黒点


鏡のように割れた空はばらばらと崩れ落ちる
破片たちはただ針のように尖ったまま降りしきる
慟哭は産声のように響き渡る
唇に受ける君の涙は海の香り
まっすぐな眼差し貫く傷口から聴こえる潮騒
君は僕の小さな貝殻

互いの吐息を吸い尽くしたらもう一度空を見上げよう
何もなくなった空その向こうに何が見える
そこには虹もないすべて子宮の中
まだ見ぬ神秘の胎動をそこに見て取る勇気を持てる
静けさに立ち尽くしながら

君の瞳に揺れる光の螺旋描き沈む太陽
今空っぽな音を立てて砕ける僕の抜け殻たち