カナダ旅行記

(ナイアガラ、イエローナイフ)

●1日目<20053月5日(土)>

午後2時半、成田空港に着き、E70ゲートから搭乗。全日空との共同運航便だが、機材はエア・カナダ。前日の雪の影響で2時間近く遅れてやっと飛び立った。乗務員も平常より4名少ないとのこと。
トロントまでの飛行時間は11時間15分、時差はマイナス14時間。エア・カナダの食事は、メインディッシュと小さなパン、サラダかデザートという簡単なもので、コップやデザートの容器は使い捨てのようだ。
トロント空港1
トロント空港2 午後4時20分、雪のトロント空港に着陸。イミグレーションでは厳しくいろいろ聞かれ、帰りの航空券とクレジットカードを見せてやっとOK。やっぱり添乗員付きのツアーのようにはいかない。
<ナイアガラ>

空港を出ると、旅行社の現地係員の運転する車で暮れて行く中を走り、1時間半ほどでナイアガラの街に入ると、今夜のホテル“シェラトン・オンザ・フォールズ”へ。
さすがは重厚さの感じられる雰囲気。部屋は960号室。
普段の旅行で泊まる部屋の倍ぐらい広くて、ワインカラーが基調のステキな部屋。ふかふかのダブルベッドに羽毛枕が4つずつ。
ホテルの名前のとおり、ベランダからすぐ目の前に、カラフルにライトアップされた滝が見える。
シェラトン・オン・ザ・フォールズ
マンマ・ミーア 「1万円=107カナダドル」のレートで両替してもらってから、教えてもらった“マンマ・ミーア”というイタリアンの店へ夕食を食べに出かける。夜の戸外はさすがに寒い。注文したパスタは柔らかすぎてもうひとつだったが、パンとコーヒーがおいしかった。

店を出てにぎやかな坂道を滝の見えるところまで降りてくると、滝のライトアップの色が刻々と変わることがわかった。暗い中でも滝が流れている様子も見える。滝の音はもっと大きいかと思ったがそれほどでもない。目の前の幅広いのがアメリカ滝。右の方の馬蹄形のがカナダ滝。左に見えるのがアメリカとの国境にかかるレインボーブリッジ。寒いのでマフラーで顔を覆って歩く。10時半を過ぎてホテルに帰り、シャワーを浴びる。

長かった一日、24時間+14時間も終わって、現在12時過ぎ。おやすみなさい。

ナイアガラの町の夜景
アメリカ滝 2日目<3月6日(日)>

6時半起床。曇り。
7時半からホテルの13階のペントハウスでビュッフェの朝食。アメリカ滝の真ん前の窓際の席で眺めは最高。部屋から見るのとほとんど同じ景色だが、こちらの方が4階分高い。


9時にガイドの男性が迎えに来て、中型のバンで出発。滝に添った道路をカナダ滝の先まで行き、浸食を防ぐために水量を調節している水門を見る。水の力で浸食され、滝がどんどん後退しているとのこと。

次にテーブルロックへ行き、小さな窓越しに水しぶきを浴びつつ真横からカナダ滝を見る。一度強い風が吹きこんで、カメラも上着もびしょ濡れ。他の通路は氷でふさがっているため滝の裏側には回れなかった。
上に上がってカナダ滝を間近に見ると水のパワーに圧倒される。アメリカ滝は滝壺が無く水煙があまりあがらないので全体がよく見える。
カナダ滝
ナイアガラのホテル群 滝の周りの建物の色も滝の水の色に統一されていて美しい。

ワールプールまで行ったが、水量が減っているそうで、渦巻きは見られなかった。公園の管理には税金は使わず、観光客の落とすお金ですべて賄われているとのこと。

昼食後は、北アメリカで一番かわいい町と言われるナイアガラ・オン・ザ・レイクへ。時計台の正面の通りの両側にかわいい建物が並んでいる。クリスマスデコレーションの店、おもちゃ屋さん、ブティック、パン屋さん、絵画店など。1時間近い自由時間があったが、お店を見て回っているうちに時の経つのを忘れてしまった。

