夢に届いた電波の糸をたぐり寄せる
細く細く見えないけれど目を閉じるとひときわ輝く糸が
決して切れてしまわないように
薄い桜色は左手に絡みつき
こんなに大きな糸玉になったのに
わたしの心にはそれよりずっとおおきな
やわらかく脈打つ桜色があふれている
蕾のまま切り落とされた枝から
抽出された儚くも確かな色それは
貴方の指が触れたとき
闇という闇を染めるために待機している





2002/4/09