西オーストラリア旅行記

*** ワイルドフラワーを求めて *** 

西オーストラリア州 位置西オーストラリア州地図


   1日目 <1021日(木)>  関空 ⇒ クアラルンプール ⇒ パース

クアラルンプール空港


 昨日は日本全土をすっぽり覆うような超大型の台風のせいで停まってしまった新幹線に閉じ込められ、東京から何と10時間あまりかかって神戸まで来て前泊。今朝も台風のなごりを感じさせる風が吹く中をいとこと一緒に関西空港へ。マレーシア航空MH-053に11:30搭乗開始。12:15離陸。乗客は半分ぐらいしか乗っていなくて中央の4列はほとんど空席。フットレストが付いているので楽チン。
 午後6:15乗り継ぎのためクアラルンプール空港に着陸。現地時間は1時間遅れの5:15。時計を合わせる。乗り継ぎの搭乗券をもらって次の搭乗口を確認すると、9時までフリータイム。1時間ほど免税店などを見ながら空港内を歩き回った。あまりマレーシアらしいところもないが、ガラス張りの植物園のようなのが中心にある。ハイビスカスの模様のカラフルなモノレールが入ってきている。

クアラルンプール空港内の店




 広いが人は少なく、使わない区域は電気を消してある様子。歩き疲れて滑走路が見えるところで椅子に座って休憩。今回のツアーは14名。私達以外はほとんど高齢者で夫婦が5組、女友達同士が1組。添乗員に質問する内容などを聞いていると皆かなり旅慣れている様子。添乗員も若いがフットワークが軽くて好感が持てる。それにしてもあとまだ2時間半も時間つぶしをして、その後また7時間ほどのフライトというのはきつい。ヨーロッパより近い気がするけれどやはりパースは遠い。座ってばかりいてもと、お店を見ながらまたぐるぐる歩き回り8:30にC22ゲートの前まで来て待つ。




クアラルンプール空港


 9:05ゲートオープン。9:30搭乗。マレーシア航空MH0127便。うとうとしていると11時から夕食。魚とチキンだったのでチキンにしたらカレー味で、イマイチ・・・。12時前にクチンというところに降りる。そんなこととは聞かされていなくてびっくり。でも、そういえば日程表で行きと帰りの飛行時間が2時間も違って変だと思った。クチンはマレーシア内だがボルネオ島内で、リゾート地のコタキナバルとはかなり離れたところのよう。乗ったままでもいいとのことだったが、ボルネオの土も踏んでみたくて、トランジットカードを受け取る。飛行場の建物は巨大なうなぎの寝床のように細長く、延々と廊下が続いているが、汚くて国際空港とは名ばかり。待合室のようなところに入ってみると、夜中にもかかわらず、かなりの数の人が無表情で不気味な様子で椅子に座っている。ショーケースに入っているものも、珍味だか何だか訳がわからない。搭乗時刻を聞くと、アナウンスがあるから待つようにとのこと。所在無くぼんやり待っていたが、しばらくするとアナウンスがあり再び搭乗。





   2日目 <1022日(金)> パース ⇒ マーガレットリバー

朝焼け



 またうとうとしていると、オーストラリア入国カードを配られ、記入する。
2時にまたまた食事。しかもこんな夜中にヘビーな肉料理。初めてビーフが出たので頼んでみたが、ほんの少し味見しただけでご馳走さま。
 また眠っていると「きれい」 という、いとこの声。窓の外はオレンジ色の朝焼け。時計は5時。やっと目的地に近づいてきた。
 5:45パース空港に着陸。入国時、セキュリティチェックでキャンディーを持っていると言ったら見もせずに通してくれたが、飛行機の中でもらった小さなミネラルウォーターとジュースが引っかかった。没収はされなかったが。空港内で両替。100オーストラリアドルが約9000円とのこと。空港の外の景色がニュージーランドに似ている。




