極東の果実


枯れ枝を透かして滲む夕映
既に季節を去った緑のかわりに
枝は薄桃色の果実を纏った
こころを絞り出し柔らかくまとめたら
空の向こうのあなたに贈る
太陽の朱が瑞木をつたい
星の裏側へと
彼方の朝へと届く

大空に満ち満ちて浮かぶ白い蓮
朝に夕にと照らされる
微笑みの円と円がまじわる処
すべてのこころがやがて帰る処
降りそそぐ花粉をたなごころに受ける
お日さまとあなたの匂いがした




2003/10/16