Passage



世界は 悲しみの底を知り
溢れる涙に浄められた
深い瞳 汲み出すあの棺から

縒られた糸 雨より細く
あなたは支えを失くしたように
ためらいながら そっと右腕を伸ばした

夢は消える 真実になるため
やがて巡り来る季節に また夢を見るため


この幻の世界のなかで
あなたはわたしの影を追った
信じられるもの何ひとつない空白に

夜は明ける 光を知るため
そして巡り来た朝日は 果実を手に落とす

振りほどけない痛みを抱き締め 踏み出す道なき道に
青白い無限の輪郭を見る あなたはそうして知るの


あなたを包む闇になりたい
その輝きが今より 際立つように

道標まで見紛う場所で
あなたの詩(うた)が途絶えるのなら
世界も果てるということ 覚えてて 視界の片隅に

私はその陽射しを浴びて 花ひらく永久の約束を
蕾の奥 深く潜めて声を待つ 信じている









1999/歌詞として書いたもの