないとは考えられないだね.エリー.おらはおらの冒険に再び行ってないだども,おまえもわかるとおりだが,おまえさんたち若い衆がみんな心に持っているように--regular ragtag and bobtail old Saruman would have called it.しかし,メリーとピピンの旦那たち,旦那たちは南に何度も行っているだね,for they sort of belong there too now.

「それで,あの人たちは大きくなってないの?」メリーがいいました.「おらもバックランドのメリアドク旦那のように大きくなれたらなあ.彼はどのホビットよりも大きくなったんでしょ.バンドブラスよりも」

「Tuckboroughのペレグリンの旦那よりも大きくはならなかったよ」とピピンはいいました.「そして,彼は金色の髪の毛になったんだ.かのペレグリン王子は石の都に潜って行ったの,お父ちゃん?」

「ええと,彼はそうはいっていないだよ」,サムはいいました.「でも,彼はとてもそうしたがってるとおらは思うだ.でも今おらたちはどこからいけるだね?」

「どこにも」とフロドの坊やはいいました.「おらは蜘蛛の話をまた聞きたいなあ.おらはお父ちゃんがそこにいったときの話が一番好きだよ,お父ちゃん」

「でもお父さん,ロリアンの話をしている所だわ.」とエラノールがいいました.「そして私の花がそこで育っているかどうかを」

「そうだと思うだよ,可愛いエリーや.おらがしゃべったように,メリーの旦那によると奥方様が行ってしまったそうだだが,まだエルフたちが住んでいるそうだよ.」

「いつあたしはそこにいって見ることができるの?あたしはエルフが見たいわ,お父さん,そしてあたしのお花を見てみたいの」

「もしおまえがガラスをみたら甘い花が見えるだろうね.(訳注 すみません,よくわからない)」サムはいいました,「たとえおらがおまえに教えなくても,おまえは自分でとっとと見つけちまうだろうからね.」

「でも,それとこれとは違うわ.あたしは緑の丘,そして白い花,黄金の花を見たいし,そしてエルフの歌がききたいわ」

「それならおまえはいつか見ることができるだろうよ」,サムはいいました.「おらもおまえの年の時に同じことをいっていただなあ,そしてそれからずーと後に,そして全く望みがなさそうじゃなくなってきて,やがて現実になっただよ.」

「でも,エルフたちは船に乗っていっちゃったんでしょう,そしてエルフたちはもうすぐいなくなってしまうのではなくて?お父さん?」ローズがいいました「そしてすべてはただ何もないところになってしまって,とても良いとおもうけど,でも,でも...」

「でもなんだい,ロージーちゃん?」

「でも,お話には似合わない気がするの」

「うん,そうだなあ,もしエルフみんなが去ってしまったらね.」サムはいいました.「でも,彼らはこれ以上船に乗って行かないと思うだよ.あの指輪は港から去ってしまっただよ,そしてエルロンドの旦那が去ってしまったとき残った彼らはここに残ると決めただ.だから,エルフはずーといるんだろうね」

「そして,エルロンド殿が裂け谷を去り,奥方様がロリアンを去ったのはとても悲しいことだと思うわ.」エラノールがいいました.「ケレボルンはどうなったのかしら?かれはとても悲しがったの?」

「おらはそう思うね,可愛い娘や.エルフたちは悲しがっただ.そしてその悲しみがエルフたちを綺麗にして,その悲しみのためエルフたちに滅多に会えないんだと思うだね.ケレボルンは今まで通り自分の支配している土地にいるだよ.」サムはいいました.「ロリエンは彼の国で,彼は木々を愛してるだ.」

「この世界の誰もがおらたちみたいにマルローンをもっていないよね?」メリーがいいました.「おらたちとケレボルンの領主様以外は」

「そう思うだよ」サムはいいました.密かにそれは彼の人生で最も誇りに思うことの一つでした.「ええと,ケレボルンは木々の中に住んでいて彼のエルフの人生で幸せだよ.おらは疑わないね.彼らは待つことができる,エルフたちはね.彼の時はまだ来てないだよ.奥方様は彼の土地にやってきて,そしていってしまっただ.そして彼はまだ彼の土地を持っている.彼がそれを嫌になったとき,彼は去ることができるだ.そう,レゴラスとね,レゴラスは彼の民たちとやってきて,イシリエン川の向こうの土地に住んでいるだ,もしそういえるなら.そして彼らはそこをとてもすてきな所にしただよ,ピピンの旦那によるとね.だけどいつか彼は海を渡っていくだろうな,おらは疑わないね.でもギムリが生きているうちはいかないだろうな.」

「ギムリはどうなったの?」とフロド坊やはいいました.「おらは彼が好きだだよ.お願い,すぐに斧を持つことができるよね?お父ちゃん?.オークたちはまだいるの?」

「おそらくいるだろうね,もしおまえがどこで見つけられるかわかっていたらね.」サムはいいました.「でもホビット庄にはいないだね,そしておまえが首を落とすための斧を手に入れるのはちと無理だぞ,フロド坊やや.おらたちには作れないだよ.でもギムリ,彼は王様のために働くため街に来ただ,そして彼と彼の仲間はとても長く働いただでそれに慣れていただ(訳注 よくわかりません),そして彼らの仕事に誇りを持っていただ,そして最後には街の西の向こう側の山の中に落ち着いただ.そしてギムリは毎年1回,輝く洞窟を見るためにいくだね.」

「そしてレゴラスは木の髭に会いに行ったの?」エラノールが訊ねました.