ナイアガラ・オン・ザ・レイク

レインボーブリッジの上から

ホテルに戻ってから、レインボーブリッジを渡りに行く。歩行者用の入口から入ると、改札口のようなところに50セント入れて一人ずつ通るようになっている。

橋の中程まで行くと、二つの滝がよく見えて絶好のカメラアングル。国境を示すパネルを越えてアメリカ側まで行き、イミグレーションのような建物の中を外から見ただけで引き返した。出るときには簡単だったが、帰ってくる時にはパスポートの提示を求められ、いろいろな質問も受けた。やはり国境・・・。

夕食は車で30分ほどの“Maries”というお店へ。サラダとガーリックトーストに続いて真っ赤なロブスターが登場すると、その大きさにビックリ!食べやすくさばいてくれたが、身がプリプリ。ポテトとブロッコリーの付け合わせもあって満腹。

帰途、ライトアップされた滝を見ようとテーブルロックへ行ったが、水煙が雨のように降りかかってきてびしょ濡れになってしまった。

12時就寝。明日はイエローナイフ入りだ。

シーフード・ダイニング・マリーズ
エドモントン空港 3日目<3月7日(月)> 

午前4時起床。5時に車の迎えが来て、1時間余りでトロント空港に到着。新しい空港ビルはまだ暗い中で煌々と輝いている。エア・カナダのカウンターでエドモントン経由イエローナイフ行きの搭乗手続きをする。セキュリティチェックはやはり厳しかった。ゲート付近まで行ってからスターバックスで朝食を取り、8時過ぎに搭乗。機体は小さめで2列+3列の座席。8時半を過ぎた頃に飛び立った。エドモントンまでの飛行時間は約4時間。到着予定が10:42となっていて計算が合わないのは時差が2時間あるため。9時半ごろ飲み物のサービスが回ってきて、アップルジュースを頼むと続いて食事。オムレツかワッフルだというのでワッフルを頼んだが、甘過ぎる上にお腹がすいていないこともあり、フルーツだけで済ませた。時計を2時間遅らせる。

10時半過ぎエドモントン空港に着陸。外は雪に覆われた畑か牧草地。降りると旅行社の男性が来てくれて乗り継ぎの手続き。今度は白熊のマークのカナディアン・ノースという航空会社。3列+3列の座席。ぱらついていた雪が本格的に降り始めた。11:30離陸。ケベック州ではフランス語が公用語とのことで、空港の掲示もアナウンスもみな二カ国語で行われている。飲み物を断ると次はまた食事。チキンとバイソンだというので、バイソンを頼んでみた。牛肉と大差ないような感じだったが、やはり食欲なし。

機上より
イエロー・ナイフ・イン イエローナイフ

眼下に白い雪に覆われた真っ平らな大地が現れた。そろそろイエローナイフに着陸とのアナウンス。降りるにつれ、木々がびっしり生えているのが見えてきた。やがて雪原の中に着陸。イエローナイフの空港ビルはシンプルな造り。
宿泊予定のイエローナイフ・インのシャトルバスが迎えに来てくれて、10分ほどでホテル着。部屋は202号室。飛行機の乗り継ぎで疲れたので、ひと寝入り。

元気を回復したところで、ブーツに滑り止めを取り付け、オーバーズボンをはき、首の回りもしっかり防寒して、イエローナイフの街の散策に出かける。外気温はマイナス13℃。湿度が低いので雪はさらさらしていて握っても固まらない。歩くとキュッキュッと片栗粉の上を歩いているよう。郵便局、裁判所、軍の建物などがある。ブルーの壁の建物が雪に映えてきれい。