キングスパークよりパース市街を望む



 24人乗りの三菱製のマイクロバスに乗り込む。後ろに小さなトレーラーが付いていてスーツケースはそちらに積んだ。運転手はマークさん、ガイドは伊藤今日子さん。伊藤さんは名古屋出身で現地の人と結婚しているらしい。外はほとんど快晴。日差しがまぶしい。6:45出発。道路わきにブラシの木とユーカリの木がたくさん。周囲は草原と木々。車も結構たくさん走っている。パースはゴミが少なくてきれいな街とのこと。
 最終日に泊まる予定のパース・アンバサダーホテルで朝食。焼きそば風のヌードルが珍しく和風。日本人向けに作ってあるのかもしれない。小さいクロワッサンとヨーグルトがおいしかった。8:00バスに乗り込みキングスパークへ。パースの町を見下ろす景色とお花、カラフルな鳥など見所がたくさんあるが、時間の関係で駆け足で見てまわる。



モンガー湖畔の黒鳥





 次はモンガー湖へ。黒鳥が何羽もいてくちばしのところが赤く、
ポーッときれいな声で鳴き、馴れていてかわいかった。
ハエが発生する時期とのことで顔の周りに飛んできてうるさい。
続いてまたバスで南へ250km。









ナチュラリスト灯台





 10:00過ぎにガソリンスタンドでトイレ休憩。12時に避暑地というバッセルトンの町に到着。空には少し雲が出てきた。中華料理店へ。7品+ご飯+ネーブル。甘いたれを絡めたお肉とネーブルがおいしかった。1時出発。バッセルトンジスティという2kmもある世界一長い桟橋を見る。ワインの名産地とのことで、1:30過ぎアンバリーというワイナリーに到着。でも、ワインの試飲よりも外の景色とお花の方がよかった。次にナチュラリスト灯台へ。道すがらお花がいっぱいで、きれいな紫色の鳥もいた。







マーガレットリバーリゾート宿泊棟


 3:10出発。途中、火事で焼けた林でお花を見る。火事も自然の中では必要なこととか。故意に焼くこともあるらしい。4時にマーガレットリバーの町を一旦通過し、今度はルーインというワイナリーへ。有名なところらしいが、ここでもワインの試飲より外のお花がステキ。
 5時、今日のホテル、マーガレットリバーリゾートに到着。今日は400km近く走行。山小屋風だが宿泊は奥のホテル棟。2階の35号室。木造のドライブインという感じでこんな風なホテルは初めて。外見はシンプルだが、入ってみたら応接間付きだし英国風でステキ。ピンクのカーペットにグリーンの花柄のベッドカバーとお揃いのカーテン。バスはジャグジー付きの超ビッグサイズ。電気製品はすべてNEC製。
 夕食まで時間があるので周囲を散歩。もう6時というのに明るかったが、風が寒くて20分ほどで部屋に戻った。7時前に1階ロビーに集合して奥のレストランへ。雰囲気はなかなかよかったが、料理の出てくるのがひどく遅く、魚料理も、デザートのチョコレートケーキも口に合わず。部屋に帰って入浴。大きすぎるバスは使いにくかった。10時就寝。





   3日目 <1023日(土)> マーガレットリバー ⇒ アルバニー

ルーイン岬


 6時起床。まずは朝の散歩。寒いが天気は快晴。緑もお花も鳥の声もきれい。7時から朝食。昨日とは別のレストラン。こちらも雰囲気があってかわいい。食事のあとまた外を散策してから8時出発。
 先ずはルーイン岬へ。途中小高いところで一旦車を停める。白い灯台が下に見え、広々とした海。やがて下へ降りて灯台までの道を歩く。目の前に真っ白の灯台がそびえ、その周りは視界いっぱいに広がる海。オセアニア大陸の南端だ。右手がインド洋、左手は南氷洋。所々に見える白波。空は青く、海の色も碧く、濃く深い色。目に焼き付けておこう。バスまで帰る道の両脇にもかわいいお花がたくさん。





