想い




あなたの言葉の鋭角が私の形をなぞっていく
何故そんなにまで血を吐くのでしょう
いつしか私があなたを忘れてしまうだなんて
その罠が天球に振り下ろされる斧となっても
この想いは舞い落ちて朽ちる花弁なんかじゃない
幾度でも春を宿す土壌にも
幾度でも壊し合い傷つけ合った絆にも
あなたが願うどんなものにも姿を移す
幻影すら映さないその網膜などもう信じないで
私だけを信じて太陽より水平線より

この片目は故障しているから
脈打つ赤黒いものを指の間にだけ感知する
眠った細胞の不可侵な領域に既に書き記された
正確なその温度を再現できるまで
時は湧き出す斜光の矛盾した波長を縫って
尽きない水脈の行方が導く都
笹の葉に乗って流れる星屑が
私たちの心臓に格納されるまで
永い永い夢は終わらない