ノスタルジック 尾道

対岸の島が近く、瀬戸内海がまるで川のように見える。山の傾斜地にコンパクトに
古い町並みがある。坂と石段、小路が多く寺の境内が町に溶け込んでいる。
 広島県尾道は文学、映画で有名な郷愁と懐かしさを感じられる町だ。自分も20年
近く前に「尾道三部作」と言われる映画でこの町を知ったけど、実際に狭い小路、
石段を歩き浄土寺西国寺・・・・と訪ね高台から瀬戸内海と島々を眺めていると、
まるで田舎に帰ったような懐かしさを覚える。間違いなく大林監督の映画は尾道の
どことなく懐かしく、どことなく悲しい「空気」を描いている・・・・・。
 「時をかける少女」(1983 原田知世)、「さびしんぼう」(1985 富田靖子)、「ふ
たり」(1991 石田ひかり)・・・・尾道映画は作品から溢れる雰囲気が好きだ。
「時をかける少女」でタイル小路が有名になり、「さびしんぼう」で西願寺への観光客
が増えたらしい。
 瀬戸内の海がオレンジ色に輝く夕暮れ、石段に座り缶ビールを飲みながら眼下に見え
る海を眺めていた。水路を航行する船を見ているだけでも旅情をかきたてられる。

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広島県尾道市

歴史・物語の舞台を歩く

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ロープウエイで千光山に登ると眼下に尾道のパノラマが広がる。住宅が密集し古寺
の塔が町に調和した風景。いつまでも時間を忘れて眺めてしまう・・・・。
四国へと繋がる「しまなみ海道」の尾道大橋も、この町の新しい風景だ。狭い水道を
渡船が忙しなく往復している。コンパクトにまとまった尾道の町はいい景観だ。

尾道駅前のホテルに宿泊。夕暮れの尾道
水道を行く船を眺めてから、広島風お好焼き
を食べに町に出た。焼きソバが入りおたふく
ソースで食べる広島風は甘味があり、ビール
とサワーがぐいぐいとすすむ。
若い夫婦がお好みの店を切り盛りしていた。
なんだか居心地のいい店で、お好み、野菜
炒め、タコ焼きをつまみにサワーがすすむ。
店のTVでは広島VS中日戦がながれ、広島
がヒットを打つと無口な若主人が手を止めて
TV画面を眺めていた・・・・・。
尾道の旅はお好みの後にラーメンで締める。

この町の散策は実に楽しい。潮風を感じな
がらレトロな雰囲気のアーケード街やら
下町情緒の路地を歩く。
西の鎌倉と呼ばれる尾道は、山と海に挟ま
れた狭い斜面に家々が狭苦しそうに並んで
いるのがいい。密集した空間が心地いい。
古い雰囲気の喫茶店でハンバーグ定食を
食べた。喫茶店というか懐かしい洋食屋さん
の雰囲気かな。無愛想なアルバイトの女子
校生が、妙にその洋食屋さんの雰囲気に合っ
ていた・・・・・。

「放浪記」で有名な昭和初期の女流作家
林芙美子も尾道に住んでいた。苦学の末
尾道高女を卒業している。
アーケイド街の入り口に、旅姿のとても
いい雰囲気の銅像がある。