嘘のかたちを探りつづけるように
暗闇のなかで両手を揉んで
目を開けば雪崩れ込む光に怯えてる
いちばん大切なものを掌から零しては
また拾い集め繋ぎ合わせる
裁きを待つ囚人のように

ただ逆巻け この想いが龍となるまで
切り落とされた両腕から流れる血の一滴が
海底の貴方に届く それだけでいいと夢を見る


織り上げた願いで暗い海を覆ったら
私は何から貴方を守れる
挫いた足首をさすりながら
何時まで途方に暮れていられる
たとえば憤慨した嵐がこの身を愛し
ゆるく続く船酔いに処するなら

覆せ この想いを龍となるまで
切り落とされた両腕から流れる血の一滴が
海底の貴方に届く それだけで何もかもは報われる





2002/3/21