ジュエルケイヴ(鍾乳洞)





 続いてジュエル・ケイヴという西オーストラリア最大の鍾乳洞へ。行程は750メートル、500段の階段があるとのこと。10:30到着。男性のガイドさんのオーストラリアなまりの英語を聞きながら約1時間、細い木の階段を上り降りしながら行くが、日本の鍾乳洞とは全然違って形が複雑でとてもきれい。色も真っ白からカラメルの色のようなのまである。ゆっくり見られたのもよかった。







原生林の中を走る

 1時、ペンバートンの町に到着。公園でサンドイッチとパスタとジュースのお弁当。さわやかな風と日光が気持ちいい。オーストラリア人らしい家族連れもいて、通りの向こう側にある銀行のATMに時々人が訪れている。
1:40バレー・オブ・ジャイアントへ向けて出発。背の高いユーカリの木の仲間にカリの木とジャラの木があり、ジャラのほうがきれいで家具や遊歩道などにも使われているとのこと。途中ウサギのような形がかわいいラビット・オーキッドを見る。3:30、トゥリー・オヴ・ウォーキングに。吊り橋を渡りながら広大な森林を上から見る。橋が立派なので、思ったほど恐くなかった。4:20出発。お花の自生している地域がそれぞれ違うとのことで次々と新しいお花や木に出会う。
これまでずっと森林の中を走ることが多かったが、やがて牛が放牧されている草原を走るようになった。急に見通しが利くようになり気持ちがいい。どこまでも広々していてところどころに森があり、はるか遠くには小高い山並みも見える。車窓の景色を写真に収めたいと時々カメラを手にするがスピードが速すぎてすぐに景色が変わってしまう。途中で給油のため小さな町で下車。海が近いらしく、カモメが町の中を飛んでいる。
アルバニー


 ドライバーさんの勤務時間が朝8時から夕方6時までと決められているとのことで先を急ぎながらも、珍しい花のありそうなところでは車を止めてくれる。「到着が6時を過ぎてしまったら誰が超過料金を払うのかでガイドさんと添乗員さんとで、もめている」などという冗談も出ていたが、なんとか6時3分に、アルバニーに到着。
今日のホテルはメトロ・イン・アルバニー。港への坂道の途中にある平屋のドライブイン風の建物。バスはシャワーのみ、タオルはバスタオルのみで、ちょっと質素な感じ。夕食まで時間があるのでお散歩に。回りは住宅街。傾斜地に立てられた小さなおうち。人影はほとんど無い。7時からホテルのレストランで夕食。カレー味のスープも魚料理もおいしかったがサラダやポテトに味が無く、デザートの赤いお菓子は微妙・・・。8:20、部屋に帰ってきたものの、寒い。毛布を出すと、これも1枚のみ。エアコンは電源を入れてからしばらくしてやっと動き出した。シャワールームは窓の換気口があきっぱなしで、どうにも寒そうなので、シャワーはやめて顔だけ洗って寝ることにする。9:30就寝。今日も400km走行。



    4日目 <10月24日(日)> アルバニー ⇒ ハイデン

トーンディップ国立公園






 6時起床。朝の散歩。今日も快晴ですがすがしい。ホテルのレストランで朝食。ここでは大皿に盛って出してくれた。お豆の煮たのが珍しくておいしかった。
8時、トーンディップ国立公園のナチュラルブリッジへ向けて出発。近づくとともに高い木が無くなり、そのうちに岩ばかりになる。バスを降りて左の道を行くと、大きな岩の割れ目に轟音と共に波が打ち付けており、海は泡でミルクのような色。もう一方の右の道を行くと、岩が波で浸食されて大きな橋のようになっている。これがナチュラルブリッジ。
続いて湾沿いの道を通ってアルバニーの町へ。高台へ上がって展望台から湾を見下ろすが、空が曇っていてちょっと残念。駐車場へ降りる階段の脇にもお花がいっぱい。黄色い毒のある花も。またバスに乗り込んで山を降りる途中で下車してサザンクロス(南十字星)の花を見る。名前にふさわしい形の白い花。湾岸を走っていると向こう岸の山の上に風力発電の風車がいくつも立っている。




