あなたの喉に 深く突き刺さった棘を
わたしの舌が 甘く溶かしてあげられたなら
背骨のひとつひとつが こつこつと音を立て
軋んでいる 語っている 重なり合い
宿った星屑の悲鳴のように 泣き
風が撫でて行く その翼の柔らかさが謎めく
あますことなく 逆立った羽根を舐め取って
木漏れ日の描くモザイクを そこに映し出そう


痩せこけた頬の窪みにつどう 涙たちのつぶやきを
ひろいひろい海へと 導いてあげられたなら
脈々として息づく命の苑で 鼓動のなかに眠るため
わたしの手を取ってください さあ今すぐに
わたしの瞳を さざめきひとつない闇のなかから
汲み出すように 溢れ出るように 掬ってください
こぼれた笑みの 口許でゆらぐ
その温かい吐息のなかに わたしを閉じ込めるように


世界中のすべての原子は あなたの歌にうちふるえる
そして 予感を孕んだ 風が吹き抜ける
深い緑に潜む 森のかすかなざわめきを
わたしは いつまでも こうして聴いている