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浪漫的廃棄物堆積場

始業式の日学校から帰ろうとすると、下駄箱に靴が見つからない。今日から新しい下駄箱だから間違えたのかな、とはじめは思った。クラスごと学年ごとに区分けされていたはずなのに、全部がごちゃごちゃにシャッフルされてしまっている。自分の靴を探すのには全部の靴をひとつひとつ見て回らなくてはいけない。
校庭に体育の男性教諭がいたので、私は声を荒げて詰め寄った。これはどういう事ですか。混乱が起きないように事前に割り振りをしておくのが学校側の仕事じゃないですか。教師は適当なことを言ってごまかした。私の後ろについてきていた友達はこの教師が顧問を務める部活の部員で、私が立ち去ったあとで呼び止められ、頬に二三発ビンタを食らった。
私は腹立たしいままに仕方なく靴探しに戻った。私の靴は、コンバースの白いキャンバススニーカーによく似ているが、踵の部分がないサボタイプのものだった。しばらくすると私のに似た靴がみつかった。それを急いで履いてみる。サイズが小さすぎた。
校舎はいくつもあって、新築されたばかりの所もある。そっちにあるかも知れないと思い、歩いていく。新校舎の入り口のところで、取り巻きを引き連れた教師と出会った。彼はレオナルド・ディカプリオにそっくりだ。もう鍵を閉めてしまったから入ってはいけないという。私は靴がなければ帰れないから何が何でも入れてもらいます、と言った。私の後ろにまた別の友達がついてきていた。その男の子は未だ幼さの残る頃のディカプリオにそっくりだ。大人のディカプリオは少年のディカプリオを捕まえて、数人の取り巻きも加わり、集団でいじめた。そこから先は記憶がない。
■■■ 9/27

「バクダットカフェ」という映画を観ていた。主題歌「Calling You」が流れていたので。でも内容が違っている。スティングが俳優として出ているので、多分「プレンティ」という映画と内容がかぶっている。そこにさらに私自身の物語が重なって支離滅裂に展開していく。
私には想いを寄せる人がいたけれど、相手は私のことを全く知らない。何とかして自然な形で出会いたいと思っている。けれど想いが強いためにかえってそれをおそれている。いざというときに自分から逃げてしまったり(先日観た「アメリ」にそっくり)、無邪気にそれとは知らず邪魔をする人がいたりして、そのうちにだんだん目的が何だったのか曖昧になり、はじめの衝動が疑わしくなり、すべてが絶望へと変わっていく。もうどうでもいいと思った時、心がほろ苦い酸っぱさで満たされて、小さく爆発した。なんだか世界が急に美しく見えた。するとそれまで邪魔をして立ち塞がる位置に居た人たちが、ごく自然に私の背中を押す位置に居て協力的になっている。狐につままれたような気分でいる内に物語が終わってしまった。結末がどうなったのか分からない。
■■■ 9/23

薔薇の林がある。南西の空へ向けて竹のようにまっすぐに、そして競うように、薔薇が一面に生えそろっている。背丈は皆数メートルに及ぶ。花はほとんどつけていない。その林は家の目の前の空き地にある。数年前に庭に植え大切に育てていた苗(実在する)が大きくなって繁殖したらしい。
何本かの薔薇の木を切ってきて、家の玄関に、剣山に突き刺して生けた。その内の一本が奇形の薔薇だった。以前にテレビで観たことがある「帯化」という状態の気色の悪い奇形で、内分泌を攪乱する化学物質や放射線の影響などが疑われるが原因は究明されていないという。 私はあまりに気持ちが悪いので、全部の薔薇を細かく切って焼却して欲しいと父に頼む。父はいい加減な返事をしてそのうちやるからとどこかに消えてしまった。母もよんできて大騒ぎをした。そのうちに薔薇はいつの間にか無くなっていた。表に出ると林からも薔薇が消えている。私はこの土壌が汚染されているに違いないと思い、高級なコニャックを土に撒いた。ほぼ一瓶空になった。残った一口をそのまま飲んだ。とても香りのいいお酒だった。いいお酒の方が浄化の作用が強いに違いない。空き瓶を片づけにきたら他にも安い焼酎の瓶などがいろいろあって、やっぱりこっちにすれば良かったかなと思った。
■■■ 9/23

