第16回大会(1992年・平成 4年)

国内第一次予選東京ドーム参加26,121名
                                                                  
第1問:ニューヨークの自由の女神 Statue Of Libertyがアメリカ合衆国の硬貨に
                     描かれたのは1986年、100周年記念の時が初めてである
答え…○
   回を重ねて16回、今年もウルトラクイズの暑い夏がやって来た。
   今年は、台風の「当たり年」で第1次予選の直前まで、関東地方を台風が直撃するか否かで、スタッフは気を揉んでいた。
   幸い、直撃は免れたものの遠路からやって来た参加者の中には、交通機関の乱れに巻き込まれた人も多かった。

   そして、今年も彼らの前に突きつけられたのは、恒例「自由の女神」に関する問題。
   何しろ300問もの「問題」が作成され、その中から絞りに絞って厳選された問題である。そう簡単に解かれてはたまらない。
   そんなスタッフのうそぶく声が、耳に入っているのかいないのか…参加者達は、それぞれのスタンドへと消えた。

   ちなみに、ドームのお立ち台には毎年「ゲスト」が呼ばれる。言うまでもなく、昨年度のチャンピオンだ。
   そして今年も、特別ゲストとして「13年連続第一問敗退」の、通称「疫病神」の男性が登場。
   しかし、両者ともここから先は「一参加者」である。各々、正解と信じるスタンドに消えていった。
   なお、昨年の覇者は第1問で敗退。疫病神は、その汚名をそそぐことができたのでありました。

   ちなみに、今年も敗者復活はナシで、100名が第1次予選を突破した。

26,121 → 100


国内第二次予選成田空港ジャンケン
   第2次予選は、恒例の成田空港。その会場は、お馴染み「ブルー・スカイの間」である。
   誰が何と言ったって、今年もやりますジャンケンポン三本勝負!そして、今年も「炎の一本勝負」が決行された。
   一発勝負で、勝てばグァム行き。負けたら、即敗者である。

  《敗者復活戦》
   昨年から、司会を引き継いだ福澤アナは「敗者復活、一切廃止。一度負けたら、ハイそれまでよ」を標榜してきた。今年も然り。
   そんな福澤アナに「敗者の味方」ナベさんから、敗者復活をとの声が…それを拒否する福澤アナに、ナベさんは「秘密兵器」を
   持ち出した。それは…
   福澤アナが「心の師」と仰ぐ、ジャイアント馬場さんからのメッセージだった。御大に説得されて、さすがの福澤アナも折れた。
   で、その敗者復活の方法だが…
   ジャンケンの敗者は、ナベさんをピコ・ハンマーで叩くことができる。中には、ここぞとばかり力任せに叩く人がいる。
   今年は、その叩いた時の「強さ」が、数値になっていたのだがその数値の「低かった人」5名が復活となった。
   日頃から、優しさが大切だと教えられた(?)敗者でありました。

100 → 55


第1チェックポイント成田⇒グァム400問ペーパークイズ
   「運も実力のうち」とは、よく言ったものだ。飛行機に乗ることのできた55名は、まさにそれ。
   そんな彼らに、思う存分「知力」の程度を知ってもらうのが、ペーパークイズだ。
   そして、その後に待っているものは…いや、今年は福澤アナから何かお知らせがあるらしい。
   「今年は、史上初!55名全員、飛行機から降りられます!」
   俄然、盛り上がる機内。しかし、実際はそんな呑気な話でない。
   それと言うのも、前日に台風がグァムを直撃し、国際空港がメチャメチャになってしまったので、例年通りのスタイルで
   ロケが進行できなくなっていたのだ。
   その代わりといっては何ですが、登場したのが「ブーブー・ステップ」なる機械。
   つまり、ホテルに向かってバスから降りる時に、このステップに乗ってもらい合否を判定。失格者はホテルに入れずに
   空港へUターンとなる。結局、15名の敗者がバスに戻され、強制送還と相成った。

