カケラ


天から墜ちた星のカケラは夢みた
地の底で
いびつで
さざめきもなく
脈うつ黒いかげろう
はしごをかけ
ここではないどこかへ
どこでもないどこかへ
眼を伏せたまま描いた
色を超えた色の宇宙
やがて黒い種は芽吹いた
まぶしい青にたかく背を伸ばし
星を幾重にも取り巻く
緑の屋根となって
はじめて
黒いカケラは気づいた
まもるべき星の美しさに