エジプト旅行記


2009年11月11日〜21日



■11/11   成田 → カイロ

今年の4回目の海外旅行。11月でも寒くないところということで、エジプトに決定。
この時期でも夏物の服装で大丈夫だが、朝晩は冷え込みがあるというので、調節の効く服装にして、2日前にスーツケースを送り出す。前日は、出発までに片付けておくことがいろいろあって、結局、夜が明けてしまい、午前6時頃になってやっとベッドに入った。それでも8時半頃には目が覚めて、朝食後、予定通り9時半に家を出る。いよいよエジプトへ向けて出発!

かなりの雨の中を成田空港へ向かう。エジプトではお腹をこわしやすいというので、薬局で薬を買う。同行のいとこと一緒に日暮里駅から10時45分発の京成スカイライナーに乗り、11時38分に空港第二ビル駅に到着。スーツケースを受け取り、団体カウンターでeチケットをもらい、I カウンターでスーツケースを預けて航空券を受け取り、また団体カウンターに戻って、現地空港利用税を支払う。今回の「JTB旅物語」のツアーに参加の25名が全員集まったところで、細身で真面目そうなの男性添乗員の丹野さんから説明を聞き、すぐに出国。シャトルで98番ゲートへ。機材の到着が遅れたようで、予定より遅く14時半頃にやっと搭乗。席は29HK。窓側の2席だが、心配したとおり、大きな翼の真上。予定より30分ぐらい遅れて15時頃移動を開始。

エジプト航空いつの間にか眠ってしまっていて、次に目を開けたら、もう飛んでいる。エジプトビザ料の25米ドルを添乗員さんが集めて回っている。成田から真西に飛んでいて、もうすぐ若狭湾にさしかかるところ。16時30分ごろになってやっと飲物と食事が出る。鶏のグリルと野菜カレーとビーフシチューの三択でビーフシチューをチョイス。おいしいが、お腹がすいていた割には食べられない。また回ってきた添乗員さんがビザのシールや書類を配ってくれる。直行便で、飛行時間が14時間45分と長いので、ひたすら眠ることに。23時頃に飲物と鮭のおにぎりともみじ饅頭が配られる。食べなくてもよいと思いつつ、海苔のにおいに誘われて食べたてみたらおいしい。しばらく眠るが、気分が悪くて目が覚める。やはり、おにぎりはやめておけばよかった・・・。あと2時間でカイロ空港に到着とのこと。日本時間では12日の午前3時。時計を7時間戻して11日の午後8時とする。只今、トルコ上空とのこと。食事をパスしてウーロン茶だけもらう。今回の席は窓側だったが、翼の真上だった上に、ずっと雲があり、そのうち暗くなって、結局、何も見えなかった。

22時、夜のカイロ空港に着陸。広い空港。バスでターミナルまで行き、入国審査を済ませるが、その後、またパスポートチェック。なかなかスーツケースが出てこなくて、最後の方にやっと出てきた。もう23時。バスに乗り込む。ホテルまで40分ぐらいとのこと。最終日まで同行してくれるスルーガイドはムスタファさん。ニックネームはラムさん。がっちりしたちょっと恐そうに見える男性で、カイロ大学の日本語学科卒業とのこと。さすがに流暢な日本語。
アマランテ・ピラミッズ・ホテル

やがてカイロ市内へ。お店はみんな開いていて、人もたくさんいて賑やか。24時頃、アマランテ・ピラミッズ・ホテルに到着。前の道路にはあまりきれいとはいえない建物が並んでいるが、ホテルのロビーはきれい。さすがは5つ星。ウェルカムドリンクのオレンジジュースが出ている。ホテルでは外国人登録が必要とのこと。部屋は、2階の111号室。赤と緑を基調とした広くてきれいな部屋。バスルームを気持ちよく使って、午前1時30分就寝。


■11/12   カイロ → ギザ → カイロ

午前6時起床。ホテルの外は見るものも無い様子だったので、中庭の散策をすることに。南国らしく、ブーゲンビリアやハイビスカスなどが咲いている。プールサイドを歩いていったらレストラン「ピラミッド」があったので、朝食をとることに。特に変わったところもない普通のビュッフェ。7時50分集合。イヤフォンガイドの説明があってから出発。

エジプト全土に97のピラミッドがあるとのこと。まず中でも代表的なギザの三大ピラミッドに向かう。カイロの少し南にある世界遺産。道路は、交通ルールを守らない人が多いとのことで混雑している。ナンバープレートもアラビア数字で、面白い。車内でガイドさんが民族衣装のガラベーヤを配ってくれる。私のはかわいい煉瓦色。

ピラミッド8時半頃到着。クフ王のピラミッドは思っていたよりも大きい。内部の写真撮影は禁止で、50メートルぐらい上るが、王の石棺と王の名前が刻まれたカルトゥーシュのある部屋があるだけという説明。下から階段を少し上がった所に観光客用の入口がある。中に入ると、鍾乳洞のような細い段を身体を折り曲げて上る。頭を何度もぶつける。途中からは天井は高くなるが、すごく長い上り階段。登り切った玄室というところに、確かに小さめの蓋のない空の石棺がひとつあるだけ。ミイラも壁画もレリーフも無い。また長い下り段を降りる。蒸し暑い。上って来る身体の大きな外人さんとすれ違うのが大変。30分ほどで狭い所から出てくると外の風が爽やか。



スフィンクス9時40分、バスで出発。国土の95%が砂漠とのこと。5分ほどで3つのピラミッドを見渡せる絶景ポイントに着き、先ほど車内で配られた民族衣装を着て記念撮影。筒型で洋服の上からすっぽりかぶると前身頃全面に刺繍がしてある。風が強い。続いてバスで移動して、クフ王の息子のカフラー王のピラミッドとそのまた息子のメンカウラー王のピラミッドへ。カフラー王の方は、天辺に石灰岩の外装が残っていて白い三角帽子をかぶったよう。メンカウラー王の方は財政難だったそうで、少し小さい。ラクダがのんびりと休んでいる。
続いて、カフラー王のピラミッドの正面に位置するスフィンクスへ。ひと口にスフィンクスと言っても200体もあるそうだが、ギザのはその中でも最大のもので長さが57メートル。しかも、一つの岩を彫ったものとのこと。スフィンクスの顔はカフラー王の顔だとか。風化が進み、鼻が欠けている。暑くなってきたが、風が涼しくて気持ちがいい。

11時20分、バスで出発。昼食のレストランへ。10分ほどで到着。メニューは、小皿に入った4種類の前菜とそれを付けて食べるアエーシ(ナンに似たパン)、白身魚のフリッターとカレー味のピラフ、デザートにグアバ。生のグアバは白くて軟らかくて洋梨のよう。種が固い。ミネラルウォーター500mlとコーヒーは10ポンド、ジュースは20ポンド。

