真昼の月
たったひとりを想う心が
世界を殺しても
かまわないと思いました

端正な面立ちをした運命に縋りつき
乳首をしゃぶる幼子のように

あなたがいなくなったなら
世界はひろく
はてしなく
白く

望んだ月の色でさえ
眩しくて見えなくて
もとめる心だけが
餌食を探して荒野をゆく

幻と知らず幻を見て
ほんとうと知らずほんとうを知りたいと

残酷な無限になど染まりたくない
ちいさな闇にありったけを詰め込んで
まんまるにふくらんだ
ふたりだけの宇宙を飛ばしたい