55 → 40


第2チェックポイントグァム早押し空席待ちクイズ

   それにしても、今年のグァムはひどい状態だった。
   民家の屋根は吹っ飛び、ライフラインは切断、ヤシの木が根こそぎ倒されていて…正直、クイズどころではない。
   これが「フツーの」ツアーなら、催行中止・日本へご帰還となるが、ウルトラクイズはそうは行かない。
   でも、町中が「ドロンコプール」状態なので、今年は「早押し空席待ちクイズ」が行われた。
   早押し機は3台、どこに並ぶかは自由。1問正解で勝ち抜けだが、誤答・お手つきは最後尾へ回る。
   回転の良い列に並べたかも、勝ち抜けには重要であった。

  《罰ゲーム》
   毎年、敗者は泥まみれになるのが「罰ゲーム」なのだが、今年はそうではない。
   そうなったもの、全て台風のおかげである。見よ、ドロンコプールを作る予定のビーチに、木片やら海草が
   ゴチャゴチャ打ち上げられていて、リゾート気分が台無し。
   そこで、敗者には太陽が照り付ける中、ビーチの清掃に励んでもらったのであった。

40 → 24


第3チェックポイントハワイ早押しクイズ
   何だかんだで、ハワイは常夏の楽園。今年も、ウルトラクイズのご一行がハワイにお着き♪
   ここでのクイズは「早押しすべり台ドボンクイズ」である。
   双胴船に乗って、沖合いに出たら滑り台の上に座って1対1の早押しクイズ。2ポイントで勝ち抜けとなるのだが
   負けるとムキムキマッチョな現地の人が、すべり台を無理やり持ち上げ傾斜を作ってくれる。
   当然、浅瀬とは言えハワイの海へ真っ逆さまにドボン…である。
   なお、今年の対戦は同行ドクターの分析に基いて「小心者 対 図太い奴」の対戦となっている。

  《罰ゲーム》
   敗者12名を待っていたのは、今年異常発生した「カツオノエボシ」であった。平たく言えば、デンキクラゲの大群だ。
   そして、彼らに課せられた罰ゲームは、そんな海の中を歩いて帰ってもらうと言うもの。
   まあ、膝くらいまでの浅瀬が延々続くのだが…近くに島影はなく、ひたすら沖へ沖へと歩くしかない敗者たちだった。

24 → 12


第12チェックポイントハワイPartU奇襲クイズ
   ハワイでのクイズを終えて、これでアメリカ本土上陸だ…と、安心し切っていた参加者達に、悪夢の夜がきた。
   午前二時…ぐっすり眠っていた彼らを叩き起こし、寝ぼけ眼のままバスに押し込むと「深夜の観光クイズ」の開始である。
   彼らは、オアフ島の名所ヌアヌ・パリや、カメハメハ大王像の前などを巡り、その都度○×クイズを出題。
   実は、1問正解すればそれで勝ち抜けなのだが、彼らには答えを知らせないままクイズは進行する。
   こうして、最後まで間違い続けた1名が…ヒッヒッヒ…

  《罰ゲーム》
   果たして、あれは夢だったのか?クイズをした覚えはあるが…答えは?勝ち抜けたのは?
   そんな彼らは、島内観光へと連れ出されたが、ビーチで渡されたのは双眼鏡。
   「沖に浮かんでいるゴムボートに、荷物が載っているけど見覚えのある人は?」
   自分のだと返事をした参加者に
   「そう、君が敗者だ。泳いで荷物を取りに行け!」

12 → 11


第5チェックポイントサンフランシスコ早押しクイズ
   アメリカでも一、二を争う美しい町、サンフランシスコは「アメリカの人が訪れたい町」の筆頭である。
   クイズ会場は、ゴールデン・ゲート・ブリッジを望む絶好のロケーションだ。
   クイズ形式は、シンプルに「早押しクイズ」で2ポイント勝ち抜け。とは言え、ここでの敗者は2名なので参加者たちには、緊張が走っている。