スターリングレンジ



 やがてスターリングレンジにさしかかる。ここは西オーストラリア州内で唯一、山が見られるというところ。行く手に青い山の連なりが見え、広大なオーストラリアらしい風景。空もいつの間にか青空になっている。途中、林の中で車を止めてお花を探しつつ散策。
 しばらく行くと右側は一面の麦畑。左側は草原。放牧されている羊が池のそばに集まっている。いつの間にか山は見えなくなり地平線まで草原が続いている。ところどころに小さな林。青い空には綿菓子のような雲。







レストランの中






 リリーというところでイギリスの田舎にありそうなかわいいレストランに入り、フィッシュアンドチップスの昼食。これまでになくおいしくて、ほとんど平らげた。近くには小麦を挽く風車。
 お店の中ではピアノの生演奏。魔法使いの人形と豚のいろいろな置物が飾られている。時計はセイコーのねじ巻き式時計。
 2時出発。ここからは一路北へ、ハイデンに向けて草原地帯を行く。珍しいお花はこれまでにほとんど紹介し終えたとのこと。




塩害


 やがて地面が白くなっている地帯を通る。塩害とのこと。牧場を作るために木を伐採すると地下水の水位が上がり、雨も降らないため、蒸発してどんどん塩分の濃度が濃くなり、どうしようもないそうだ。丈の低い草は生えているが色が黒っぽくて異様な感じ。麦畑と塩害の地域が交互に現れる。ため池のようなのがあり、表面がきれいなピンク色になっている。ピンクレイクと呼ばれ、バクテリアのせいなのだそうだ。4時、そんなピンクレイクのそばで一時停車。塩の沼と思ったが意外に硬くなっていて、奥のほうまで歩いていけた。結晶が石のようになったのを拾う。ピンク色ではなかったのが残念。
南のほうの麦畑は緑色だったが、このあたりは黄金色。そういえば南半球だから北の方が気温が高いのだ。所々に小麦を運ぶ貨物用の線路が走っている。





ウェーブロックホテル(ハイデン)


 5:30ハイデンウェーブロックホテルに到着。部屋は長屋風の建物で9号室。室内の壁はレンガで天井は山小屋風。シャワー室もきれい。外へ散歩に出る。ガソリンスタンドが隣にあるぐらいで近くには建物も無く、前の道路を時折車が走り抜けるだけ。でも、ピンクや白黒やグリーンなどいろいろな色の鳥がたくさんいる。ホテルに戻ると、今朝新潟で地震があったとのニュースが入る。新潟新幹線がひっくり返っているのをテレビで見たとのこと。いとこが新潟のお墓のことを気にしている。7時から夕食。レストランもレンガの壁でなかなかステキ。中心に青色の馬車がおいてあり大きな白い犬のぬいぐるみが乗っている。お料理はバイキング。なかなかおいしかったが、7〜8種類の大きなケーキが食べ放題なのは驚いた。食後は暖炉と大きなすわり心地のいいソファーのある奥の部屋で紅茶を飲みながらくつろいだ。
 あさってのオプショナルツアーは申し込んでいなかったが、パースの北のピナクルズに是非行きたいと思い切って言ってみたら、ガイドの伊藤さんが申し込んでみてくれるとのこと。何でも言ってみるものだ。部屋に帰ってから日本に電話をかけた。




