Concorde 中世の貴婦人は近未来のアングルで あたりかまわず攻撃的なエメラルドの緑を 黄金の肌艶めく大蛇の紋とともに 尖った踵に串刺した 貴女の燦きに較べたら 何物もがくすんで迷いあぐね 聖杯から口移しのみだりな法則 弾けたフューシャの過剰なフリンジと爪先から滴る 落とした幾万の瞳を絨毯に 敷き詰められた魔性の曲線を生きる 猫の尾のように貴女は時を掠める 雫を請うわたしの喉をやさしくなぞる 豪奢な喪服のチュールの向こうに 容赦ない幸福という実刑 イミテイションの星屑を無数に縫いつけた唇 糸が糸を呼びわたしの指を誘う |