Fluke 83 DMMとFluke 87-III DMMの、AC電圧レンジの周波数特性について。

普段、私が会社で使っているFluke 83というテスタと、私が個人的に所有しているFluke 87-IIIというテスタのACレンジについて、測定してみました。

83と87の違いは、表示桁数と精度、及びACレンジの実効値計算方法です。87は真の実効値表示です。
この真の実効値表示については「まあ、こっちの方が精度はええんやろなあ」程度でいままで大した気にはしてなかったのですが、はたしてどんなf特を持っているのかということについて、ふと気になりましたので測定してみました。
表示桁数は、83は3.5桁、87は4.5桁。(普段は3.5桁)

このシリーズにはあと85というのもあり、これは83と87のちょうど中間のスペックで、3.5桁で真の実効値表示です。
以前は85をよく使ってました。
 

機材
据え置き型6.5桁デジタルマルチメータ   34401A              Hewlette Packard (現アジレントテクノロジー)
ファンクションジェネレータ                    33120A 15MHz    Hewlette Packard (現アジレントテクノロジー)
ハンディ型デジタルマルチメータ            83                     John Fluke
ハンディ型デジタルマルチメータ            87-III                 John Fluke

実験方法
発振器で周波数を変更しながら、出力を精度のよい電圧計にて1.000Vに調整して、そのときのテスタの表示を読む。
発振器のボリウムの解像度が4.5桁しかなかったので、被測定機はどちらも3.5桁モードで読みとった。
 

結果は以下のようになりました。
青い線は83、赤い線は87で、それぞれ正弦波と矩形波(50%DUTY)について測定しています。


 
 

どうでしょう。たかがテスタと思ってましたが、なかなかいい結果です。

結果のグラフは、使用した6.5桁デジタルマルチメータと、被測定機との間の相対誤差ですので、電圧軸はあまり気にする必要はないでしょう。
#一応校正されいる測定機ですけどね。

「いかに帯域内でフラットか」に着目すると、正弦波に関してはどちらもたいした変わらない実力でした。
20kHz位までのオーディオ帯域ならば全く問題なく測定できるレベルです。
#実は説明書の仕様通りなのですが^^;

矩形波に関して、真の実効値計算の87は正弦波とほぼ変わらず正確でした。
83の矩形波は、正弦波に比べ10%以上の誤差が出てしまいました。これは仕方がないです。
 

Flukeについてはご存じの方も多いと思いますが、私はハンディ型のDMMの中では、この80シリーズがもっとも使いやすいと思っています。
というのも、表示の反応速度が速くまた、操作系が洗練されているのです。それに、かなり丈夫です。多少手荒に扱っても問題が起きたことがありません。
購入後一年間は、理由を問わず保証してくれるところに自信が現れています。
80シリーズは何年か前に、サフィックスに-IIIが着くようになりましたが、基本的に変わってません。
バックライトが全機種に標準装備されて更に使いやすくなったくらいです。

ソニーテクトロニクスが販売しているSTamigo(えすたみーご)シリーズのDMMは、その点、操作系があまりよくありません。
長期で貸し出してもらって使っていましたが、ちょっと使いにくかったです。やはり、フルークにはかないません。
まあ、私は80シリーズしか使ったことがないので、他のシリーズについては何ともいえませんが。
他シリーズをお持ちの方からのレポートをお待ちしております。

#フルークさんが貸してくれるという選択肢もあります。是非長期貸し出しして下さい^^;>フルークさん。 メールはこちら

他に、「操作して心地よいと思う測定機は?」と聞かれたら、まず最初に、「Rohde&Schwartz(EMC関係)のレシーバ等のメインダイヤル」を挙げます。
これは絶品です。適度なはずみ車の重さといい、クリック感といい、いい感じです。
最近使ってませんが、機会があればまたいじりたおしたい測定機のひとつです。
 

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ご自分で、信用に足りる情報を得てから設計/購入をするよう、お願い申し上げます。
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Jun   1st,2002  初稿
Mar 11th,2003  思い出したようにup。(いや、ホンマに忘れてた^^;)
 

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