   5日目 <10月25日(月)> ハイデン ⇒ パース

マルカの洞窟



 6時起床。そして、朝の散歩。今朝は曇っていて寒い。昨晩の電話代は3ドル50セント。1ドル90円だから300円ぐらい。4〜5分しゃべったのに安い!! 本日は先ずマルカの洞窟へ。アボリジニの許されぬ恋で生まれた青年の悲しい物語に基づいたものだとのこと。手形とかカンガルーの絵などが洞窟の内側に描かれていたが、大きな一枚岩のようだった。
 続いて、「かばのあくび」という立て札のある岩。なるほどと納得。









ウェーブロック


 そしていよいよウェーブロックへ。大きな波のような形の岩で縦に黒い縞模様が入っている。岩の上まで上ってみると以外に大きな岩山だが、ざらざらした岩肌なので比較的登りやすい。頂上までたどり着くと360度の視界。地平線まで緑の森林と茶色の小麦畑と白っぽい塩害地帯が広がっている。曇っているので景色が寂しい。風があるので寒かったが、下まで降りてきたら熱くなった。
 続いて、昼食をとる予定のレストランの奥にある小さな動物園へ。白いカンガルー、コアラ、ウォンバット、ワラビー、ポッサム、ウサギやカラフルな鳥などがいたが、中でも「ハロー」といって首をぐるぐるぐるぐる回してくれるサービス精神旺盛なオウムが一番面白かった。ミニ動物園から食堂に入るとき、いとこの黒いカーディガンの背中に20匹ぐらいハエが止まっているのを見て払ってあげたが、黒いものを好むので、同じく黒いカーディガンの私の背中にもたくさん止まっていたらしい。12時からの昼食はバイキング。昨晩泊まったホテルのスタッフと同じTシャツの人たちが働いているところを見ると、経営が同じらしい。

ウェーブロックの頂上からの眺望

 食後は一路パースに向けて出発。麦畑と草原と林の中の道を行く。途中に牧羊犬のお墓があった。だんだん青空が広がってきた。これまで広々とした風景だったのが、4時近くなると最初の頃のような森林の中を通る風景に変わる。4:20小高いところからパースの街が一望できた。4:30過ぎ、パースの街中へ。市中の免税店やオパールの店をまわってから6時に夕食。今日は和食とのこと。名前を聞いて「丹沢亭」かと思ったら“TANZAWATEI”。酢の物、サラダ、お寿司、天ぷら、鶏の照焼き、味噌汁、ご飯という献立。海老の天ぷらは天ぷらとは思えないような代物だったが、やはり和食は落ち着く。中村さんから明日のピナクルズ・ツアーの説明を受ける。二人だけ一行と分かれてバスで別行動。帰りはパース駅までで、その後は自力で皆が移動しているフリーマントルのホテルまで電車に乗って行くことになるとのこと。7:30ホテル着。今日のホテルは、パースに着いてすぐに朝食を食べたアンバサダーホテル。部屋は226号室。ピンク色でまとめられたきれいな部屋。バスタブとは別にシャワー室がある珍しい作り。9時就寝。






   6日目 <10月26日(火)> パース ⇒ ピナクルズ ⇒ フリーマントル

スワン川(パース)


 5時起床。朝の散歩。市内を流れるスワン川沿いの公園まで行く。海のように見えるゆったりした大きな川。風が寒い。よく写真で見かけるパースのシンボルのようなビル群が見える。朝日がまぶしい。今日はツアーのメンバーと別行動なので、スーツケースを添乗員さんに預けてから朝食。
7:10ピナクルズ・ツアーの日本人ガイド福田さんと会う。ドライバーはボブさん。外へ出てみると通りの向こう側にジープの大きいようなすごい車が停まっている。ワォー ! 三菱製の4WDで、特別に作らせたものとのこと。シェラトンに寄って日本人夫妻を、そして次のホテルで外人夫妻を乗せる。快晴でよかった。日中は28度ぐらいになるらしい。途中でもうひとり日本人の青年が乗ってきた。往復550kmとのこと。