パピルス


今度は、パピルスの専門店へ。パピルスは、緑色の長い三角柱のような硬い茎に松のような葉。その茎をスライスして水に一週間浸し、縦横交互に重ねてからまた一週間プレスするとできると、カイロ大学日本語科卒業のかわいい女性が流暢な日本語で説明してくれる。パピルス製品をいろいろ見て回る。




13時15分、バスで出発。カイロ市内の考古学博物館に向かう途中、サッカーのチケットを買う人達の群れに出会う。警察官もたくさん出ている。エジプトがワールドカップに出場できるかどうかという試合だそうだ。国民のサッカー熱はすごいとのこと。40分で着くとのことだったが、渋滞で75分かかり、14時30分にやっと到着。

考古学博物館
博物館は赤い壁のどっしりした建物。手荷物検査がある。写真撮影は禁止。詳しい説明を聞きながら歴代の王の石像を見て回るが、やはり何と言っても圧巻はツタンカーメンの黄金のマスク。ずっと以前に京都で見た時のことを思い出す。午後4時頃一時解散して自由時間。疲れてベンチに座って休む。

17時15分、バスで出発。またすごい渋滞の中、夕食のレストラン”CAVIAH”へ。1時間ほどで到着。メニューは、前菜、コフタ(エジプト風ミートボール)、バターライス、アイスクリーム。コーラやコーヒーは20ポンドあるいは4ドル。前菜はランチの店の方がおいしかった。コフタは肉がパサパサ。温かいフライドポテトと塩気のあるバターライスはおいしかった。また渋滞の中、20時を過ぎてホテルに帰着。明朝の出発が早いので、21時半には就寝。



■11/13   カイロ → アスワン → アブシンベル → アスワン

午前5時のアスワン行きのフライトのため、午前1時半起床。身支度を調え、スーツケースの準備をするが、片方のロックが効かなくて焦る。荷物を出してみたり、位置を変えてみたりするが、結局、ロック自体の位置が少しずれていることに気付き、ずれを戻してから押せば良いことが分かって、一安心。午前3時チェックアウトということでロビーに降りていったら、レストランにお茶の用意があるという。プールサイドをレストランの所まで行く途中でオリオン座が見えた。箱に入っているお弁当の中身をビニール袋に入れてもらうと、結構たくさんある。レストランの前でヨーグルトと紅茶だけ頂いてバスへ。

3時15分出発。カイロ空港へ向けて未明の街を走る。未明と行ってもヨーロッパの国々とは違い、明かりの煌々とついている店も多く、人の姿も見かける。モスクとその周りの壁がグレーにライトアップされていて素晴らしい。新しく建てられたらしいドーム型のモスクもある。レースのような壁面が中から明かりで照らされているのがきれい。

カイロ空港3時50分、カイロ空港到着。チケットをもらい、荷物を預け、セキュリティチェック。28番ゲートに移動して、またセキュリティチェック。搭乗を待つまでの間にランチボックスのパンを食べる。ジュースをセキュリティチェックのところで捨てて来たので飲物が無い。5時の便というのになかなか搭乗の案内が無い。並ぶ様子が見られたので並んでみたが、5時を過ぎてもまだ動きが無い。またベンチに座って居眠りしていたらやっと案内があり、5時30分搭乗。5時45分には動き出した。3列+3列の中型機。席は19JKで窓側。5時50分、夜明けで地平線がオレンジ色に染まってきた。




ナーセル湖
午前7時、アスワン空港に着陸。なかなかスーツケースが出てこなくて、だだっ広い所で待っていたら、カートに載せて届いた。
7時40分、バスで出発。やがて右手にナセル湖が見える。琵琶湖の7倍の広さでエジプトの7年間の水を賄えるとのこと。
8時、アスワンハイダムの記念碑のあるところに到着。ナセル湖は広くて海のよう。空も湖も真っ青できれい。アスワンの砂がエジプトで一番きれいだとのことで、バスを停めて砂を採取。ちょっと茶色くてキメが細かい。ラクダの形の瓶に入れるとよいとのこと。



切りかけのオベリスク8時半、アスワンの古い方のダムを通って、8時40分「切りかけのオベリスク」に到着。完成していたら、長さが約42m、重量約1170トンという世界最大のオベリスクになっていたはずとのこと。縦に亀裂が入ったため断念したらしい。横の切り目は、後にギリシャ人が試みたもの。やはり成功しなかった。王様がピラミッドではなく、オベリスクを作らせて、天辺をピラミッドの形にしていた。この切りかけのものが見つかったために作り方が分かったとのこと。ロンドンのトラファルガー広場に建っているものもエジプトから持ち出されたものなのだ。

9時25分、バスへ。昼食のランチボックスが配られる。香水のお店へ。香水の説明と瓶の説明があり、ウェルカムドリンクのサービス。熱い紅茶とハイビスカス茶。香水はいらないが、記念にピンク色の模様の入ったかわいい香水瓶を買うことにする(20ドル)。10時30分バスへ。道路沿いに煉瓦造りや石造りの家が見えるが、建築途中で放り出してあるようなのや廃墟のようなのや、人が住んでいるのかどうか疑わしいものもたくさん見られる。雨が滅多に降らないので建物も木々も埃で汚れている。


護衛の警察官アブシンベルに向かうバスは集合してから隊列を組んで警察に護衛され、午前4時、4時半、11時の3回出発することが政府によって決められている。砂漠の中を3時間、ひたすら行くとのこと。11時出発。私たちのバスにも最前列に銃を持った警察官がひとり乗ってきた。
12年前のテロ以来、エジプトは観光地のセキュリティに力を入れているとのこと。アスワンダムを走りながらイシス神殿のある島を望む。
11時半頃になると、あたりには家も木々も無くなり、小高い丘もなくなって、殆ど真っ平らなうす茶色の砂漠になる。



白い建物ここでお腹もすいてきたので、配られたランチボックスの中のハンバーガーとバナナを食べる。バーガーの中身は昨晩のお肉と同じようで硬かったのでゆっくり噛んで食べたが顎が疲れた。車内の冷房が効きすぎ。今日は一番南へ行くからと思い、薄着にしたが、戸外もそれほど暑くないので、半袖の上に綿のシャツを羽織っている。もとは川だったと思える跡や小さな丘のようなのが点在するところを過ぎる。時折、検問のような場所があり、止められはしないが蛇行してゆっくり通るようになっている。目的地に近づくに従って、道の両側には木や花が植えられ、建物も見えてくる。2時近くなると再びナセル湖が見える。