親族一同で海外旅行に行く夢。また例によって、何を持っていくか何が必要で何が邪魔になるか、そういう些事で心を悩ませている。何故かどのCDを持っていくかを特に悩んでいた。ぎりぎりになってパスポートを忘れていたり、貴重品を入れておく腹巻きみたいなものを人数分用意させられたり、どたばたしてフライトの時間に間に合わない!と冷や汗をかいている。
こういうタイプの夢、あまりにも頻度高すぎ。
■■■ 9/20

タロットカードで占いをしている。大アルカナの「女祭司」のカードが三枚出た。(本当は一枚だけだけど、夢のなかでは各スートに1枚ずつ計4枚の「女祭司」があった。)こんなに同じカードが立て続けに出るのはすごく意味深なことに違いないと夢のなかの私は考えていた。ほかにカップの9が出ていた。リバースだったかもしれない。
大アルカナはふつうは絵札で、その絵そのものにシンボリックな意味合いがあるとされるけれど、出てきたカードには抽象的な曲線の集合が描かれていた。それが奇妙に美しかった。
■■■ 9/19

フランス語のレッスンを受けていて、あまりにも出来が悪く呆れられ笑われる夢。先生は歌手のクレモンティーヌによく似た女性だったけれど、もっと辛辣な冷たい感じの人だった。もっと私に合ったやり方でやればいいんだと思いながらも、口惜しくて泣けてきた。目が覚めたらほんとに涙が流れていた。
■■■ 9/18

石屋さんに行く夢。様々な石がその空間に生息している。まるでお化け屋敷に入ったみたいに、あらゆる石が私を驚かそうとしているように次々に迫ってくる、いやそんな気がするだけかもしれない。
店員が私に近寄って、新しい漬け物石がありますと言う。透明な、人工的にも見える水晶でできていて、底部は黄色っぽく不透明になっている。これに食べ物をつけ込むとどんなものも生まれ変わって、今までの波動を倍加させるのですと言う。私は半信半疑で聞きこぼしている。
セージの葉が燃えるときの煙が室内にこもるのが...。私は相手の言葉を遮って質問した。かぐわしい香りだけを残して燻すことはできないものですかね。煙草のようにあとで煙の匂いが染みついてしまうのがいやなんです。(セージの煙は石を浄化する際に使う。)店員はまだ漬け物石について説明していた。
自分の部屋のピアスをしまってある箱があるべき場所から落ちて、中身がぐちゃぐちゃになってしまっていることにふと気づく。それぞれのペアを捜してベッドの上を手探りする。掛け布団のカバーの端についているレース部分にいくつかのピアスが引っかかっていた。それでも4つのピアスが片方しか見つからない。相手が見つからない彼らは寂しそうに掌に身を寄せ合った。彼らはガーネットとピンクトルマリン、あとは忘れてしまった。
■■■ 9/16

映画館に友達とふたりで行く夢。私はその映画に余り興味はなかったけれど誘われたので一緒に行ってあげようと思った。本編が始まる前、友達は席を立ってどこかへ行ってしまった。そのまま帰ってこない。取り残された私はそのまま映画を見るけれど、眠ってしまい気づいたらエンドロールが流れていた。友達はほかの友人と買い物に行っていて、買ってきた服を楽しげに見せびらかしていた。なんだかとても虚しくて悲しかった。
■■■ 9/11

公園に水が溢れ、それでも氷盤のような空が音も立てずにその水嵩を増そうと画策している。あらゆる遊具が次々と水に沈んでいく様が、早送りの映像のように映る。
周囲の色彩も凍りつき、白く煙った鏡に映し出された、どこか異世界の日常のよう。ああ、世界全体が鏡なんだ。そう思った。
私は公園脇の車道に停められた車の助手席で横になっていた。シートはカプセルのように私を包み込む形状になっている。車のなかにも柔らかく白い水が浸水してくる。液体窒素のように触れたら凍りつく危険な水。その水が無性に愛おしい。
カプセルの内部は暖かだった。カーステレオから、大好きな音楽が静かに流れていた。
■■■ 9/09

その人は背を向けたまま、雑誌だか本だかを読みふけっている。背を丸めることで私への拒絶を物語ろうとしているよう。私が呼んでも生返事ばかりする。彼に対して腹は立たない。でもその状況と自分自身に無性に憤りを覚えた。それでも黙ったまま、じっと横になっていた。
■■■ 9/08

始業のベルが鳴る前に教場へ。
壁掛け時計の針が狂っていて、直そうとする。その裏には埃の代わりに粘性のシリコンのような澱みが溜まっていた。それを何度もふきとるのだけれどなかなか綺麗にならない。焦っていた。
■■■ 9/07