非常口 あなたの螺旋を飲み込んでもういちど受胎したい なんどでも なんどでも 再会のための別離などもう要らない あなたのほとばしりを運転席に わたしのアクセルは踏み切られる 粉々に砕けるまで加速する これ以上細かくできなくなるまで 二分できない粒子になって 混じり合うため あなたという原風景を生きる これも嘘 あれもほんとう 言葉にするたび いいわけしかしたことがなかった すぐにでも飛び込める出口を 強制的な終了宣言を 影法師を弄ぶ遊び 春は意味を求めずとも開くけれど だって きのうまで あなたこそがわたしの非常口だったのだから |