アブシンベル神殿
2時、アブシンベル神殿の近くに到着し、バスを降りる。陽射しがきつい。警察官の後について20分ほど歩くと、いよいよアブシンベル神殿が見えてきた!横から近づいていく・・・!期待していただけに、ピラミッドやスフィンクスよりもドキドキ!ワクワク!実は、ここに来たくて決めた旅行。長い間砂に埋もれていたが、アスワンハイダムの建設により水没することになり、ユネスコの呼びかけで、5年の歳月をかけ、1000以上のブロックに分けて移築されて水没を免れた。大神殿の正面にはラムセス2世の若い時から年を取った時までの像が左から右へ4体並んでいる。左から2番目は地震で崩れたとのこと。説明を聞いてから神殿の中に入る。写真撮影は禁止。左右に列柱が立ち、その奥の壁面にはきれいなレリーフ。ラムセス2世がアミン神に捧げものをしている図など。一番奥の部屋の4体の像のうち左端の闇の神を除いた3体に一年の内、10月22日と2月22日だけに陽が当たるようになっていたが、神殿が上に移築されたためにその日が一日だけずれたとのこと。
続いて小神殿へ。こちらの正面はラムセス2世とネフェルタリの像で内部は、こちらも、列柱とレリーフ。バスに戻る際、道を間違えてずいぶん遠回りしてしまった。

4時にバスで出発。また砂漠の中を3時間かけてアスワンに戻る。5時頃に夕暮れとなり6時には暗くなる。18時40分、アスワンに到着。夜の街は高い街路灯に照らされて不思議にきれい。

ナイル・クェスト号船室
19時、クルーズ船の乗り場に到着。ナイル・クウェスト号に乗船。木製の螺旋階段で2階へ。ソファーに座り、ウェルカムドリンクをいただく。冷たいハイビスカス茶がおいしい。ホテルに比べると天井が低いという印象。部屋は3階の310号室。きれいだが狭くて、スーツケースを奥に入れるのも一苦労。8時から夕食。ビュッフェだがお料理はまあまあ。デザートは甘すぎる。早々に部屋へ引き上げる。シャワーを浴びて10時就寝。

 


■11/14   アスワン → コム・オンボ → エドフ

午前7時起床。今日は、船内でお昼過ぎまでゆっくり。船室の窓を開けると、すぐそこに隣に停泊している船の窓があってびっくり。船は縦ではなく、横に並んで停泊しているらしい。出航するまで景色は楽しめない。
まずは朝食へ。パンもチーズもみんなパサパサしている感じ。生野菜には気をつけるはずだったのに、昨晩、キュウリとトマトを生でひと切れずつ食べてしまった!でも、今のところ、お腹は大丈夫。
トイレチップ用の1ポンドを添乗員さんに両替してもらう。トイレに行くと中は汚くて、サービスといえば、トイレットペーパーをちぎって渡してくれるだけ・・・。レストランやショップでもチップが必要。
ナイル・クウェスト号

5階のデッキに上がってみると、子供用プールほどの大きさのプールの周りにデッキチェアがたくさん並んでいる。ナイル川の眺めを楽しんだ後、ボーディングカードを受け取って船を降りる。下船口のすぐ外に馬車が何台も待っていて、客引きがしつこい。市内まで100ドルといっているらしい。隣の公園をぐるっと回って景色を見てから船に引き上げてきて、ロビーのソファにすわってゆっくりくつろぐ。




アスワンの市場

そのうち、タクシーに分乗してアスワン市内に出ることになり、大喜び。10時半ロビー集合で添乗員さんとガイドさんを含めた16人で出発。市場に着くと、一本道の両側にお店がびっしり並んでいる。「ミルダケ、タダ」と日本語であちこちから声が掛かる。商品には値札は付いていなくて、全て交渉だそうで、トライしてみよう! ツタンカーメンのマグネットの気に入ったのを見つけ、1ドルで買いたいと交渉してみるが、1.1ドルまでまけてくれたものの、それ以上はあとへは引かない。もういいと言って他の店を探すが、集合時間が迫ってきたので、もとの店に戻り、言われた値段で買おうと思うと、今度はすごく高い値を付ける。交渉してみたが、これは大きいとか石が付いているとか言って、30ポンド(600円)までしか下げないので、結局買わないことに。大した金額では無いのだが、交渉が成立しなかったことが悔しい。12時集合で、待っていた同じタクシーに乗って船まで戻る。往復で1人10ポンド。

1時から船内でビュッフェのランチ。3時半頃からガイドさんがデッキでエジプトの話をしてくれるというので、それまで部屋で、いとこと二人で海外旅行のよもやま話。2時に出航したのにも気付かないほど盛り上がった。3時半にデッキに上がりガイドさんを囲んで話を聞く。本当に日本語が上手で、今さらながら驚く。エジプトの日常生活のこと、宗教のこと、夫婦のことなど、質問にも答えていろいろ話してくれるので興味深く聞いていると、4時にティータイムになり、紅茶、コーヒー、クッキーなどが出る。

コム・オンボ神殿
4時半にコム・オンボに着き、隣り合って停泊している2艘の客船の中を通って下船。すぐ前にコム・オンボ神殿が見える。階段を上まで上がると、夕日が丁度沈むところ。雄大な夕焼けがきれい。壁画の説明を受けながら行くが、次々と船が着いて、人の波がどんどん増える。そのうち、あたりが暗くなり、ライトアップされた神殿が青い闇に浮かび上がる。その柱の太さはこれまで見たこともないほどどっしりしていて柱の数も多い。でも、ローマ人にかなり壊されてしまったとのこと。





コム・オンボ神殿 ライトアップ午後6時、船に戻ると、数人が帰って来ていないという騒ぎになり、添乗員さん達が探しに行っている間、ロビーで待つ。ほどなく全員帰ってきて一安心。暗い中を話に夢中になって歩いていて、どの船か分からなくなってしまったらしい。6時半に部屋に戻ったが、夕食は8時半からとのことでまた部屋でゆっくり。先ほど、すぐ隣に船が来ていたので、ずっといるものと思っていたが、ドンという何かがぶつかるような音がしたので、窓から覗いてみたら、もう私達の船が出航していてびっくり。静かで、揺れもせず、全く気が付かなかった。8時半から夕食。少しメニューが変わったが豆料理が多い感じ。