スーパーに入ってみると、アメリカ的なカラフルで甘そうなお菓子やサイズの大きい食品がたくさん並んでいる。

イエローナイフの街
夜のイエローナイフ1

部屋に戻ると丁度電話が鳴り、レンタルの防寒具を届けるとのこと。最高級のダウンが入っていて1着5万円もするという、えんじ色のジャケットと黒いズボン、フェルトのインナーの入った大きな重いブーツ、手袋、顔用マスクの5点セットが届いた。

その後、このホテルに続くショッピングモールを見てみようとまた出かけた。まだ6時前なのにもう店は閉まりかけていた。全部回ってから、いざ帰ろうと思ったら、なんと来た方向のシャッターが閉まっている! 地図で調べて、ホテルの入口に一番近い出口から一旦外へ出て急いで入ったが、薄着で出かけていたので、危うく凍えるところだった。

午後8時15分、防寒服に身を包んでロビーへ。防寒服の下は化繊の下着だと汗が冷えたときに寒いので、木綿のものがいいと聞いて、あったか肌着を買い込んで来たが、防寒服の下には着込む必要は無いとのこと。そして実際に身につけたジャケットと靴の重さにビックリ。まるで筋トレのよう。

いよいよ、オーロラ観測に出発。三つのホテルからピックアップされた30人ぐらいが黄色い旧式のバスに乗り込んで観測地点“オーロラ・ビレッジ”に向かう。30分ほど走ってバスを降りると、真っ暗な中を懐中電灯の明かりを頼りにスタッフの後について行く。やがて円錐形の“ティービー”という原住民の住まいを模した大小のテントが数個並んでいる場所へ。その中は明るく、薪ストーブがたかれていて、テーブルと椅子が並んでいる。

まず本日初参加の私たち4名は施設の案内を受け、予約しておいた「オーロラこたつ」のある場所へ。重い靴で雪の中を歩くだけでも大変なのに、坂を上がった小高いところにある。
ティービーと防寒着
オーロラこたつ

オーロラこたつ」とは、四角い箱の中にリクライニング型の二人掛けの椅子があり、下からバーナーで温めているので、極寒でもオーロラの出現を暖かく待てるというもの。こたつの外に片足を出して雪面を蹴ると、360度回すことができる。顔だけ出しているので寒くて痛いように感じたが、今日は気温も高く風も無いので、慣れると寒さもあまり気にならなくなった。

オーロラは星が見えるぐらい空が晴れないとよく見えないとのこと。ぼんやり見えていた星も一時は全く見えなくなっていたが、やがて白い帯が現れたかと思うとだんだん太くなり、どんどん伸びて、やがて縦にも伸び、カーテン状になったり速いスピードで移動したりし始めた。色は白っぽくてカラフルではないものの、天空を横切るほどスケールの大きいものが、少なくとも三度は出ては消えた。

11時から夜食ということで下のティービーに降りて行くと、ウインナーとパンとお茶が出た。5日目でやっとオーロラに会えたという人もあり、私たちの運の良さに感激。1時にバスでホテルに帰着。お疲れさま。

4日目<3月8日(火)>
8時起床。センターモールの中のハンバーガーショップ“A&W”に朝食を食べに出かける。柔らかいクッキーとたっぷりのコーヒーで済ませ、おみやげ屋を見てから部屋に戻ってひと休み。
12時からモールの中の“L’atitude”で昼食。メニューはカリブー(トナカイ)のラザニア、サラダ、アイスクリームとコーヒー。カリブーは粗めのミンチになっていて歯ごたえがあり、おいしかった。
ラティテューズ
バイソン 13:45集合で市内観光へ。また黄色いバスが迎えに来た。スクールバスとしても使われているとのこと。
まず訪れた州の議事堂では、イヌイットなど19種類の言語に同時通訳しながら議事が進められているとのこと。
続いて行った博物館にはイギリスのチャールズ皇太子の称号であるプリンス・オブ・ウェールズという名が付けられていて、カナダに生息している動物の剥製がたくさん展示されていた。
次にグレートスレイブ湖へ。湖は一面真っ白な雪原。12月中旬から4月中旬までは湖面が凍結して氷の厚さは1.5mにもなり、32t(バス2台分)の重さに耐えられるとのこと。バスに乗ったまま湖の上まで行き、氷面を見ると少し奥まで透き通って見える。 グレートスレイブ湖
ギャラリー・オブ・ミッドナイト・サン 続いてオールドタウンと呼ばれる地域へ。永久凍土が溶けたり凍ったりを繰り返すうちに地面が傾いてくるとのことで、傾いているログハウスもある。
近くの鉱山で採取されるダイヤモンドを売る店に寄ってから4時頃ホテル帰着。

