木造船のふるさと(3)

- マンダール地方のバゴ(Bago) -

 

マンダール地方にはサンデック(Sandeq) のほか、 ピニシより若干小さいバゴ( Bago )と呼ばれる船型がある。カヌー型のサンデックより汎用性が高く、ピニシより浅喫水のため、主として沿岸の漁船として使われている。
 構造は Pinisi とほぼ同じである。一本のキールから左右対称に外板を組み立てていく。左の写真はキールの組立作業。幅方向の木材の接合は約10 cm 間隔で電動ドリルで穴を明け、 10 mm 程度の木釘を埋め込み、接着剤を使って固める。船首尾の曲がり部分は曲がった木材を鋼製のボルトで止めていた。
 外板に使われる木材は Palapi 、フレーム材は Jati 、縦通補強材として Urin が使われる。大半の材料はカリマンタン島からマカッサル海峡を渡って運んでくるとのこと。長さ10メートルの漁船の 場合、建造期間は約1カ月、建造費はエンジンを除いて4千500万ルピア(日本円で80万円位)であるとのこと。
 たまたま2000年のシドニー・オリンピックを目指してオーストラリヤから注文を受けて長さ約 15 m のバゴを1隻建造中だった。(写真下)私が訪問した1999年1月の時点で船体の7割程度が出来上がっていた。シートで覆われているところにヤンマー・エンジンが据えられている。こちらの船価も4千500万ルピア(日本円で80万円位)とのこと。完成後、お披露目を兼ねてマジェネからウジュンパンダン、バリ、ロンボクを経由してシドニーに回航される予定になっている。

 

写真 オーストラリア向けに建造中のバゴ