食後一旦部屋に帰ったが、9時半からガラベイヤ・パーティーとのこと。早めに会場に行ってしばらくソファーに座って待っていたが、みんなガラベイヤを買ったり借りたりして着ているようで、外人さんは顔にもペインティングをして集まってきている。私達は、そこまでテンションを上げられそうになかったので、明日の朝が早いこともあり、早く寝ることにして、始まる前に部屋に引き上げてきた。船はまだエドフに向けて航行中。シャワーを浴びてもう寝ようかという頃にエドフに到着し、他の船の横にくっついて停泊。河岸の夜景がきれい。午後11時10分就寝。

 


■11/15   エドフ → ルクソール

ホルス神殿
5時15分起床。今日は朝食前に観光。出発前に紅茶とコーヒーのサービスがあるとのことで6時過ぎにレストランへ。6時半に船を降りると、馬車がたくさん並んでいる。4人ずつ分乗してホルス神殿に向かう。いざ乗る段になって、馬車のあまりの汚さにびっくり。とても観光用とは思えない。20分ほどでホルス神殿に到着。壊されてはいなくて、きれいに形が残っている立派な神殿。でも、壁画の顔が削られている。空が真っ青で素晴らしくきれい。馬車に戻る途中の店でマグネットのツタンカーメンの気に入ったのを見つけて交渉の末、25ポンド(500円)で買う。また同じ馬車で船まで戻って、やっと朝食。



河岸の景色が変わってきたので、デッキに上がってみる。昼食まで自由なので、インターネットをやってみることに。10MBで約20分使えて40ポンドとのこと。Yahoo Japanを開くと、心配したとおり日本語は全て四角形(□)で表示され、全く読めない。クロアチアの時と違ったのは、ログインできたこと。文字は読めないものの、ボタンの位置から判断して、「メールの作成」を開き、アドレスは直接入力で入れて、何とか家族にはローマ字のメールを送ることができた。携帯のアドレス帳を見ながらの送信だったが、10時10分から12時近くまで使え、少しゲームをやってもまだ残っているぐらいたっぷり使えた。
ナイル川 水門

部屋に帰って窓の外を見ると進行方向に川幅いっぱいの水門が見える。デッキに上がって通り過ぎるところを見る。狭いところをすれすれに1艘ずつ通る。その先にもう一つの水門。こちらは、水位を下げて、船の高さを下げた上で通る。隣の船がみるみる下がっていく。私達の船も同様に下がり、無事に水門を通過。川幅の広い処へ出たところで一旦、部屋に戻り、1時半から昼食。




ナイル川を行く船


2時半からカルトゥーシュに象形文字の名前の入ったTシャツの販売を受け付けるとのことで4階に行く。見本を見せてもらいながら説明を受け、注文書をもらって部屋へ。しばらく外の河岸の景色の移り変わる様子を眺める。崩れたような家に電線が届き、上にパラボラアンテナが立っているのにビックリ。4時近くなったので、ティータイムのため、サンデッキに上がる。ツアーの人達が集まったところで、またガイドさんがエジプトの結婚にまつわる話をしてくれることになり、興味深く、しばし聴き入る。一夫多妻は認められてはいるが、しっかり面倒を見なければならないので、余裕のある人しかできないとのこと。


ルクソールの4時半、ルクソールに近づく。これまでとは違ったビルの建ち並ぶ街。たくさんの客船が停泊している。夕日がきれい。5時から船を降りて散策に。船着き場の上が川に沿って長い公園になっている。通りを走っている馬車は、私達が乗ったのに比べるとずっときれい。写真を撮っていると。「バザールまで1ドル」と声を掛けられる。乗る時は1ドルでも、降りる時には10ドルと言われるという話。恐い、恐い。お土産店からもしつこく声を掛けられ、30分ほどで船に帰る。船室の窓から夕焼けの茜色がきれいに見える。夕食は8時からとのこと。あと2時間もすることもないので、1時間半後に鳴るように目覚ましを掛けてぐっすり眠る。8時から夕食。その後、Tシャツの申し込み。明日はチェックアウトなので、早めに精算を済ませる。飲物とインターネットで23ドル。

タンヌーラ
9時半から4階でベリーダンスショーとのことなので、今日は参加しようと行ってみた。最初は、タンヌーラといって、男性がスカート状の布を円盤のように広げてクルクル回り続けるダンスで、よくあんなに長い間まわり続けられるものだと感心。衣装の色合いもきれいだった。続いて出てきたベリーダンスの女性は、お腹がたるんでいて、踊りも大したことはなくて、トルコで見た物の方がずっと見応えがあった。部屋に戻ってシャワーを浴び、11時過ぎ就寝。
 


■11/16   ルクソール

午前6時半起床。朝の景色を見ようとカーテンを開けたら、夜中に来たらしい大きな船がすぐ横に停泊していて何も見えず、がっかり。今日は船とお別れの日。スーツケースをドアの外に出してから船を降りて散策。対岸の空にカラフルな気球が5〜6個上がっている。7時から朝食。

カルナック神殿
8時にバスでルクソールの観光に出発。午前中は「生」を象徴する建物があるナイル川東岸の観光。まずはカルナック神殿へ。塔門を入ると、ヒツジの顔をしたスフィンクスの列像。そして、生と死を表すという2体のラムセス2世像。そして圧巻は列柱室。何百もの太い柱に壁画が刻まれている。人間の王様だったラムセス2世が、トト神(トキ)とホルス神(ハヤブサ)から洗礼を受けて神と同列に並び、アミン神から祝福を受ける図など、説明を受けながら行く。ラムセス2世の立っている足元の高さを見ると、神と同列になっていることが分かる。塀のところに積まれている泥煉瓦は、門を建築するときの足場として使われたものとのこと。金細工のお店に寄った後、ルクソール神殿へ。建て方の洋式は同じだが、ラムセス2世の奥様のための神殿とのことで、規模が少し小さい。今日は列柱ばかり見上げているので、首が痛くなるが、真っ青な空の下に立つ列柱は本当にきれい。





メムノンの巨像




またバスでナイル川沿いを走って昼食のレストランへ。メニューは、つぼ入りスープ、前菜、牛肉の煮込み、ケーキ、紅茶は15ポンド。牛肉の煮込みはタジンという片手鍋に入っていて、ご飯にかけて食べる。トマト味でおいしかった。
12時半にバスへ。午後は、ルクソール西岸の観光。西岸は死者の町と呼ばれ、サトウキビやトウモロコシの畑があるが、ホテルなどは無い。王家の谷に向かう途中、メムノンの巨像の前へ。後ろに立てられていた葬祭殿は壊れてしまい2体の巨像だけが残ったとのこと。不気味な感じ。またバスで行く途中に、吉村作治さんが研究に使っている早稲田大学の建物が見える。


