不協和音




天空の皮膜がまた一枚引き剥がされた
明度を僅かに増したどこか不可思議な緑が眼を突き刺す
やけに眩しい

有り得るはずのない数の花弁を持った花が咲き誇り
不自然な染色体の構造を持つ生物が猛スピードで成育していく
両性具有の魚たちは波打ち際で楽しげに踊りつづける

絶対音感を持つはずの鳥たちが狂ったチューニングで歌い続け
私はいつどうやって叫べばいいのか判らず途方に暮れる

何もかもが早送りで見る画像のようにぎくしゃくとしていながら
1ミリの狂いもなく完璧に遂行されていくかに見える

これは輪の一環なの
歯車の一部として展開していくシナリオだったの





2002/1/24