すぐには部屋に帰らずホテルの横の広いフランクリン通りを散策し、珍しいものを見つけては写真を撮って歩く。

道の反対側をホテルまで戻ってくる頃には足の先が冷たくなった。例年より温かいとはいえ、だいぶ慣れたとはいえ、マイナス10℃はやはり寒い。

今日は薄曇りだが、オーロラは見えるのだろうか・・・。

フランクリン通り1
ティービー内部 午後8時前からまた防寒服を着込む。準備が大変。8時15分にまた黄色いバスで出かける。ガイドは、シオミさんとナオキさん。
今日はホテルごとにティービーに分かれ、紅茶をいただいてから、オーロラこたつへ。カンテラと懐中電灯の明かりを頼りに坂を上がっていくと汗ばむほどで、こたつの中に入る気がしない。雲があるらしく星も見えないので、今日はオーロラは無理かも・・・。
写真を撮りあってから下に降りてティービーでホットチョコレートをご馳走になる。これはおいしかった。
ナオキさんが指笛の鳴らし方を教えてくれた。オーロラの色が良くなるそうだ。できそうもないと思いつつ練習してみたらそのうちいい音で鳴らせるようになったので感激。
11時からの夜食はバノックという原住民のパンと魚のチャウダー。珍しい赤い塩を入れて食べたら温かくてとてもおいしかった。外へ出てみたら林の上あたりがボーッと明るくなっていた。だんだん広がるような気がしたので見ていたが、やがて消えてしまった。
またティービーに戻り、ナオキさんと旅行の話をする。彼はガイドをしながらニュージーランド、オーストラリア、カナディアンロッキーなどを移り住んでいるらしい。「最終的にはカナダで永住権を得たいと思っているが、ツアーガイドはもう充分人数が足りていて駄目らしいので、中国でマッサージ師の資格でも取ろうかと考えているが先立つものが無い」というような話とか、「オーストラリアの英語はカナダでは通じない」とか、いろいろと話を聞かせてくれて面白かった。
今日はとうとうオーロラは見られず、夜中の12時半に現地を出て、1時にホテル帰着。明日に期待しよう。
カンテラ
フランクリン通り2 5日目<3月9日(水)>

8時起床。外は雪!昨日と同じ“A&W”で朝食。

無料で使えるパソコンがあると聞いたモールの2階の図書館へ。4〜5台のパソコンが並べられている。聞くと「30分間使って良い」とのことだったので、Yahooメールで日本宛に何通か送信。

外を散策してから昼食。イエローナイフでは各国の料理が食べられる。フランクリン通りのベトナム料理の店でフォーを食べてみた。なかなかおいしかった。

今日は昼間から防寒服に着替え、12:25ロビー集合。バンでオーロラ・ビレッジに向かう。これから犬ぞり体験
今朝からずっとさらさらの粉雪が降り続いているので雪景色がとてもきれい。その割に気温がマイナス8℃なので寒くない。
ドライバーさんによると、イエローナイフとしては5月の気温で異常だが、犬ぞりは楽しめるだろうとのこと。

到着してみると、オーロラ・ビレッジは湖面全体が凍った上に作られた広い敷地であることがわかった。車で30分移動する間に雲が切れ、青空が広がり、ティービーや木々や雪原がキラキラと陽に輝き青い空に映えて夢のようにきれい!昼間のオーロラ・ビレッジに来てみてよかった!

