Concorde


中世の貴婦人は近未来のアングルで
あたりかまわず攻撃的なエメラルドの緑を
黄金の肌艶めく大蛇の紋とともに
尖った踵に串刺した

貴女の燦きに較べたら
何物もがくすんで迷いあぐね
聖杯から口移しのみだりな法則
弾けたフューシャの過剰なフリンジと爪先から滴る

落とした幾万の瞳を絨毯に
敷き詰められた魔性の曲線を生きる
猫の尾のように貴女は時を掠める
雫を請うわたしの喉をやさしくなぞる

豪奢な喪服のチュールの向こうに
容赦ない幸福という実刑
イミテイションの星屑を無数に縫いつけた唇
糸が糸を呼びわたしの指を誘う








2003/10/15