高級タイシルク専門店 サラーマイタイみのや ぺーワーってどんな布

タイシルクの女王 ペーワーのご説明

はじめに

ぺーワーは QUEEN OF THAI SILK と呼ばれ、タイシルクの中でも
最高級品に位置付けられるシルクです。
元々は巾(よこ糸方向)およそ20センチ、長さ(たて糸方向)およそ150センチ
ぐらいの礼装用飾り布であったのではないかと考えますが
現在では上下1着分の布として織られています。
その製作には膨大な手間と高度な技術を必要とし、
生産量はマットミーよりもさらに少なく、ステイタスもより高いものとなっています。

使用する絹糸

マットミーと同じ絹糸を使用します。
柄の部分、浮き紋に用いる糸は、地糸よりも縒りのゆるい糸を用い、
圧倒的な艶やかさに貢献しています。

染め

マットミーのように、括りによって1本の糸を何色にも染めるという作業はありません。
よこ糸とたて糸は地色に染められます。
その他、柄に使用する色の数だけ、(赤、青、緑の3色が使用されるのであれば
赤い糸と、青い糸と、緑の糸の3種類の)柄用の糸が用意されます。

織り

マットミーと同じく、高機による完全な手織りとなりますが
織りの工程がぺーワーを製作する上で最大の工程となります。
地色のよこ糸とたて糸は通常の平織りで、無地の部分の色艶はマットミーよりも
落ち着いた感じとなります。
一見刺繍のように見える柄の部分は、地色のよこ糸を1本通すごとに指で1目づつ掬い上げる
浮き文の、しかも縫い取り織りです。
柄の部分にしか柄用のよこ糸をとおさないこの技法は「ジョク」といわれ、
同じ浮紋でも柄用のよこ糸を布の巾全部に機械的に通してしまう「キット」(非常に単純な
柄の場合に用いられます)とは明確に区別されています。
当然、ジョクの方が高級品となります。
博多帯の模様をさらに豪華にしたようなイメージの幾何学模様となりますが、
織り手は、柄用のよこ糸を掬い上げるべきたて糸の目を1本1本かぞえながら拾い上げ
そこに柄用のよこ糸を指で掬い上げて織り込むという気の遠くなるような作業を繰り返します。
密度が高く、パターンが大きくて複雑な柄ほど手間がかかリますが
この柄の部分の、浮き文故の、色、艶、精緻さがぺーワーの魅力となります。

サイズ

巾(よこ糸方向)およそ60センチ、長さ(たて糸方向)およそ500〜550センチ。
その端から巾60センチ長さおよそ40〜50センチが無地、つづいて
巾60センチ長さおよそ200センチが柄部。残りの部分は無地となります。
長さが不ぞろいなのは、作者が表現したい意匠、柄を構成する基本形の大きさ
その繰り返しの回数などによって柄の部分の長さが変わる為で、
超高級品になると巾およそ90センチ、長さおよそ320〜420センチ、尚且つ
柄部がほぼ全面にわたるなど、個別による差異が大きくなります。

よって、こんなかんじ

紫色ぺーワーの全体写真 左がぺーワーの写真です。
(小さくてごめんなさい)。
撮影の都合で1部畳んであります。
巾63センチ長さ534センチで
長さの内訳は
床の上に畳んである
無地の部分が275センチ、
床の上30センチあたりに見える
細い柄から
上部の折り返しをはさんで
向こう側へ続く柄の部分が211センチ、
その先に再び無地の部分が
48センチとなります。
柄の部分211センチの両端は
左の写真の下部に見られるよう、
細い柄の帯と無地の帯の部分の
組み合わせとなっています。

巾63センチ長さ534センチというと
およそ3.4平方メートル。
日本の反物の9割ほどの布ですが、
そのおよそ半分が
ほぼ全面的な浮紋様の柄に覆われている、
豪華で贅沢な逸品です。

紫色ぺーワーの柄部の写真 左に拡大写真を載せてみました。
地色の紫色と横縞の茶と朱色、
その上に、8色の浮き文が織られています。
浮き文が地色を覆い隠す密度は中程度ですが
柄用のよこ糸を掬い上げるピッチが非常に細かく
織りだけで3ヶ月程度を費やす作品です。

紫色ぺーワーの柄の拡大写真


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