6AN5 超三AMP 測定編
 

機材
オシロスコープ        DL1540L (150MHz/8bits 200MS/s) 横河電機
ファンクションジェネレータ 33120A 15MHz    Hewlette Packard
8Ω20Wセメント抵抗器 2個

-1.周波数特性
ファンクションジェネレータにより発生させた一定電圧の原信号をアンプに入力し、その原信号周波数により出力がどのくらい変化するかを測定しました。
ここではクリッピングパワー時と小信号入力時の2種類の特性を、左右両chにおいてそれぞれ測定しました。

--1.1 クリッピングパワー時の特性(10Hz〜500kHz正弦波)

     1kHzで出力がクリップしない最大入力電圧
          Lch 201.5mVrms(出力Vo=2.172Vrms)
          Rch 200.0mVrms(出力Vo=2.154Vrms)

各チャネル出力を8Ωの抵抗器で終端し、入力に上記電圧の信号を与えたときの終端抵抗器の両端の電圧(以下出力電圧)を測定しました。
出力電力は測定結果より計算にて求めています。(P=EI,I=E/Rより、P=E^2/R)

     最大出力(RL=8Ω)
          Lch 589mW
          Rch 583mW
          -3dB点 55〜65Hz及び15.5kHz程度。
 

結果のグラフは、


となりました。

 

--1.2 小出力時の特性(10Hz〜120kHz正弦波)

各チャネルにおいて、終端抵抗の両端の電圧が1Vrms@1kHz(=125mW)になるように入力電圧を調整し、その入力電圧において各周波数での出力電圧を測定しました。
     Lch Vin=88.2mVrms
     Rch Vin=87.3mVrms

結果は、前の実験結果と共にグラフに記してあります。

参考までに、各入力周波数(明記なきものは正弦波)での出力波形を載せておきます。
 
 

10Hz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

50Hz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

100Hz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

500Hz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

1kHz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

10kHz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

15kHz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

20kHz (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 

1kHz矩形波 (Vo=1Vrms@1kHz,RL=8ohm)

 
 

-2.入出力特性(RL=8Ω)
 

周波数一定で電圧を可変させ、そのときの出力電圧を測定しました。
100Hz,500Hz,1kHz,10kHz,15kHzについてそれぞれ測定しました。

結果のグラフを以下に示します。
 


 

----
結果について。及び余談。

安い部品ばっかりのアンプの割に、まとも^^?な特性曲線でした。ただ、出力波形は正側と負側で少々バランスが悪いというのか、ちょっと歪み気味です。

今回使ったファンクションジェネレータは15MHzまで出力できますが、試しに15MHzまで入力してみました^^;
クリップパワーのグラフには載せていませんが、7MHz辺りにもピークがあり20mW位の出力がでていました(しかもほとんど歪みもなく綺麗な正弦波)。
空中線につないだら立派に飛んで行く出力です。まさしくQRP TXです。6AN5、さすが高周波用のタマですね。

クリップパワー測定時、6kHz辺りから12kHz辺りまで、スピーカーをつないでいるわけでもないのにどこからか音が聞こえます。
なんとアンプ自体から音がでていました。アンプということはわかったのですが、それ以上は調べませんでした。トランスかタマのどっちかだと
思っています。トランスは手で押さえても音量が変わりませんでしたのでタマ自身かな?

あと、同じくクリップパワーの測定をしていたとき、200kHz〜400kHzで近くに置いてあったNTTのADSLモデムが何度となく落ちました。
なんべんもやってたら、最後にはホストから切られましたT-T。さすがに原周波数での妨害には弱いようで。

音については私はとても気に入っています。というくらいでやめておきます。せまい住処なのでどうこういえる環境でもないですし。
今度、面白い音のするアンプを持っていくからとだけいっておいて、完成後しばらく慣らし運転してから音を聞いてもらった知人の評価は、
「一言で言うと、『余裕のないFETアンプ』。表現は悪いけど、音が悪いという意味ではない。むしろいい音。」
とのことでした。
言い得て妙です。私も内心全く同じ気がしてましたし。^^;というのも、その知人のところでは、山水のMOSFETアンプを常用しているのです。
会社の後輩からは、
「こんな小さいのからこんなにもまともに音が出てくるなんて。」
という感想もいただきました。

ついでに私自身の耳の測定もしてみました。(テキトーに)
結果は、17kHz(正弦波)あたりまでは感度があるみたいです。耳垢をほじったあとのテストではないのですが、まだまだ健康な耳のようです。

前ページのアンプ写真はフジfinepix 4500で撮影しています。よくみると真空管上部とシャシにホコリがたまっているのがわかります^^;
#ちゃんと拭いたはずなんだけどなあ(ぼそ)
 

These data was measured on January 20th, 2002.
The document was written on February 17th, 2002.
 

click to jump to the top page