三菱製4WD



 8時前に高速を降りてジュンダラップの町を通る。8:15ヤンチップ国立公園へ。早速野生のカンガルーに出会う。続いてコアラが14匹いるという地区へ。木の上にいるのを7〜8匹見つけた。柵の外へ出ると美しい濃いブルーの湖。また車に乗り込み小さなゴルフ場を通る。カンガルーの家族がたくさんいて、ゴルフのプレーをグリーンのすぐそばで眺めている。 「そんなプレーじゃダメダメ」 とか今にも話しかけそうな様子が面白かった。松やユーカリの森の中のまっすぐな一本道をまた北へ。ドライバーさんのすぐ後ろの席なので前方もよく見えて面白い。途中でガソリンスタンドに寄った時に、昼食が軽いとのことだったので大きなクッキーを買って食べる。1ケ25ドルということは225円! ずっと同じルートで回っているJTBの40人のツアーと、ここでもまた一緒になった。




白い海岸

 10:45舗装道路を西に折れて、ガタガタ道を海の方へ。まもなく小高いところに車を止めると、はるか向こうに、 ピナクルズの茶色の砂が見える。黄色い道が上がり下がりしながらずーっと先へ続いている。途中、車を急に止めたと思ったら、ボブ・テイルというトカゲがいるという。ドライバーさんが捕まえて見せてくれた。体調20cmほどで結構太っている。青い舌を出すと恐そうだが手足は子供のように小さくて可愛い。ちょっと触ってみた。放すと、草むらの中に尻尾を振り振り急いで入って行った。
 時々道路の四つ辻に脚の付いた箱が立ててあるのを見かける。大きさはいろいろ。何かと思ったら郵便受けで、車で各自そこまで取りに来るとのこと。広い土地ならではのものだ。
やがて海岸へ。きれいな白くて細かい砂。それに続く緑色の海。沖の方は紺色。遠くに島が浮かんでいる。空は青く、岸に打ち付ける波の音・・・、まるで天国のよう。白い小さな貝殻を拾った。12時、ピナクルズ手前のレストランでバイキングの昼食。聞いていたほど軽くもなかった。店内にはドライフラワーがたくさん吊るしてある。12:30出発。

ピナクルズ




 15分ほどでピナクルズへ。黄色い砂の上にさまざまな形の岩、緑の潅木もあり奇妙な風景。その昔、地中で植物が根を張っていた部分は風化してしまい、根が張らなかった部分の堅い地層が岩となって残ったもので、高いものは4メートルもあるとのこと。見方によってコアラやゴリラや王様やバットマンなどさまざまなものに見える。空の青さはすばらしい。展望台まで歩いた後また車でゆっくり岩の間をぬけ、やがてピナクルズともお別れ。







エミュの父親1エミュの父親2

 しばらく行くとダチョウに似たエミュの親子連れが道を横切った。お父さんが子育てをするとのことで、子供を10羽ぐらい連れていた。
 3時、休憩。車に積んでいたお茶とお菓子を降ろして木陰のベンチで食べる。こんなことはこれまでのツアーの中で初めて。緑色のきれいなインコがクッキーを食べに寄ってきた。これから40分ぐらい行くと20分間ぐらいガタガタ道が続くとのこと。時々ジェットコースターのように下がってまた上がる道があるが、走っていると見た目ほどの傾斜は感じない。ドライバーのボブさんが時々マイクで説明してくれるが、聞いたあとで、あぁ、こちらではこういう発音なのかと気付いたりする。窓からの日差しがきつい。角を曲がって進む方向が変わり、陽が射さなくなるとほっとする。
40分近く立つとランセリンの砂丘が見えてきた。つるっと滑らかできれいな感じ、と思ったら、そこから急にデコボコ道になる。20分ほど行き、砂丘に突入したかと思うと突然目の前は雪かと見まごう一面の銀世界。真っ白の砂と青い空以外何も見えない。砂にはきれいな風紋。感激!!
砂丘

