睡蓮


月の蒼い涙
闇を映す鏡
たゆたう睡蓮
たったひとすじの
しずけさを乱す
ちいさくはにかむ
ひろがる記憶の湖
光輪に抱かれて眠る
石は沈んでゆく
極彩色の夢を孕み
迷いなき鮮やかさで
美しさだけが結晶する
ゼロと無限大が愛し合う場所
ようやく辿り着く
月が焦がれた
太陽と出逢い灼き尽くされる日に