SCHEDULE

T映画『レオニー』

U能楽堂『マクベス』

V戯曲『シャーロックホームズ、最後の乾杯』翻訳

W戯曲『メトセラへ帰れ』by Bernard Shaw 翻訳

 

T.映画オニ今秋公開 ―彫刻家イサム・ノグチの母の物語―

久子監督は大学時代の友人です。一緒に芝居をやりました。彼女は演劇科、私は英文科。

私は字幕に出ます(笑)翻訳まごいずみ って。だから皆さん、最後まで席をたたないでね。

字幕は今をときめく戸田奈津子さん。では、私は何をしたかというと、監督が日本語で書いたシナリオを英訳してアメリカ人ライターに送り、彼が書いた英語の原稿を日本語にして監督に・・を繰り返したのです。なにせ主演はハリウッド女優ですから。監督に手伝ってって言われてから6年の歳月をかけて育った映画です。しかも莫大な制作費を支えたのは個人の有志です。制作が一味違います。

配給は角川映画、11月全国封切です。前売り鑑賞券(\1,000)ご希望の方は  か レオニ務局へ。 

 

U.能楽堂『マクベス』:文化庁芸術祭参加公演

作・演出の関根勝氏は大学時代の友人です。今では母校の教授を務める彼とは、学部4年間と院(私は修士課程のみ)でも同級。能楽師の家庭に生まれ育ち、英文学を修めた彼がShakespeare と日本の古典芸能を融合し、オペラの味付けをしました。1+1>2という文系ならではの(たくら)みシリーズ。私も昨年の『フォルスタッフ』にはキャストとして参加しました。このシリーズも今公演で打ち止めです。観賞ご希望の方は Theatre Project Si へ。

 

V 戯曲『シャーロックホームズ 最後の乾杯』翻訳

2010831日、第一稿、訳了。私はエアコン嫌い。マスコミが熱中症の報道の度に「エアコンがついていませんでした」と繰り返すのは、家電メーカーの回しものか?「生活保護で電気も切られ・・・」って、誰を責めてんの? というわけで、熱暑の中、パソコンを持ってウロウロと攻め来る熱波をかわし、シャワーと扇風機と数種の飲料で脳と指をだましながら、なんとか一通り訳し終えました。何十年と仕事をもらっているプロデューサーから、今回初めて催促されましたが、「終わりました」と電話すると、受話器の向こうの声が急に若々しく弾むのが分かりました。でも、この紙上のホームズが誰の体を借りて皆さまにお目見えできるのか、ひょっとして出来ないのか、いつになるのか、すべて我が子シャーロックの生命力とご縁にかかっています。ともかく、「誕生日おめでとう、シャーロック」これが最後の乾杯となっても、生まれてくれてありがとう。

 

W 戯曲『メトセラへ帰れ』by Bernard Shaw 翻訳

ショーって『マイフェアレディ』でショー?と、それ以上は敬して遠ざけていた情けなくも恥ずかしい英文科崩れの私、恩師の手伝いで否応なく始めた翻訳です。分かりました、天才と言われる由縁が。太古から現在に至る知の系列をみごと自らの思考の血肉として人類の未来を予測しています。そして、見事に的中、と再評価が高まる日も遠くないと私には思えます。なぜ今ではないか。それは、ショーの予測した未来は西暦31,920年だから。私もまた、証明される日は遠くないであろう、と予測するしかないでショー。本文は訳し終えたのですが、今、「忙しい」を言い訳に目をつぶったふりをして実は薄目でチラチラ様子をうかがっているのは、ま・え・が・き。りっぱに本文と言えるくらいの量(ペンギンで62ページ)がぎっしりです。参っています。人類思想史を時系列で追いながら、当然ながら解説も紹介もなしに皮肉り、評価しているのです。調べては訳し、訳しては考えているうち、ショーが思想対立のどちらに与しているのかさえ分からなくなってくるのです。この、無知で、単純で、素直すぎる頭め、とドーヴィー(ハリー・ポッター)のように自分を罰したい気分です。でも、今秋中には終えますよ。なぜなら、助っ人を頼んだ十歳下の後輩が頑張ってどんどんフォローしてくれるからです。命がけでやります、と、どんどん follow upon me. って通じるかどうかしらないけど、そんな切迫感がある今日この頃です。とある人は言いましたっけ、「ショー? ああ、スノッブの代表」 ガーン。反論も、にこりともできない、どんな顔していいのか分かんないアタシが居ます。この年になって気づいたこと。世の中、賢い人が一杯だ。無知の知に至れば、却って気楽に物も言えらぁ!!