 するとボブさんが面白がって、傾斜を車でジェットコースターのように走り降りるので、思わず悲鳴を上げる。海もとても青く、陽光に輝いている。やがて傾斜がきついところの上で停車した。サンドボーディングをするというので、はだしになって車を降りる。この足の裏の感触! 70cmぐらいの細いボードに座り、背中を押されて傾斜を滑り降りるのだが。恐いのもさることながら、下まで行くとボードを持って上がってくるのが大変と聞き、パスすることに。砂丘の頂点を見ると、風で砂が吹き飛ばされていてきれい。砂の表面は茶色っぽい砂でも、手ですくってみると中の方は真っ白。しばし別世界に行った気分に浸る。また車に乗り込み、舗装道路までガタガタ道を戻って住宅街を目にすると、現実世界に戻った気分。5時、休憩を取り、パースに戻ることに。
 しばらく行くと左手前方に黒い煙が見える。なかなか近づけなかったが山火事らしく、森林の上から煙が出ているのが見えた。火事の一番の原因はタバコだそうだ。こちらは全部常緑樹で枯葉が根元に積もるので、時々は火事で焼ける必要があるとのこと。国立公園内では故意に焼いているらしい。

パース駅

 青森から来た夫婦の奥さんがガイドさんとずーっとしゃべっているのをなんとなく聞いているうちに高速道路に入り、やがてパースの高層ビル群が見えてきた。6:25パース駅前着。ガイドの福田さんも電車で帰宅すると言って付いてきてくれて心強い。3ドルを自動販売機に入れてチケットを買う。壁のない駅。7番線、6:45発フリーマントル行きに乗る。JTBの男性ガイドさんも乗ってきてビックリ。車掌さんが検札に来た。福田さんとJTBのガイドさんは途中で降り、7:10、終点のフリーマントル着。港町らしい。駅前の大通りをまっすぐ行くように言われていたので、郵便局のある通りだということを確認して歩き始める。あたりはもう真っ暗で、まだ7時過ぎなのに人通りが少ない。そのうちテラスというところに差し掛かると歩道にテーブルを出してたくさんの人が夕食をとっている。マーケットのところを右に曲がると、目指すホテル ”Esplanade(エスプラネード)“ の看板が見えてほっと安心。長い長い建物で、なかなか入り口までたどり着けない。やっと入り口を入ると添乗員の中村さんが心配そうに待っていてくれた。


エスプラネード・ホテル


 他のメンバーと合流してバイキングの夕食。五つ星のホテルだけあって、レストランも天井が高く、植物園の温室のような凝った作り。お料理の種類も多い。皆にピナクルズはよかったと吹聴。中村さんが連絡事項をメモしておいてくれた。
 今日の部屋は1112号室。11階かと思ってエレベータに乗ったら行き先が4階までしかない。そういえばずいぶん長い建物だったと思いつつ1階の長い廊下を歩き、やっと1112号室にたどり着く。どんなお部屋かと思ったら、何とダブルベッド! お風呂はバスタブ付きだったがシャワーで済ますことに。明日はもう帰国。もっとゆっくりしたい気分。ピナクルズ・ツアーに申し込んで本当によかった。
 今度の旅で、トイレはどこも無料だったけれど結構きれいで、しかも必ずトイレットペーパーが備え付けてあったことに気付く。お国柄か。10:30就寝。






   7日目 <10月27日(水)> フリーマントル ⇒ 帰国

フリーマントルの教会



6時起床。五つ星ホテルは朝食も豪華。フルーツでお腹一杯。フリーマントルの街へ散策に。快晴。風が心地よい。上着は要らないぐらい。先ず港へ行ってみる。ヨットレース「アメリカズカップ」の開催地として有名とのことで、小さな船がいっぱい。岸は岩場だが水は澄んでいるしゴミも浮いていない。町は開拓時代の面影を残す建物が多く、とてもきれいでかわいい。教会など目ぼしいものを見つけてはあちこち歩き回ったがどこも絵になる風景。小さな清掃車が巡回していた。信号が駅前以外に無いのも面白い。しかし、これまでもそうだったが、売りか貸しに出ているお店や土地が目立つ。有名なフリーマントルマーケットも閉店していたが、これは週末のみ営業しているようだ。建物の上にマストが立っているようなのを見つけて行ってみると、展望台になっていた。海の色、空の色がとてもきれい。バス停のベンチに座って道行く人や車を眺めたりしながら、ゆったりした時間を過ごした。









