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城下町歩き 但馬出石

兵庫県出石町

鳥取市から国道9号線の山道を京都方面にドライブする。途中、かつてのドラマ「夢
千代日記」の舞台である大きな湯村温泉や但馬牛の名産地を走る。山陰の小京都
と呼ばれる但馬出石は是非とも立ち寄りたいスポットの一つで、以前から楽しみに
していた。
 鉄道の走らない出石の城下町は交通の便が悪く、仙石家5万8千石の風情がしっか
りと残っている。雨の降る小京都には多くの観光客が朝早くから散策していた。大手前
の駐車場に車を置いて、観光ガイドマップを片手に小京都をのんびりと歩いた。城下町
出石のシンボルである大手門脇に建つ辰鼓楼と呼ばれる時計台を中心に、土産屋、
名物の出石蕎麦屋が実に多く、観光地としての人気を物語っていた。
 小さな城下町には見所も多く、櫓や城門が復元されている城跡、格子窓の町家、大き
な灯篭が残る船着場・・・・・と城下町の風情が濃縮されている。江戸時代の有名なお家
騒動である「仙石騒動」の舞台であり、幕末に新撰組に追われた桂小五郎(木戸孝允)
が潜伏した町でもある。情緒と歴史散策は旅の醍醐味だ。

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城下町出石の名物は蕎麦。城主仙石家
は蕎麦の名産地である信州上田からの
国替えであったため多くの職人が移り住ん
だ。
 小皿に乗った蕎麦はしっかりとした歯ごたえ
で、10皿、20皿とスルスルとお腹に入る。小
京都を歩き蕎麦を堪能できる旅は幸せを実感。
 店内にはBGMとして大好きな女子十二楽坊
が流れていた。出石の蕎麦屋で耳にするとは
思わなかった・・・・・。

城下町出石を訪ねて、この小さな町から多く
の人物が輩出していることに驚いた。
初代東京大総長の加藤弘之、先日NHKでも
やっていた「憲政の神様」斉藤隆夫、喜劇王
の古川ロッパ。大河ドラマ「武蔵」の主要人物
の一人である沢庵和尚も天正元年(1573)
に出石に生まれている。漬物の沢庵漬けも
出石に縁が或る。
なんとも興味深い城下町・・・・・。

明治4年に三の丸大手門脇に建てられ
た辰鼓楼。現在では時計台として出石
のシンボル。

但馬地方の旅は、志賀直哉「城の崎にて」の城崎温泉に泊まり、城下町出石を歩き
天橋立に抜けるルートが定番。京都に戻る途中には、伝説の大江山や明智光秀の
城である福知山城もある。

城下町の武家屋敷を散策するのは旅の楽し
み。城下町には武家屋敷の他、町屋、寺町
などの様々な顔があり、中国地方や山陰には
都市化されていない情緒豊かな城下町が多く
残る。