やがて62もの岩窟墓があるという王家の谷に到着。バスを降りて、炎天下を20人乗りの白いカートに分乗して途中まで。そこから先は徒歩。写真撮影禁止なのが残念。まずは、ラムセス4世の墓。中に入ると、細長い通路の壁にも天井にもきれいに彩色された象形文字や絵がびっしりと描かれている。王様は呪文の力で再生できると信じていたとのこと。奥にはラムセス4世の石棺。15トンもあるとのこと。ラムセス2世の息子達の墓の入口だけ見て、ラムセス9世の墓へ。未完成だが保存状態は素晴らしく、これを見ると作り方が分かるとのこと。こちらも壁画で覆われていて、緑色は銅、赤は鉄の色。ラムセス1世の墓では、急な階段を降りた底にある玄室に、保存状態の良い極彩色の壁画と石棺がある。

続いてツタンカーメンの墓へ。ラムセス6世の墓の下にあったので、なかなか見つからなかったとのこと。4つの厨子の中に3つの人型棺が入っていたが、多くはカイロに運ばれ、ここにはミイラと木製の人型棺があるとのこと。急な階段を降りると、右側にツタンカーメンの木製の人型棺、左側にミイラ。保存状態が悪く、6割は腐ってしまったとのことで、白い布を掛けられて、頭部と足先しか見えない。お墓の中は蒸し暑く、外へ出ると陽射しがきつい。またカートで出口まで戻り、バスで2時40分に出発。

ハトシェプスト女王葬祭殿
手作りの大理石のお店に寄ったあと、ハトシェプスト女王の葬祭殿へ。お葬式のために一回だけ使われる建物とのこと。入口を入るとこちらもまたカートに分乗して近くまで行く。広い階段を上ると、2階部分は列柱の奥に赤いヘナの木などの壁画、3階部分には列像が並ぶ。

4時過ぎに出発。5時頃ホテルに到着。本格的なリゾートホテルで、部屋は広い敷地にコテージ風。A棟からX棟まであって、各棟に17室。建物の外周に各室のドアがある。私達はC-07号室。とても広くてきれい。

夕食は中華料理だったが、疲れて体調が悪いので、パスして部屋で寝ていることに。シャワーを浴びて9時半就寝。


■11/17  ルクソール → デンデラ → ルクソール → ギザへ

ホテルの敷地内からナイル川を望む
午前7時起床。敷地内のレストランに朝食を食べに行き、食後、広い敷地内を散策。青い空、心地よい風、とても気持ちが良い。プールやテニスコート、動物園まである。途中で同じツアーの女性二人と会って、一緒に回る。広い敷地なので、迷わないよう、マップを見ながら行く。動物園には、ラクダ、ロバ、羊、ワニ、ペリカン、猿、ウサギ、孔雀などがいて、スタッフが親切に触らせてくれたり、写真を撮らせてくれたりする。呼ぶと、大きなペリカン2羽が羽根を広げて走ってくるのが可愛い。動物園を出て、敷地内を歩いていると、今度は別のスタッフが、これはマンダリン、これはオレンジ、これはレモンと、実を取って、一人一人に渡してくれる。みんな笑顔で親切。


1時間余りゆっくり散策を楽しんだ後、ホテルの正面に回って、ロビーの土産物屋に入ると、ピラミッドの形をした珍しいスノードームが目に付いた。37ポンドとあったので、ディスカウントして欲しいというと、35ポンドにしてくれた。ホテルだからこんなものか。ドルで払いたいというと、7ドルとのこと。20ドル札を出すとおつりが65ポンド来た。汚いお札!!部屋で少しゆっくりしたあと、列車での宿泊に備えて、身の回りのものだけバッグにまとめる。


シシカバブ12時過ぎ、バスで出発し、ルクソールのレストランへ。メニューは前菜、穀物入りのスープ、シシカバブ、フルーツ(オレンジとバナナ)、コーラは20ポンド。シシカバブはお肉が硬くて味が無かった。軟らかくて脂っこくないものだけ少し食べる。


午後1時20分、バスで出発。デンデラに向かう。1時間半ほどとのこと。珍しい黄色のキョウチクトウの並木。所どころで検問がある。以前はルクソールからデンデラヘ行くにも、バスで隊列を組んで行っていたとのこと、鉄筋が上に出ている家をよく見かけるので、建築途中なのかと思ったら、一応完成していて、お金ができたら上の階を造るのだとのこと。



ハトホル神殿午後2時40分、ハトホル神殿に到着。ハトホル女神は美の女神だが、牛の姿も持っている。列柱室には24本の柱。今も青い色が残っていて、元はいかにきれいだったかと思わされる。修復はすすを取るだけで色は塗らない。ハトホル神はホルス神の奥様。祈りの歌声が聞こえる。素晴らしい響き。地下室へ降りると、壁画がきれいに残っている。壁画に覆われた螺旋階段を上がって屋上へ。神殿は泥煉瓦の壁に取り巻かれている。クレオパトラ7世の壁画を見る。ここにしかないとのこと。4時過ぎにバスで出発。また1時間半かけてルクソールに戻る。





6時前にルクソール駅近くのシェラトンホテルのロビーでナイルエキスプレスの説明を聞いた後、自由時間。ホテルの外のショッピンセンターを覗いていたら、エジプト綿のポロシャツを売っている店を見つける。男性用のポロシャツが1枚25ドルと言うのでお土産用に2枚買う。


ナイル・エクスプレス車内7時15分にバスで出発し、10分ほどでルクソール駅へ。外観は立派な駅だが、プラットフォームに停まっている電車は汚くて、窓ガラスに大きなヒビが入ったりしている。スーツケースは民族服のポーターさんが乗客用とは別の通路を通って運んでくれる。2本のプラットフォームに停まっていた3本の電車が次々と発車していっても私達の乗るはずの電車はなかなか来ない。1時間ぐらい遅れたり早かったりするのは当たり前とのこと。午後8時頃発車と言われたナイルエクスプレスが8時15分に入ってきた。2号車の17・18番は入口の近くの個室で良かったが、3人掛けの椅子と洗面台とコート掛けとタオルとごみ箱が付いているものの、狭い!スタッフが飲みものの値段表を持ってきてくれる。



