為我好(わたしのため)
(電車の中)
大丈夫ですか?
どうしたの?
どこへ行くの?
未来に行きたいの。はやく大きくなりたい。わたしのためだって、大きくなったらわかるって、彼が言ったのよ。
まるで夢のようです。私は自分に会ったようです。私はほとんど忘れかけていた。
(校舎の入口)
すみません。教務処はどちらですか?
ありがとう。
(教室)
皆さん、しずかに!
今学期の新しい数学先生を紹介します。皆さん拍手で迎えましょう。
おぼえとけよ。いじめちゃだめだよ。
皆さん、こんにちは。
私は鄭裕華と言います。
(雨)
傘を忘れたの?
一緒に行こうか?
傘は持ってていいよ。また明日。バイバイ!
(先生の部屋)
先生の星座はなんですか?
じゃあ、どんな女の子が好きなんですか?
ばかだな。
じゃ、ふたご座の女の子をどう思いますか?
小さい女の生徒。
じゃあ、ガールフレンドはいますか?
ハッハ、子供だな。
映画を見るのが好きですか?
普段はいつも何をしているの?
君こそいつも何を考えているの?ばーか。
(電車の中)
眠るのやみかんを剥くのと同じくらい簡単な幸せが、どうしてこんなにも手に入り難いの?
(更衣室)
あっ!きみ!
あなた、わたしのこと好きなのかどうなのか、どっちなの?
(先生の部屋)
先生、私たちって、恋愛しているって言えますか?
何を考えているの?わからない奴だな。ばーか。
(キス)
(教室)
わたしだ。緊張するな。
暫く数学の先生が休暇をとるので、今日はまず自習してください。
あーあー。
あーとは何だよ!
(先生の部屋)
このいやな奴!ジコチュー!意気地なし!
わたしのためって、なんなのよ!
わたしのためなの?それともあんたのためなの?
何がためなのよ!わたしがわからないって、あんたこそわかってないよ。
大卒がなによ!えらそうに!
(電車の中)
どうして必ず大きくなってからでないと、今日がいいかどうかわからないの?
もし必ずそうでなければならないなら、今日がいいかどうかなんて、またどういう関係があるの?
わたしははやく未来に行って、今日を見てみたい、わたしは何をしたのかを。
夢が終わった。そろそろ家に帰る時間だ。