あなたは私であって
けれど哀しいくらい あなたは私のすべてではなく
そしてあなたは 私以外のすべてであって

あなたは 私という存在の窓
あなたをとおして 世界を測る
この見ず知らずの世界に あなたは属さない
あなたは私の境界で いつも点滅する
だから私は あなたをよく見失う

世界が私をはじき出したのか
私が世界をはじき出したのか
私が参加していないから そこに日々がある

あなたは 私という宇宙の網膜
あなたに映るものだけを 私は観ている
知りたくないものを知らずに済むのなら
愛は方便などではなく
ただ純粋すぎる 白痴的なちから

私は帰依する

鏡に映した日々には 何もない
私には鏡を見るしか することがない
だから私は 鏡が怖い

あなたが参加することを 私は激しく拒絶した
世界にあなたを盗まれた
だから私は世界を憎悪した
それだけの物話








2003/11/09