ナイル・エクスプレス車内の夕食



午後8時半過ぎやっと発車。ギザに向かう。ゆっくりくつろげる環境でもなく、所在なく待っていると、食事が届いた。バターライス、魚と鶏肉の揚げたもの、パン、マヨネーズ風のもの、ケーキ、オレンジ、それに注文した紅茶(5ポンド)。魚とバターライスは食べられたが、油っぽいので少しだけでごちそうさま。温かい紅茶がおいしい。食事を片付けたあと、二段ベッドを作りに来てくれた。ガタン、ガタンと音をさせながら慣れた手つきで、ものの2分ほどで二段ベッド完成。狭いスペースで歯を磨いて、午後10時20分、お休みなさい。・・・とは言ったものの、よく揺れる上に、時々ガタンと勢いよく止まる。こんなひどい寝台列車ははじめて。でも、飛行機と違って体を伸ばして寝られることが有り難いと思い直し、何度か目は覚めたものの、結構よく眠った。

 


■11/18   ギザ → カイロ

午前5時頃、モーニング・ノックで目が覚める。あぁ、ここはナイルエクスプレスの車内。歯を磨き、下段のベッドでスーツケースを開いて着替えを済ませるとベッドを直しに来てくれた。6時40分頃にギザに到着予定とのこと。殆ど予定通りなのでホッとする。朝食が運ばれてきた。パンが3種類とパウンドケーキとバターとチーズ2つとジャムと紅茶。クロワッサンとパウンドケーキを少しだけ食べる。チーズが軟らかくておいしい。食事中、列車が停まっていたので、よかったと思ったものの、その後もなかなか動き出さない。1時間ぐらい止まってしまうこともあるとのことだったが・・・。朝食を片付けに来た人に1ドル(5ポンド)のチップ。

することもなく、窓の外の景色もきれいではないが、大きなリュックを背負った子供達が学校へ行く姿を眺めていると、7時15分になってやっと動き出した。・・・と思ったら、また止まってしまう。どういう理由でどのくらい停まるとかの説明も全くない。線路際で遊ぶ子供達や羊、アヒル、牛、ロバなどの家畜や、ロバの背に乗って行き交う人達、洗濯物を干す主婦などを眺めて過ごす。思いがけなく、エジプト人の日常生活をのぞき見ている感じ。ずいぶん経った頃、また動きだし、今度は順調そう。10時15分、丹野さんが、あと15分ほどでギザに到着と知らせてくれる。10時半、ギザで下車。9時間の予定だったのが何と14時間!長かった〜!丹野さんの経験でも、5時間も遅れたのは最長とのこと。しかも、理由の説明もなく、怒る人もいないのがエジプトらしい・・・。


赤ピラミッドギザ駅前でバスに乗ると、先日、船内で注文しておいたTシャツが配られる。エジプト文字で名前が入っている。ダハシュールに向けて出発。クフ王のお父さんが造らせた屈折ピラミッドは、高過ぎると崩れてしまうことがわかり、途中で計画を変更したため、傾斜が変わったとのこと。赤ピラミッドは、赤砂岩で覆われていたそうだ。赤ピラミッドは内部に入ることができるが、中はクフ王のピラミッドと同じとのことなのでパス。入口の所まで上って周りを見渡すと軍事施設がある。エジプトには徴兵制があり、大学卒業者は1年、高校出は2年、学校に行かなかった人は3年と決まっているが、ガイドさんはコネを使って行かなかったとか。





ラムセスU世の巨像続いて、メンフィスのラムセスU世の巨像へ。横たわっている上に、大きすぎて、写真1枚に入れることができない。この場所には神殿が建てられていたが壊れてしまったとのこと。巨像のある建物の外は野外博物館になっていて、アラバスター(雪花石膏)でできたスフィンクス、花崗岩でできたラムセスU世の立像などがある。

昼食のレストランに向かう途中、道路脇の店の入り口に大きな生肉の塊が吊り下げられ、それを切り取って量り売りしている光景を目にする。
昼食のメニューは、前菜、パン、ファッタ料理、オレンジ、紅茶は15ポンド(3ドル)。ファッタ料理は、お祭りの時に食べる特別な料理だそうで、パン、ご飯、ソースという三層からなっているとのことだったが、バターライスにトマトソースを掛けたものとお肉という感じで、ちょっと期待はずれ。

階段ピラミッドその後、サッカラの階段ピラミッドへ。4700年前に造られた世界で一番古いピラミッドで、神殿、葬祭殿などとまとめて「ピラミッド・コンプレックス」と呼ばれる。葬祭殿の列柱を抜けると広い中庭に出て、そこに階段状のピラミッドがある。サッカラは絨毯作りが盛んで子供達は普通の学校に行くほかに絨毯学校にも通うとのこと。3時半にイクナトン・カーペット・スクールに到着。階下で先生や生徒が作業をしているところを見学して、その後、2階の展示場へ案内される。先生が作ったものは写実的で絨毯とは思えない色鮮やかさ。素晴らしい。完成までに三年ぐらいかかるものもあるとのこと。




4時10分にバスに戻り、ホテルへ向かう。ガイドさんによると、今日は午後7時からエジプトとアルジェリアのサッカーの試合があり、ワールドカップに行けるかどうかが決まる大事な試合なので結果が心配とのこと。そのせいで、カイロの街はすごい渋滞で車がちっとも動かない。そのうちクラクションの合唱となり、人も、車の間を臆せず渡っていく。国旗を持ったサポーターの群れが、何処へ向かうのか走っていく。試合は、スーダンであるというのに・・・。ホテルまで1時間の予定が、1時間半以上かかって5時45分にやっと到着。ラムセス・ヒルトンホテル、さすがに立派。部屋は422号室。広くてゆったり。しかもナイル川に面していて、夜景が素晴らしい!

6時15分集合で夕食のレストランへ。6時40分、”シーホースクラブ”に到着。メニューは、前菜、パン、ターメイヤ(そら豆のコロッケ)、肉料理、フルーツ。肉料理は薄い肉が棒状に巻いて焼いてあるもので、軟らかくておいしかった。ターメイヤは予想に反し、カリカリで、硬い。ご飯はニッキ味でビックリ。

サッカー観戦中お店のテレビで7時半にサッカーの試合が始まったのを見て、バスへ。街中では、あちこちで何十人もの人が店の外にまで立って店内のテレビを見ている。ホテルに戻ってから、すぐ前のショッピングセンターに行ってみる。ほとんどが靴屋なのにはビックリ。店の人はみんなテレビのサッカーに夢中。店を空けてテレビのある店に行ってしまっている。土産物屋をひとまわりして店を出るとき、お客さんが来たと思って店に戻って来ていた店主から、「日本人は見るだけ! 買わない!」と嫌味を言われた。このサッカー熱は日本の比ではない。お店の中でも、前の通りでも至る所でみんなテレビにかじりついている。きっとガイドさんも今頃は自宅でテレビの前にいることだろう。

