黄道

居丈高な精悍を天国へ排水してしまった
搾り出した乳の香を邪推したつばめたち
天雅から墜ちた磁石の両極
弾き合うのを検証する第三の眼
モルダヴァイトの疾走を聴く

地軸を揺るがす響きに身を裂き
清らかな雷鳴に熟れた躯を投げ出し
雨に洗われた瞳に映るのは
ほつれそうな鏡のなかの顔
透明に割れた画像
虚無さえが居場所を失って
たったひとつの永久を語る
乱獲された悦びのマネキン
磨り減らぬ靴底には棘
それでも転がり戸惑う星は
狂った饗宴の片隅で
錆び付いた欄干を握りしめ
嗚咽を零した夜の底
ビロードは微かに泣いた

あなたが烈火にくべられる時
わたしはその炎となるでしょう
あなたが時空に突き立つ矢になるのなら
わたしは虹を奏でる指先になるでしょう
約束じゃなく誓いを





2002/2/17