繰り言



ただもう少しだけ奪ってくれるなら
冷え切った正気など握り締めていないのに
甘えた花の蜜は苦いと
痺れた舌で味わうくせに
蹄の音が耳鳴りに重なる
私は両手をそっと耳にやる