今日は、街の中で、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットの店が見られた。車はエジプト国産のものは無いとのこと。ベンツやシボレーなどに混じって、トヨタ、三菱、日産、ダイハツなどが目に付く。関税は高いとのこと。
部屋に帰るとナイルタワーに青い照明がついていてきれい。シャワーを浴びて10時前に就寝。

 


■11/19    カイロ → アレキサンドリア → カイロ

午前4時45分起床。今日は、アレキサンドリアまで遠出のため、早起き。外は少し朝靄がかかっている。朝食は6時からという事だったが、10分ほど早く言ってみたらもう始まっていた。柿が出されていたのが珍しかった。


料金所6時半にバスで出発してアレキサンドリアに向かう。3時間半ぐらいかかるとのこと。肌寒い。市街地を抜けると、田園風景。地面に近いところに靄がたちこめて、幻想的な風景。
高速道路の料金所にも壁画があったりして、何だか遺跡のよう。バスの温度計は18℃。高速道路の周辺の砂漠を緑化するため、政府が大学の卒業生に土地を安く売り、果物を育てて収穫したら土地代を政府に返すシステムを作ったとのこと。2時間走った頃、トイレ休憩。レストランだが動物の曲芸も見せる店らしく、店頭の檻の中に虎がいる。店内に入ると、天井から色々なものが下がっていて奇妙な雰囲気。水槽には鯉がいる。女性が大勢でパンを焼いている。トイレの前にいる笑顔のかわいい女の子にチップ1ポンドを渡すと、トイレットペーパーを切ってくれる。

9時にバスで出発。ガイドさんの話を聞きながら行く。煙突がたくさん立っているが、焼成煉瓦工場のものとのこと。16年前に大地震があり、古い建物だけが崩れた。その後、地震は2〜3回はあったが、めったにないとのこと。昨日のサッカーの試合は、0対1で負けてしまったそうで、そのせいで今日はエジプト人はみんなおとなしいとのこと。
エジプト人は、約束の時間より30分遅れても、まだ遅れていないという感覚。そのため、ガイドさんは、日本に行ったとき、新幹線が時刻通りに着いたことにショックを受けたとのこと。エジプトはサッカーよりハンドボールが強い。ゴルフ場はカイロに3つぐらいあるがアレキサンドリアには無い。ゴルフはお金持ちのスポーツ。野球はしない。エジプトの産業は農業、観光、スエズ運河、天然ガス。工業はあまり発達していない。東芝、シャープ、日産の工場がある。食糧自給率は60〜70%。小麦は一部輸入。ナツメヤシの実には体に必要な物がほとんど入っているが、カルシウムは入っていないので、牛乳と一緒に食べるとよい。鳩料理は、エジプトの名物料理だが、鳥インフルエンザのせいで観光客には出さなくなった。一般的に朝食は、パン、チーズか卵、ターメイヤ、そら豆、紅茶ぐらい。昼食は、牛肉、ご飯、野菜(タジン料理)を食べたら、翌日は、野菜、サラダ、ご飯だけ。牛肉は1キロが1000円もするので、約半数の人達にとっては、月に1回ぐらいしか買えない。骨だけ買ってスープを作る人もいる。魚はもっと高い。魚や鶏肉も月に1回ぐらい。夕食はパンとチーズかヨーグルトぐらい。学校給食は以前はあったが今は無い。平均寿命は男性が67〜68歳、女性は70歳。テレビ、冷蔵庫は普通の家にあり、洗濯機も95%ぐらいが持っている。お風呂の習慣は全く無く、全部シャワーとのこと。

9時半を過ぎて、アレキサンドリア市内に入る。アレキサンダー大王がエジプトを占領し、当時ルクソールにあった都を地中海沿岸に移したとのこと。
9時50分カタコンベに到着。内部の写真撮影が禁止なので、門の所の写真だけ撮る。最初の玄室はお金持ちの三人家族のもので、ミイラにして埋葬されている。その後、一般人は火葬した後、家族ごとの骨壺に埋葬したそうで、エジプトにはお墓参りの習慣もあるとのこと。10時半にバスへ。


間もなくポンペイの柱に到着。3世紀のローマ時代にディオクレティアヌス皇帝への感謝のために作られたもので、ポンペイとは時代が違う。元は、高い柱の周りに400本の柱が立っていたとのこと。地下の書庫とサンクチュアリーも見学した後、11時20分にバスへ。

バスの温度計は20℃。陽射しがきついのでもっと暑いように感じる。アレキサンドリアの街もカイロと同様にくすんだ印象。古い路面電車が走っている。道路には衣料品、材木店、車の部品屋さん、照明器具やさんなど、同じ種類の店がまとまってずらーっと並んでいる。広い通りに出ると、モハメッド・アリの像、無名兵士の墓。
やがて地中海に出て、カイトベイの要塞が見える。ここは写真撮影のみ。地中海は思いのほか波が荒い。

12時にバスに戻り、昼食のレストランへ。メニューは、前菜、スープ、ヒラメのグリル、イカのフライ、パン、デザートはパイ、紅茶は15ポンド。昨日おつりにもらった汚い0.5ポンド札を使う。魚料理は癖がなくて食べやすかった。

12時40分にバスで出発。アレキサンドリア図書館の前で写真タイム。斜めになったガラス張りの屋根からの自然光で本が読めるとのこと。

貴族の夫婦
午後1時、アレキサンドリア博物館へ。女性の墓碑、メデューサのモザイク、アレキサンダー大王、貴族の夫婦、ミイラ、ガラス細工などを見る。午後2時バスへ。アレキサンドリアの街がカイロと違うところは、木々の葉が青々としていること。年に何度かは雨が降るということなので、そのせいか埃で汚れていなくて、緑が青空のもとでてもきれい。カイロのタクシーは白黒だったが、ここは黄色と黒。

ナツメヤシのチョコレートコーティングしたものが15ヶ入りで13ドル、ピラミッドのチョコも30ヶ入りで13ドルということだったので、味見してから、ナツメヤシを8箱注文。また3時間あまりかけてカイロへ戻る。4時頃、カイロまであと1時間というところでトイレ休憩。道路まで戻ったところに珍しくスーパーマーケットがあるのに目を付け、みんなでガイドさんに交渉して時間を10分だけもらい、店内へ。でも、本当に日常生活用のものしか無くて、ナツメヤシの干したのやピスタチオなどを買った人もあったが、めぼしいものは見つからなかった。車内でTシャツ代の集金。3枚で5000円。


5時、真っ赤な大きい夕日が地平線に沈んでいく。カイロ市街に近づくと渋滞が始まる。明日の金曜は休みなので、木曜の夜は一番混むとのこと。車線は無視し、狭いところへ割り込んで、すれすれの所を通る。免許は18歳から取れるが、ルールを知らない人が多いとのこと。渋滞があまりにひどいので、予定を変更して先にレストランに行くことに。夜の街は賑わっている。

