南スラウェシ州のこと

About Sulawesi Selatan


1. 概要
2. 南スラウェシ州の歴史
3. 南スラウェシの産業
4. マカッサル工業団地 (2003-12-6 追記)
5. 主な日系企業


スラウェシ島

1. 概要

 インドネシアは大小合わせて1万3千の島からなる群島国家である。スラウェシ島はニューギニア(イリアン)、ボルネオ、スマトラに次いで大きな島で、赤道を挟みフィリピンのミンダナオ島の近くから南端まで約2000キロメートル、面積は日本の本州の約80%の227,000平方Kmある。

 島の形は世界でも珍しいアルファベットのKの文字に似ていて面積の割に海岸線が長いのが特徴である。青い海、入り江、白い砂浜、椰子林、珊瑚礁、3000M級の山岳が素晴らしい景観を造り上げている。島の殆どが標高500Mの山岳地帯で、面積の5分の1は標高1000M以上、一番高い山はRantemario山で3,450Mある。

 スラウェシ島のKの文字の左下の半島部分が南スラウェシ州で、面積6.2万平方Kmで日本の四国と九州を合わせた面積にほぼ等しい。北部と南部は山岳地帯であり、特に北部の山岳地帯は3000 m 級の険しい山並みが連なっている。

南スラウェシ州 

2. 南スラウェシ州の歴史

  南スラウェシ州の古代の歴史は”ロンタラ”と呼ばれるブギス・マカッサル文字の古文書に残されており、古くから多くの王国が成立していたことを伝えている。これらの王国の中では、ボネ湾奥のルウ王国、現マカッサル(ウジュンパンダン)周辺を中心としたゴワ王国、東部のボネ王国が有名であり、いずれも11〜12世紀にかけて成立したと推定されている。特にゴワ王国は16世紀から17世紀半ばにかけてカリマンタン東部からマルク諸島、小スンダ列島、オーストッリア北岸までを領土として、周辺海域の貿易をほぼ独占するなど、一大海洋国家として東南アジア群島世界にその名を轟かせた。

 17世紀半ば、オランダ東インド会社はゴワ王国を破り、現マカッサル(ウジュンパンダン)市内の同王国の要塞(Benteng Ujung Pandang) を本拠地にして東部インドネシアの支配を広げ、1846年にはスラウェシ全域がオランダの主権に属する旨宣言するとともに、現南スラウェシ地方をセレベス総監直轄領、間接統治領および同盟領の三つに分割した。1905年、ボネとゴワ両王国の反乱を鎮圧後、オランダ政府は更に行政改革をすすめ、植民地時代末期、現南スラウェシ地方は最終的に6県(afdeling) からなる「南セレベス知事領」となった。

 この後、旧日本軍占領時代、インドネシア独立、東部インドネシア13の地方から成る「東インドネシア国」への加盟(1946〜50)などを経て、1961年に「南及び東南スラウェシ州」が発足、さらに1964年に同州が南スラウェシと東南スラウェシの2州に分割されるに及んで、現在の南スラウェシ州が誕生した。

 独立後60年代にいたるまで、南スラウェシ州ではアンディ・アジス大尉部隊の反乱(1950)、イスラム急進派と結びついたカハル・ムザカルの反乱(1952〜1964年)、更に共産党クーデター事件(1965年)と、治安の乱れが続いた結果、社会、経済開発は大幅に遅れ、実質的開発は1966年以降に漸く始められたと言ってよい。

3. 南スラウェシの産業

 農業  南スラウェシ州で最も需要な農産品は米であり、これに次ぐものとしてカカオとコーヒーがある。農園は、9割を占める家族経営の小規模農園と企業農園からなる。近年民間企業による大規模農園の伸びが著しく、1989年時点で61社が7.5万Ha を使ってココヤシ、カカオ、パームオイル、ナツメグなどの栽培を行っている。主要作物はココヤシ(1990年時点で10万トン)、カカオ(3.2万トン)、コーヒー(1.2万トン)、パームオイル(8千トン)、カシューナッツ(7千トン)、クローブ(6千トン)などである。

 林業  南スラウェシ州の森林面積は年を追って減少を続けており、1989年度時点で州面積の5割に相当する335.2万Haとなっている。主な林産品は一般材(1990年時点実績6.3万立方m)、黒檀、ロタン(同3.7千トン)、コパールなどであるが生産は停滞している。

 漁業  海洋漁業と沿岸部養殖漁業からなる。近年大幅な伸びを見せたのは養殖漁業である。南スラウェシ州の養殖池面積は全国第一で、全体の約3割を占め、輸出向けのタイガー海老と国内消費向けのミルクフィッシュが主に養殖されている。この中でも海老は同州の重要な輸出品目であるため、州政府もその開発に力を入れている。

