全世界に見つめられるより眩しいふたつの瞳
音楽的な沈黙を放ち今わたしを包む
輝きは桃色の共鳴
抱えきれず取りこぼす白昼夢
こんなにも優しく開かれる窓があるとも知らず
わたしたちは時を雨のように降らせて
宇宙が焦れったいと呟くのを待った

光よりも速く旅をする
さしのべられた記憶の海を
本能で絡めた鱗の閃きに導かれ
深度計など捨ててしまおう
すべての雨粒が還る世界で必要なのは
幸せと名付けられた無限
日本刀より安定を知らず
柘榴よりも甘く紅く
根雪のように張りつめて
シリウスのように透き通る
その瞳 それだけでいい