6時15分、やっとレストランに到着。エジプト風イタリア料理店。敬虔なイスラム教徒が経営している店なのでアルコールは出ないとのこと。メニューは、スープ、ポテトサラダ、ローストビーフ、トマトソースのスパゲティ、デザートはケーキ。ジュースやコーラは25ポンド(5ドル)、紅茶は20ポンド(4ドル)。スパゲティは柔らか過ぎて切れ切れ。スープはまあまあだったがケーキは甘すぎて食べられなかった。午後7時15分、バスへ。渋滞しているので、ホテルまで1時間ぐらいかかるとのことだったが、少し解消したらしく、20分ぐらいで到着。注文したチョコレートを受け取って、一旦部屋に帰る。窓から見えるナイルタワーが丁度点灯するときで、色がカラフルに変わってきれい。荷物を置いてホテル内外の写真を撮りに行き、シャワーを浴びて10時就寝。

 


■11/20   カイロ → 成田

午前6時半、起床。外はやはり朝靄がかかっている。スーツケースを早めに出して朝食へ。昨日は急いで食べたので今日はゆっくりと思ったが、それほどたくさんは食べられない。男性のウェイターが上司の女性に何度も注意されているのがおかしい。食後外へ出てみると、正面玄関にイケメンのドアボーイ。気軽に一緒に写真を撮ってくれた。ひとまわりして部屋に帰る。お財布の中を見ると、残りは、10ポンド紙幣1枚と、1ポンドコインが3枚。コインはトイレチップに残して、10ポンドはちょっと多いけれど、お掃除の男性スタッフの愛想がよかったので、ピローチップに。

アズハル公園
8時50分、バスでヒルトンホテルを出発。今日の午前中はカイロ市内の観光。今日は金曜日で、イスラム教徒のお休みの日。団体礼拝があるとのこと。日曜日は平日だそうだ。まずは以前はゴミ捨て場だったのを整備したというアズハル公園へ。公園が開く9時の3分前に到着。エジプトでは、終了時刻が早まることはあっても、開始時刻が早まることは無いとのこと。開園すると、まずは展望台へ。何となく、煙っているような景色だが、360度のパノラマが広がり、モハメッド・アリ・モスク、ソルタン・ハッサン・モスク、オールド・カイロ(昔のダウンタウン)などが見える。風があって、肌寒い。長袖を着て来ればよかった・・・。お花や緑の木々、噴水がきれいな園内を回る。

モハメッド・アリ・モスク
次はモハメッド・アリ・モスクへ。城壁の中にある。トルコのブルーモスクと比べると、外観はブルーモスクの方がきれいだが、内部はこちらの方がきれい。靴を脱いで入る。複雑な丸天井の装飾が美しい。エジプト人の85%がイスラム教徒で、あとはキリスト教徒とのこと。イスラム教徒は1日に5回の礼拝を守るが、体を浄めてから10分ぐらいかかるとのこと。モスクの中で輪になって座り、ガイドのラムさんからイスラム教についての詳しい話を聞く。




ハーン・ハリーリ市場

11時15分にバスで出発。ハーン・ハリーリ市場へ。買い物スポットとのことで、11時半から1時間ほど市場の中を散策。幅の広い通りも狭い通りもある。
エル・アズハル・モスクの中ではメッカに向かって大勢の男性が礼拝中。モスクに入りきれなかった人達は外に敷かれた敷物の上で礼拝。大音量のスピーカーでコーランや説教があたりに響き渡っている。12時半少し前に礼拝が終わると、モスクの中の人も外の人も一斉に動き出して、モスクの前はすごい人の波。12時半にバスへ。休日なので、人が集まるところには警察官が大勢出ている。
お船のレストランに到着。エジプトで最後の食事はビュッフェ。パンと、キャベツの刻んだのがおいしかった。

午後1時45分バスへ。とうとうカイロ空港へ向かう。40分ぐらいとのこと。ナイル川もこれで見納め。
10年前は砂漠だったカイロ郊外に新しいマンションが建てられている。400万円から800万円ぐらいで、分割で買うとのこと。

カイロ空港
午後2時20分、カイロ空港に到着。ここで、旅行中ずーっとお世話になったガイドのラムさんとお別れ。グループでチェックインして搭乗券をもらい、出国。搭乗開始は午後5時なので、まだ時間はたっぷり。免税店を回っても時間が余り、G4ゲートの近くまで行って、ベンチに座って過ごす。そのうち空港のスタッフが、ゲートが開いたことを知らせてくれたので、またセキュリティチェックを受けてG4ゲート前に入る。ところが、飛行機は着いているはずなのに搭乗予定の5時を過ぎても搭乗の案内は無い。結局、5時50分になってやっと搭乗。予定を30分過ぎてから動き出した。最後までエジプトらしい。


席は、2列+4列+2列で、中の4列の右の通路側。34のFとG。トイレのある仕切りのすぐ前なので、シートの背もたれを思い切り倒せるのがうれしい。長々と滑走路を移動した後、午後6時40分にやっと離陸。スピードを上げて滑走する時のガタガタのひどいこと。よほど舗装が悪いのか。このあと11時間半ほどで成田着とのこと。午後8時頃夕食。胃の負担になるようなものは食べないことに。バターライスがおいしかった。カイロからの便なのにウーロン茶や日本茶が用意されている。眠ろうと思うが首筋が痛くて頭痛がする。途中で頭が前に傾くせいだと気付き、枕を肩の後ろに当てるようにしたら、少し楽になった。夜中にパウンドケーキが出たが、今度は食べなかった。

 


■11/21  成田

食事が出るとの案内で目が覚める。手元の時計で午後4時。7時間進めて、午前11時に。もう中国上空も過ぎて黄海に入るあたり。この席は、トイレのフラッシュの音がうるさいのが良くなかった。あと2時間ほどで到着。食事が出るが、これは・・・昼食か。食欲は無いが、コロッケらしいものを一口食べてみたら、エジプトの味・・・。パンを少しとチーズを食べてごちそうさま。機内で飲んだグアバジュースとマンゴージュースはどちらも香りが青臭かった。
午後1時15分、無事に成田空港に着陸。

壮大な歴史を肌で感じることができた旅だった。日本語が上手で知識の豊富なガイドのラムさんのお陰で旅がより一層楽しめた。感謝。

チケット

クフ王ピラミッド入場証明書とチケット類

チケットの意匠やサイズが揃っているのが
素晴らしい。