非常口


あなたの螺旋を飲み込んでもういちど受胎したい
なんどでも
なんどでも
再会のための別離などもう要らない

あなたのほとばしりを運転席に
わたしのアクセルは踏み切られる
粉々に砕けるまで加速する
これ以上細かくできなくなるまで
二分できない粒子になって
混じり合うため

あなたという原風景を生きる

これも嘘
あれもほんとう
言葉にするたび
いいわけしかしたことがなかった

すぐにでも飛び込める出口を
強制的な終了宣言を
影法師を弄ぶ遊び
春は意味を求めずとも開くけれど

だって
きのうまで
あなたこそがわたしの非常口だったのだから




2003/11/28