犬ぞりの準備ができるまでの間、ティービーの周りの雪に刺してあるカンジキをはいて歩き回ってみた。
ティービーとカンジキ
犬ぞり準備中 やがて湖の対岸の犬舎の方へ渡っていくと、金網で囲った細長い敷地にそれぞれ小さな犬小屋を与えられて40頭もの犬がいる。グレーハウンドの足の速さとコリーの頭の良さとハスキー犬の強さとを掛け合わせた雑種とのこと。どの犬も何となく似ている。
犬ぞり師がその中から10頭の犬を選んでそりに付けるが、みんな一年中朝から晩まで犬舎につながれていて、そりの時だけ走るように飼われているとのことで、自分を選んでほしいと競って鳴き立てる。4人乗りのそりにいとこと二人で乗り込むとその前を2列に並んだ10頭の犬が引き、そりの後ろにカナダ人のステキな犬ぞり師が立って操縦する。
彼が一声先頭のリーダー犬の名前を呼ぶと突然スタート。林の間の細い道を通り抜け、右に左にカーブし、開けたところに出たかと思うとまた林の中に入り、上り坂、下り坂とハイスピードで通り抜けていく。
途中、上り坂のところで急に止まってしまった。犬ぞり師が降りて前の方へ行き、犬を入れ替えるとまた走り始めた。相性が悪かったのか? 2〜3kmのコースを約15分で滑り終えて出発地点へ戻る。
その後はまたティービーに戻ってホットチョコレートを飲んだり棒の先につけたマシュマロをたき火で焼いて食べたりした。
犬ぞり体験中
夜のイエローナイフ2

5時頃ホテルに戻り、今までに行ったことのないあたりを散策して、6時から昨晩の店で夕食。メニューはトマト味のピリ辛スープ、サーモンとブロッコリー、カリフラワー、にんじんの付け合わせにバターライス、ケーキとコーヒー。最初のスープがあまりに辛くてそのあと出たものの味がわからないほどだった。

部屋に戻って少し荷物を片づけてから、午後8時15分集合で最後のオーロラ観測に。空はすっかり晴れ上がっている。

バスでオーロラ・ビレッジに向かう途中から大きなオーロラが出現し、バスの中はパニック状態。オーロラを見ようと、水気が凍り付いた窓を必死でガリガリこする。思わず涙が溢れてくる。ドライバーさんもスピードアップしてくれて、やっと待ちに待った現地に到着。

バスの外へ出ると、オーロラもさることながら、星空の素晴らしいこと! 数が多いだけでなく、星のひとつひとつが大きくてしかも瞬かない。

すぐにオーロラこたつに入ると、すごくスケールの大きなオーロラがゆっくりと形を変えて行き、細く縦に立ち上ったり、蛇のように曲がりくねったり、カーテンのように縦に伸びたり、渦巻くように曲線を描いたり、やがて天空全体に広がったり・・・と千変万化の表情。こんなにスケールの大きな物だったのかと驚く。動きはゆっくりだったが、ほとんど常に空のどこかにオーロラが出ている状態で飽きることがない。流れ星も見られたし、オリオン座と北斗七星もはっきり見える。