  《罰ゲーム》
   サンフランシスコは、霧の多い町としても有名だ。観光には不向きなはずだが、この雰囲気を求めてくる人も多い。
   しかし、クイズ当日は絶好の好天。これでは、雰囲気が出ないので、敗者2名には人工霧発生装置を背負ってもらい
   霧を町中に噴霧してもらおう、と言うことになった。
   重さ30キロの機械を背負って、町を歩くことになったのは唯一残っていた女性と、会社員の男性だった。

11 → 9


第6チェックポイントキャメロンパーク飛行時間獲得クイズ
   アメリカの家庭に、車があるのはアタリマエ。しかし、この町の人たちはチョット違うのだ。
   なんと、一家に一台「自家用飛行機」があるのだ。彼らは、車の感覚で飛行機に乗って家を出て、町営の滑走路からテイク・オフ…している。
   そして、通勤や買い物の「足」として活用しているのだから、オドロキである。

   ここでのクイズは「飛行時間獲得クイズ」である。ゲストとして協力してくれたのは、この町の老若男女30名。
   早押しクイズに正解すると、誰か一人を指名できる。そのゲストの「飛行時間」がポイントになり、2000時間獲得で勝ち抜けとなる。
   要するに、どれだけ多くの飛行時間を有する人か、を見抜くのがポイントである。
   (ちなみに、最低は100時間の男性・最高は22000時間の大手航空会社機長…であった)

  《罰ゲーム》
   この町には、当然だが車も走る。そのため、道路には通常のセンターラインの他に、色々なカラーの線が引いてある。
   罰ゲームは、最近不要になった白線を、塗りつぶして消してもらうと言うもの。
   まあ、単純作業ではあるが…その日の気温は39度、アスファルトには直射日光が反射するし、かなりキツい罰ゲームとなった。

 → 8


第7チェックポイントレイクパウエル大声クイズ
   コロラド川をせき止めてダムを造ったところ、周囲の渓谷に水がたまって大きな「人造湖」になったのが
   ここ、レイクパウエルである。そのため、人造湖と言っても周囲には西部劇の舞台になりそうな、雄大な自然が残っている。
   ここでのクイズは、ウルトラ名物「大声クイズ」で、3ポイント先取の戦いだ。

  《罰ゲーム》
   ここの「名物」は、バンガロー型のモーターボート「ハウスボート」である。ここに来た観光客は、ハウスボートを借りて
   釣りや水上スキーなどを楽しむ。いわば、滞在型リゾート地と言うわけだ。
   もっとも、敗者にはイカダの上にテントを張りそれを、自転車のペダルを漕ぐことによって、スクリューを回転させて進むボートにつなぎ
   自力で、この人造湖を横断してもらうことになった。全長300キロの人造湖…敗者の消息は分かっていない?

 → 7


第8チェックポイントサンタフェバラマキクイズ
   ニューメキシコ州の小さな町、サンタフェはアメリカの中でも歴史の古い町で、芸術家が集まる町としても有名だ。
   そして、その郊外にはインディアンの聖地といわれる「ブラック・メサ」があり、その周囲の草原がクイズ会場だ。
   こんな場所で行うのは、恒例バラマキクイズ。ハズレを引かない「運」に走り回る「体力」も試される、過酷なクイズだ。

  《罰ゲーム》
   サンタフェは、ニューヨークに次ぐ「芸術家の集まる町」であり、町には画廊やアトリエが並んでいる。
   ここでの敗者は、新進気鋭のポップ・アーティストのアトリエにお邪魔し、彼のモデルになってもらうと言うもの。
   敗者は、パンツ一丁にされ目抜き通りで衆人が見守る中、身体中に派手なペイントを施され、最後はアトリエのガラス窓越しに
   「展示」されて、道行く人の視線を集めるのでありました。

 → 6


第9チェックポイントアトランタ私がママよクイズ
   アトランタは、名作「風と共に去りぬ」の舞台になった町で、この時は来るオリンピックの準備で賑わっていた。
   クイズ会場は、ストーン・マウンテン公園。そこには、巨大に岩の塊がありリー将軍をはじめ南北戦争の英雄たちが彫られている。
   クイズは「私がママよ」クイズで、ゲストとして集まってくれた子供達が描いた「母親の絵」をヒントに、実際の母親を当てたら
   勝ち抜けとなる。但し、指名権を得るには2ポイント取らなければならず、母親を間違えるとポイントがなくなってしまう。