「そいつはわからないな.可愛い娘や,」サムはいいました.「あの日以来エントを見たっちゅう人を聞いたことがないだね.もしメリーの旦那やピピンの旦那がみたのなら,彼らを秘密にしているかもなあ.Very Close are Ents.」

「そして彼らは女エントを見つけられないのかしら」

「ええと,ここでは見たことが無いだね.そうだろう?」

「見たこと無いわ」ローズ嬢ちゃんがいいました.「でも森に行ったときは彼らを探しているわ.女エントを見つけられたらなあ」

「おらも同感だよ,」サムがいいました.「だけど残念ながらそれは古いやっかいごとで,おらたちのような種族が改善するためにはとても古くてとても深いだよ,かわいい娘や.さあ,今夜は質問はおしまいだ,少なくとも夕食の後まではね.」

「でもそんなの不公平だよ.」とメリーとピピンの二人はいいました.彼らはまだ10歳になっていません.「おらたちはそのままベットに直行だよ」.

「おらにそんなことをいっちゃいけないだよ.」とサムは厳格にいいました.「もし夕食の後,エリーとフロが起きていることが不公平だというのなら,早く生まれてきたことが不公平だっちゅうことだ.そしておまえのおとうちゃんが不公平っちゅうことだでおまえたちはおらの子供じゃないだよ.さあ,それはもうやめて,take your turn.おまえの時間で何をしなくちゃなんねえだか考えるだよ.さもないと王様にいいつけるだよ.」

彼らは前にもこの脅しを聞いたことがありますが,でもこのときはいつもよりサムの声にもっと重い響きがありました.「いつ王様に会うの?」フロド坊やがいいました.

「おまえが考えているよりも早くだよ.」サムがいいました.「さあさあ,公平に行こう.みんなあとでに話すだ,起きている子もベットに行く子にも,おっきな秘密だぞ.でもささやいたり,おきていたりしちゃだめだぞ,子供たち.あしたまでお預けだ.」

子供たちは期待して静まりかえりました.ホビットの子供たちがガンダルフを見つめたように,子供たちはお父さんを見つめました.

「王様がここにやってくるんだ.」フロドが厳かにいいました.

「袋小路屋敷に来るんだ!」子供たちが叫びました.

「来ないだよ.」サムはいいました「でも王様は北に来るだよ.彼はホビット庄には来ないだよ,なぜならあのごろつきどものあとに大きな人はこの土地に入っちゃなんねえっておふれを出したからね.そして彼がここに来ないっちゅうことでそのことを示しなさるのだよ.でも彼は橋の所までは来るだろう.そして--」サムは一呼吸おきました.「彼はおまえたち一人一人にとても特別なご招待を送ってくれただよ.そう,名前付きでね!」

彼はタンスの引き出しに向かって大きな巻物を取り出しました.それは黒く,銀色の文字で書かれていました.

「それいつ来たの?」メリーがいいました.

「三日前南の向こうのポストについたのよ(前にも書きましたが水曜日です)」エラノールがいいました「あたしそれ見たもの.絹でつつまれて大きなシールで封してあったの」

「まったくその通りだよ,おらのぱっちりとしたお眼目ちゃん」サムはいいました.「さあご覧」彼は巻物を広げました.「エルフの文字と普通の文字で書かれているだよ」サムがいいました.「そしてこう書いてあるだよ:エレスサール アラゴルン アラソルンの息子 エルフの石 ゴンドールの王そして西方の領主は春の初めの日,つまりホビット歴では3月25日の次の日,にバランデュインの橋に到着する,そしてそこで彼のすべての友人を迎えたいと熱望している.特にホビット庄の庄長マスタ・サムワイズ,彼の妻ローズ,そして彼の娘たちエラノール,ローズ,ゴルディロックス,デイジー,そして彼の息子たちフロド,メリー,ピピン,ハムファーストにあいたいと熱望している.there you are, there are all your names」

「でも,二つの名簿の名前が違うわ」エラノールがいいました,彼女は字を読むことができるのです.