オーロラ
防寒着のワッペン(最高級のダウンの証?) 11時からの夜食はバッファローのスープとパン。スープにはもちろん赤い塩。食後、またこたつに戻る。今晩の気温はマイナス25℃で、風があるため体感温度はマイナス30℃とのこと。ネックカバーを目の下まで持ち上げると最初は温かいが、だんだん息の水分が付いて冷たくなるので、間にミニタオルをはさむ。デジカメでオーロラの撮影を試みるが、手袋の手では細かい作業ができないし、電池はすぐに消耗するし、デジカメの性能も心もとないが、駄目元で、とにかくシャッターを切ってみる。
そのうち、今晩は鉱山からダイヤモンドの原石を運ぶトレーラーが走るために一時道路が封鎖されるので、出発が遅れるとの連絡。つまり、オーロラ観測も無料で延長。こんなにすばらしい日に、ラッキー! そして、実際12時半から1時を過ぎるまでにも壮大なオーロラが出現し、帰りのバスがイエローナイフの街に近づくころになっても遠くに小さく見えていた。
ホテルに戻って防寒服を返却。明朝は午前5:50集合なので荷造りをして早々にベッドに入る。
6日目<3月10日(木)>

5時起床。眠いが、そうも言っていられず、なんとかスーツケースにおみやげも押し込んで、5:50集合。いつものバスが迎えに来て10分ほどでイエローナイフ空港へ。スタッフの男性が運転しながら通関の手続きなどを詳しく説明してくれる。

空港に入るとエドモントン、バンクーバー経由成田までのチケットを受け取り、スーツケースを成田まで送る手配。セキュリティチェックは珍しくボディチェックまで。スタッフの男性は一緒にボディチェックを受けて、搭乗するまで待合室でつきあってくれた。
未明のイエローナイフ空港
イエローナイフ空港内から見る朝焼け

7時を過ぎて搭乗。座席は3列+3列。日本人の女性乗務員が一人いる。8時から飲み物と朝食。ウインナー、ラザニア、ポテト、フルーツ、ヨーグルトというメニューで、意外においしかった。

9時頃エドモントン空港に着陸。乗り継ぎのエア・カナダ便を待つ。10時搭乗。バンクーバーまでは約1時間半の行程。紅茶をもらってうとうとしていると、もう片付けに来た。とにかく眠い。

時計をまた1時間遅らせて、バンクーバー時刻に合わせる。窓の外は青い山脈に白い雪がとてもきれい。

そのうちビルや住宅がびっしり建ち並ぶ都会が見えてきた。
午前11時バンクーバー空港着。ここでは乗り継ぎの案内人はいないので表示を頼りに国際線の方へ進んだ。出発ゲートの場所だけ確かめておこうと思ったが、歩いて行くと、遠いこと、遠いこと。今まで来た中で一番広い空港ではないだろうか。でも、お店やファーストフードなどを上手に組み込んで配置してあって、ゲート付近にありがちな殺風景な印象はない。イミグレーションのスペースは吹き抜けになっていて上から見下ろせるようになっているし、とても素適な設計。
D75ゲートを確認してから、カートに荷物を乗せて1時間半ぐらいあちこち見て回った後、二人の残りのカナダドルをはたいてサンドイッチとミルクコーヒーを買って軽い昼食とする。
やがて搭乗が始まり1時過ぎに機上の人に。いよいよカナダともお別れ。
バンクーバー空港1
バンクーバー空港2

成田までは9時間半の飛行とのこと。アップルジュースをもらってからまたうとうとしていると、3時ごろに昼食が出た。サーモンを頼むと、柔らかいご飯にの上に甘辛いたれのかかった照り焼きの鮭が乗っていて、今までで一番おいしかった。久しぶりでウーロン茶も。食事中に気流の悪いところを通り、結構揺れた。

また眠って目覚めると午後7時。約5時間飛んだことになる。日本時間はプラス17時間なので3月11日のお昼の12時。もうあと約5時間で成田着。時計を日本時間に合わせて頭と体を切り換えることにする。カナダに合わせて厚着しているのがうっとうしく感じられる。午後3時に食事が出たが、これは何ご飯? ビーフか、かやくご飯というので迷わずかやくご飯を選んだが、何と、かやくご飯のみで、あとはパンと果物。しかも味が薄すぎてがっかり。

やがて薄雲の下に九十九里の海岸が見えてきた。午後5時17分着陸。成田は雨。これで夢のような一週間が終わり、現実に返る・・・。