  《罰ゲーム》
   アトランタと言う町は、コカ・コーラ本社やCNNの本部があるなど、アメリカ南部の町としては近代的な町だ。
   敗者が連れてこられたのは、72階建ての高層ホテル。最上階には展望レストランがあり、ここで敗者を慰労する昼食会を催すことになった。
   しかし…
   もちろん、罰ゲームである以上、簡単にエレベーターなどは使わせない。最上階まで、階段をひたすら登ってもらうことになった。
   単調だけど、とってもキビシイ罰ゲーム…敗者は40分かけて登りきったが、数キロ痩せたと言う。

 → 5


第10チェックポイントフロリダキーズ早押しマラソンクイズ
   マイアミから、キーウエストまでの一帯を「マイアミキーズ」と呼んでいる。日本人にも、おなじみのリゾートの一つになった。
   今年は、ハリケーンの影響がひどいとの情報があったものの、行ってみたらそれほどでもなく、地元の人も観光客が敬遠して困ると言っていた。
   ここでのクイズは、マラソンクイズでキーウエストまでつながっている橋の上を、走りながら早押しクイズに答え、3ポイント勝ち抜けだ。

  《罰ゲーム》
   キーウエストは、文豪ヘミングウェイが愛した場所として、また海に沈む夕陽の美しいスポットとしても有名だ。
   そして、サンセット観光に続々人が集まれば、それを目当てにした商売をする人も集まってくる。
   敗者への罰ゲームは、ここに集まる大道芸人の一人に弟子入りし、ジャグリングの手ほどきを受けた後、観光客の前でそれを
   披露してもらうと言うものであった。

 → 4


第11チェックポイントフィラディルフィア早押し通過クイズ
   いよいよ、今回のクイズも準決勝。アメリカ建国の地、フィラディルフィアにやって来た。
   郊外の「バレーフォージ国立公園」は緑豊かな場所だが、独立戦争の時の激戦地となった場所でもある。
   ここでのクイズは、準決勝恒例の「早押し通過クイズ」だ。勝ち残った4名のうち、ニューヨークに行けるのは2名のみ。

  《罰ゲーム》
   学生3人と社会人1人の戦いだったが、意外とあっさり勝負は付いて、学生2名が敗者となった。
   彼らには、空港まで馬車で帰ってもらうことになったが…用意されたのは「車」だけ。そう、自分たちが馬代わりになるのだ。
   街の人達の「何やってんだ?」と、言う視線を浴びつつ彼らは、交互に車を引いてエッチラオッチラ、帰っていった。

 → 2


決  勝ニューヨーク早押しクイズ
   今年も、ニューヨークにたどり着いたのは社会人と学生のふたりだった。
   かたや、東大クイズ研所属の学生。かたや、京都の呉服屋の若旦那(三児の父)と言う顔合わせだ。
   いよいよ、第16代クイズ王の座を賭けて最後の戦いが始まる。

  《戦い終わって》
   優勝したのは、東大クイズ研の田中健一さんだった。3年ぶりに学生チャンピオン誕生である。
   彼への優勝商品は「ワイン用ブドウ畑」である。そのブドウ畑は、ワシントン州のスノコルミーと言う土地である。
   そこには、広大な丘陵地にブドウ畑が広がっている。実は、そのブドウ畑の中の「一列分」が、彼への商品なのだが
   それでも、その「一列」から収穫したブドウで、500本ほどのワインができると言う。
   しかも、ワインの銘柄もチャンピオンにちなんだ名前になると言う、至れり尽くせりだが…彼は全くの下戸とのことでした。

   余談だが、ブドウ畑1列分だけでは、栽培・収穫・ワイン醸造などの諸経費を考えると、全くペイしないとのこと。
   結局、彼はその所有権を手放すことになるのでありました(ウルトラクイズ伝説の、田中さんの手記より)

   ちなみにこの年は、こんな年でした♪