 鉱業  各種の鉱物資源が埋蔵されていると言われているが、それらの大部分は未採鉱であり、正確な埋蔵量は殆ど判明していない。鉱物資源の豊富な地域は州北部の山岳地帯であり、タナ・トラジャ、ルウ、マムジュ3県にかけては金、銀、ニッケル、亜鉛、鉛の他に石炭、石油、地熱、水力などのエネルギー資源にも恵まれている。
 このほか州中部から南部にかけての石灰岩地域には、石灰岩、大理石、マンガン、銅、クロム、天然ガスなどが、またマカッサル海峡沿いのスペルモンド諸島海域には原油(推定埋蔵量40億バーレル)と天然ガス(同400億バーレル)が埋蔵されている。
 州内の鉱業開発はこれまで停滞しており、主なものとしては、北部ルウ県のソロアコでカナダ系合弁企業のインターナショナル・ニッケル・インドネシア社(通称PT. INCO) が1975年以降総額9.5億米ドルを投資し、1,044Haのコンセッションでニッケルマット(含有率70%)を採掘し、主に日本へ輸出している例のみであったが、近年に至って徐々に活発化し、BP PETROLEUM社がスペルモンド諸島海域3地区で原油試掘する予定になっている。

 

4. マカッサル工業団地

 マカッサル工業団地(通称KIMA、 PT.Kawasan Industri Makassar)は南スラウェシの州都マカッサル市街地、港湾地域から15kmの地点にあり、ハサヌディン空港からも10分の距離である。広大な203Ha の敷地は今後さらに703Haに拡張する予定、また、地の利を生かして大規模なビジネスセンター建設の計画もある。工業団地内は2300m3の清水貯水槽、電力供給、道路交通網、通信施設、汚水処理施設が整備されている。またパトロールカー。救急車などの安全・保安体制もとられ、ISO9002 の認証も取得している。現在約150社が入っている。企業の数でみると、アグリビジネス、流通関係の業種が多く南スラウェシの産業の特色が出ている。隣接地にゴルフ場もある。KIMAの社長は現在Baharuddin Sellang 氏で南スラウェシ商工会議所の役員でもある。(写真右は計画中の大規模なビジネスセンターの完成予想図)

アグリビジネス:  チョコレート加工 10社、 コーヒー 4社、 椰子油、食用油 2社、 ゴム 2社、 ゴム加硫 2社、 カシューナッツ加工 3社、 木材 2社、飼料 1社 など
流通: 冷凍倉庫 19社、 倉庫 7社、 部品倉庫 1社、 チョコレート流通 1社、 牛乳流通 1社、 履物流通 1社、 包装 1社、 プラスチック包装 3社、 電子部品倉庫 1社、 鉱産物倉庫 1社など
水産: 海産物 1社、 魚 加工1社、 氷製造 4社 など 
食品:  飲料水 2社、 スナック 1社、 即席ラーメン 1社、 ビスケット 1社、アイスクリーム 1社、 マグドナルド 1社、ケチャップ 1社、パン製造 1社、 海老煎餅加工 1社など
工業・エネルギー: 木工 5社、家具 1社、 仏壇製造 1社、 籐製品 4社、 ボタン製造 2社、 皮加工 1社、 スタイロフォーム 1社、塩ビ管 1社、 研磨紙 1社、 繊維 1社、 プラスチック 1社、 コンテナ製造 1社、 コンクリート 2社、 建材 2社、 亜鉛鍍金 1社、 瓦 1社、 LNGガス充填 1社、 鉱山 1社、 ガス 1社
サービス:ビジネスセンター 1社、 電話 1社、 通信サービス 1社

 

5. 主な日系企業

○ SERMANI STEEL社
  (亜鉛鉄板製造販売、日本側 丸紅、NKK)
○ MITRA KARTIKA SEJATI社
  (通称ミカセ、えび冷凍輸出、日本側ニチメン、徳水)
○ TOARCO JAYA社
  (アラビカ・コーヒーの栽培および輸出、日本側 キー・コーヒー)
○ NITTOH MALINO TEH社
  (茶の栽培・製造・輸出、日本側三井農林)
○ KATINGAN TIMBER社
  (合板製造輸出、日本側三井物産海外林業開発、
   三井木材工業)
○ Daiwa Agung International 社 (KIMA内)
  (ボタン製造)
○ S.N.T.C. Indonesia 社 (KIMA内)
  (黒檀工芸、仏壇)