「ああ,」サムはいいました「それは最初の名簿がエルフ名だからだよ.おまえは同じだよ,エリー,両方の名簿でね.おまえの名前はエルフ名だからだよ.でもフロドはイオルハイル,ローズはベリル,そしてメリーはリベン(>R..el>Gelir),そしてピピンはコルドヴ,そしてゴルディロックスはグロールフィンニエル,そしてハムファーストはマルサンク,そしてデイジーは(so splet)アリエンだ.さあわかっただね.

「ああ,とてもすてきだよ!」フロドがいいました「いまおらたちはみんなエルフの名前をいただいたんだ,でもおとうちゃんの名前は?」

「ああ,そいつがちょっとばかし変わっているだよ」サムがいいました「エルフ語の部分で,もしおまえさんたちが知らねえばなんねえんだったら,王様のいったことは”ペルアイル殿むしろランハイルと呼ぶべき”だよ.そしてその意味は,おらはそう思うんだが”サムワイズ,幾分賢いいやむしろ全く賢いと呼ぶべき”.さあもう王様がおまえのとうちゃんをどう思っているかわかっただろうから,彼がどういうか注意して聞くだろうね.

「そして彼にもっと多くの質問をするね」フロドがいいました.

「3月25日はいつ?」ピピンが聞きました.かれにとって日にちは理解するにはちょっと長すぎる時の数え方なのです.「それはすぐなの?」

「今週の今日よ」エラノールがいいました.「いつ出発するの?」

「そして何を着ていこうかしら?」ローズがいいました.

「ああ」サムがいいました「ローズお母様がそいつについては話してくれるはずだよ.だけど驚いちゃいけないだよ,可愛い子や.おらたちは長いことこれに注意していたしその日のために用意してきただよ.おまえたちはいままで見たこともない一番すてきな服を着ることになるだよ,そして馬車に乗るだね.それからおまえたちみんなががよい子にしていてできる限り可愛くしたら,王様が湖の王様の家に我々を連れて行くことを訊ねなくてもおらは全然驚かねえだぞ.そしてそこには女王様もいらっしゃるだろう」

「そしてあたしたちは夕食まで起きていてもいいの?」ローズがいいました.to whom the nearness of promotion made this an ever-present concern.

「おらたちは数週間泊まることになるだね,hay-harvestまでは少なくとも.」サムはいいました.「そして,王様の仰るとおりにしなければなんねえだ.だけど夕食まで起きてるちゅうことについては女王様がお言葉をくださることは疑いねえだ.そして,今もしおまえたちが何時間かささやき,お日様が昇るまで夢をみるのに十分じゃねえのなら,おらがこれ以上何を話せることはねえだよ.

星は透き通った空に輝きました.三月の終わりのホビット庄に毎年やってくる澄んで明るい季節の初めの日でした,そしてこの日は毎年まるで何か特別の日のように待ち望まれ賞賛されるのです.

子供たちはみんなベッドに入りました.光はまだホビット庄と暗い町はずれの多くのぽつぽつした家で輝いていました.サムはドアの前に立ち東の方を眺めやりました.彼はローズ奥方を彼のそばによんで彼の脇にぴたりと抱き寄せました.「三月の18日(>25日)*注5」彼はいいました「17年前のこの時,ローズのかみさん,おらはおらがまたおまえさんに会えるとは思わなかっただ.だけど,ずーと希望を持っていただよ.」

(「そして全く期待できなかったわ,サム」彼女はいいました.「あのすばらしい日まで.そして突然希望がもてたわ.朝の半ば過ぎに私が歌い出したの,すると父が”静かにしろ,ごろつき共がやってくるぞ”といったわ,そして私は”来させるがいいわ.彼らの時はもうすぐ終わるもの.私のサムが戻ってくるのよ”そして彼はきたわ」)*注6

「そしてあなたが戻ってきたわ」ローズがいいました.

「戻ってきただ」サムはいいました.「この世の中で一番愛すべき場所にね.おらはそして二つに引き裂かれちまっただ,お嬢さん,でも今は欠けることのないひとつになっただよ..そしておらの持っているものすべて,そしておらの持っていたものすべてをおらは今も持っている.

(クリストファーの解説)ここでテキストは終わる.しかし,トールキンは以下を続けて付け足している.

二人は中に入り扉を閉めました.しかし,彼が扉を閉めたちょうどそのとき,サムは突然中つ国の岸での海のそよぐ音とささやきを聞きました.

(解説)そのとき彼が指輪物語の終わりをこのようにしたかったのかは疑いないであろう.

(解説)清書Bが後に続く,そしてこれは冒頭に「エピローグ」と章番号なしで書かれている.続いて「エピローグ」は「このほんの終わり」とまた章番号無しで改められている.オリジナルドラフトへの変更は明らかにほとんど無い.サムと彼の子供達の会話の流れに非常にマイナーな修正と改良,そして確かな詳細の続きと拡張が与えられている.

 メリー・ギャムジーは今やバンドブラス・トゥックが「ゴブリンの王を殺した」ことを知っている.