フリーマントルの海岸


11時チェックアウト。しばらくホテルのロビーで過ごしてから昼食のレストランへ。ホテルの前の大きな公園を横切って港の方へ。大きな木々がスーッと気持ちよく天に向かって伸びている。“SAILS” というシーフード料理の店に入ると、窓の外には先ほど展望台から見た海の風景。それを見ながらムール貝のスープとフィッシュアンドチップス、サラダ、フルーツ、コーヒーで満腹。海岸まで出て行くと砂浜にカモメがたくさん・・・。
 1時に大型バスに乗り込んで、2時前にパース空港着。ガイドの伊藤さん紹介の“Fine Food” という店で世界一おいしいというタスマニア産の蜂蜜を買い、出国手続きを済ませてからまた免税店でチョコレートを買う。4時頃までに5番搭乗口へということだったので行ってみると、まだ飛行機がクアラルンプールから着いていないとのこと。何度かお詫びのアナウンスがあり、搭乗口に並んだあとも延々と立ったまま待たされ、やっと5:30になって搭乗が始まった。そのうち今度は機械に半券が詰まって手もぎに・・・。無事に到着してくれればいいが・・・。


パース空港


 座席の隣は空いていて、その向こうは空港でずっと待っている間となりの席にいたアジア系の女性。赤ちゃんたちが動き回っているのを見て顔を見合わせてにっこりした仲だったのでここでもにっこり。6時になってやっと動きだした。4:30の予定だったので1時間半遅れ。今回は3列・4列・3列のジャンボ機にほぼ満席。7時から夕食。今回はビーフ。うとうとしていると9時ごろアイスクリームが出て、食べてからまたうとうとしているとそろそろクアラルンプールに着陸とのアナウンス。11:10クアラルンプール空港へ。5時間40分かかるところを30分短縮している。パース出発が1時間半遅れたため、トランジットに1時間半の余裕があるはずだったが、免税店を見るどころかトイレに行く間もなく、マレーシア航空の緑のジャケットの男性に先導されて、動く歩道をどんどん歩き、次の搭乗口へ。機内に入ると乗客はすでに乗っていて、私たちの到着を待っていた様子。出発予定だった11:45に私たちが搭乗、5分後には動き始めた。今度のは、2列・3列・2列の、来たときと同じ少し小型の飛行機。





   8日目 <10月28日(木)> 関空着

マレーシア航空機


 滑走路を移動中に日付が変わった。12:10離陸。街の明かりがきれい。窓際の席でないのが残念。時計を1時間遅らせる。5時ごろからお絞りやジュースが配られ、5:30朝食。和食にするが、全く食欲無し。果物と紅茶だけ口にする。予定より早く到着するらしい。大阪は晴れ、12℃とのこと。7時着陸。
今回は、いとこと一緒で気が楽だったこともあり、日程的にも楽で、ゆっくり寝られたし、少人数のツアーで小回りが利いたこともあり、疲れを感じない良い旅だった。なんと言ってもお天気がよくて景色がきれいだった。青い空、青い海、緑の濃かったこと。珍しいお花もたくさん見られて、「やっぱり自然はいい」を体感できた旅だった。このツアーで一緒だった小寺さんご夫妻は82歳と80歳。私たちもいつまでも元気で楽しく世界を旅したいものだと思う。

「世界一おいしい」と聞いてお土産に買ったタスマニア産の蜂蜜は、オーストラリアの花の蜂蜜らしく濃厚な味と香りだった。